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白い死神~創作物語~ 第一話

2017-07-15 00:38:16 | 日記

少し長いものを載せてみようと思います

お時間のある方。。。

お付き合いいただければ、幸いです。

全13話になります。

どうぞよろしくお願いします。

    【白い死神】

『思いもよらぬ、とんでもない状況に置かれると、 

どうやら人というのは笑うしかないらしい。』

学校へ行く途中にある小さな公園。
私はそこで、何年か振りのぶらんこに揺られていた。
考え事をするためだ。
その時すでに、思考回路はショート寸前。
頭の中は、かつて無いほどフル回転していた。
考えても、考えても、
おそらく答えにたどり着く事は出来ないだろうと予測はできた。
ぶらんこと一緒に思考は行ったり来たりを繰り返す。
それでも必死に考え続けていたのは、
考える事くらいしか、私に出来ることは無かったからだ。

もうすぐ、日が暮れようとしている。
公園に夜が迫っている。
夕焼けで真っ赤に染まったすべり台が、
もう帰る時間だよと教えてくれている気がした。
でも、私にはもう帰るべき場所が無い。
その事だけは、はっきりわかっている。
だからこそ、これからどうしたらいいかを考えなければならなかった。
おそらくこのまま、私はここで夜を迎える事になるのだろう……。

夕食時、どこからかいい匂いが漂ってくる。
この匂いは……そうか、カレーライスの匂いだ。
最後にカレーを食べたのはいつだったっけ。
そういえば、しばらく食べていないかもしれない。
なんだかむしょうにカレーが食べたくなった。
思いっきり、辛い奴がいい。
火を噴くような辛さで、
今のこの状況を一瞬でいい。。。忘れたい。

カレーの匂いを無意識にたどり、何となくあたりを見回す。
すると、何か白いものがこちらに近づいてくるのに気がついた。
よく見ると、どうやら小さな仔犬らしい。
まるで、綿菓子みたいなふわふわの真っ白い仔犬が、
私にどんどん近づいてくるのだ。

かわいい……。

その愛らしい瞳を見つめた時、
きっと、だれもが思うであろう衝動に私は駆られる。

……抱っこしたい。
 
それ程、犬好きという訳ではない。
でも、抱き上げずにはいられないような愛くるしさが、
その仔犬には備わっていた。
思わず近寄り手を伸ばす。
思ったより、もっとずっと、その仔犬は柔らかに出来ていた。
頬ずりしようと顔を近づけた時、その信じられない出来事は起こった。
 
「はじめまして。僕、死神です。
 お迎えに上がりました。
 夏川流音ちゃん。」
 
仔犬が喋った。そして、私の名前を呼んだ。
この理解の範囲を遥かに超えた出来事に、
私はあろう事か、笑い出してしまった。
すでに、思考回路はショートしていた。
ただ、その仔犬に見える死神を抱きしめながら、
私にはヘラヘラと笑う事しか出来なかった。
               
                 つづく。。。

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