おばんでがんす
毎年12月23日は大正月のお飾りを作る日と決めたある
昔は当日朝飯、昼飯、を野菜と蕎麦だけで済ませ昼風呂に入り、潔斎沐浴をして午後から作り始めた
夕方遅くまでかかるが作り終えると、又風呂に入り、祝のご苦労酒を戴く、この日ばかりは、二の膳付きの豪華接待を受ける
代代家長と跡取りの男の仕事と決まっており、酒はもういらないというまで飲んで良く、しかも専属のお酌付きと言うものだ
ご苦労酒が終えると初めて家族一緒にお夕飯を食べる
こうした事で跡取りの自覚を高め心構えを植え付けるのだ
平成になり、偶偶天皇陛下のお誕生日となり、祝日となったので、朝から作成するが、時代が段段変化してきて
爺、倅。男孫、の三人で作るのだが、今年はせがれは仕事が忙しくてパス、孫は午前中だけと言う事で忙しく作った
お夕飯も如何やらあまり期待し無い方が良いらしい雰囲気だ。こうした伝統文化を細部にわたるまで残すと言う事は難しい。
でも何とか残したいしそれなりの手立てを施したいと、無い知恵をひねり出している
何はともあれ今年も作ることができた。そしてお飾りを作る順番も決まっている
第一番に作る物、七五三大注連縄、と言う、長さ3間(5.5m)の中に「垂れ」が7,5,3、と付く、真ん中の五が必ず大黒柱に来るように作成する
二番手はお顔隠し、と言う正月様のお顔がまともに見えない様に御簾の役目をするものだ
これは孫が作った。三番目は、大五連、と言い、一束の藁を二つに分けさらに三つに分けて三子縄に綯う
頭頂部を連結し揚羽結びとする、両方に白髭を付ける
大五連の次は、子五連を作る、これは一束を二つに分け普通に綯う、これは数が多いので大変だ
そして次には、宝珠の珠。と言うものを作る、これは神社などの高欄についているは柱頭の飾り物と同じもので、うちの中の
仏壇や神棚などに飾り付けるが、後日また示す
次に門松につける大実込め、実込め。とは読んで字のごとく。実を込めるという、、、稲の豊かな実りを祈願するものです
門松用については、三子、で綯います
二本だけで綯った太い髭が付いている、さらにさらに豊作で有るようにと言う願いです
そしてすべての屋敷内の神様に奉献する実込めは二本よりで綯います
又、地元の道祖神や、地元に散在する、神々の分も作ります、そして山岳信仰の山、榛名山系の、相馬山、双つ岳、
にも奉納します、もちろん雪との兼ね合いを見て登拝するつもりです
そして最後は当家の御神木、比翼桧葉、につける横綱、です
垂れは十二か所で、十二様と言う山の神様に奉納します、つまり山の神、大山衹之命に奉納するものです
長さは、3m600, で一年の日数を表しています、そして垂れの12は月数を表しています
折角豊作であっても屋敷や建物や。家族が健やかにいなくてはなりません、そこで其の全てを御守護いただくのが御神木です
こうして八種類56本が整います
これが当家の大正月の注連縄造りです、昔より多少は省略した部分もありますが概ね、ほぼ、昔通りに伝承しています
そしてこのことが体の一部の様に自然とこの日にはこのモードになる、事が伝承の究極です
自作の御幣束を取り付けて終了です
本来は、箕と言う入れ物に入れて、床の間に七日七夜、飾って、から30日に飾り付けをしますが、今年は長雨で稲藁の出来が
悪く、色もよくないし柔らかくてくたくたの様な藁なので縁側で干して乾燥させてから床の間に奉納する予定です
来る新年が皆様にとって良い年であることを心かから祈念しながら作りました
師走の最終局面を乗り切って良いお年をお迎えください
そんじゃあまたはなすべえ
遊童子
今年も例年通りの正月飾りを作ったのですね。なんという数なのか、それも8種56本を1日で作ってしまうとはすごい事です。慣れた人ならできるのでしょうが、私の感覚ではとてもとても・・・です。お疲れさまでした。
私もボラ先で一般の方を対象として開催する「正月飾りを作ろう」でお手伝いをするために事前にボラ仲間だけで作成の手ほどきを受けました。毎年飾りの形が違うのですが、これで3回目。何とか縄綯いができるようになってきました。でもきれいに見えるように作るのは難しいです。昔の農家の人たちは誰もができる技だったと思いますが、現代では必要性が無くなってきたことで基本の縄綯いもできない人が多くなっていると思います。多くの方が縄綯いができると喜びます。それだけ特別な技術だと感じるからだと思います。
神事には左綯いだそうですが、私は正月飾りでしか綯い方を知らないので通常の右綯いはやったことがありません(^^;)
<橙>
こめんとありがとうございます
暫くぶりで長文のコメントを戴き感謝です
縄綯いは昔の人の大事な冬の作業でした
その延長線上にあった正月飾りでしたので、別に普通に難無く消化していたのでしょう
正月の注連縄にもそれぞれに謂れがあり、全てが五穀豊穣と、商売繁盛と健康の祈願です
昔の人もいまの人もそうした事には欲張りなのです
そうした謂れ矢伝統を少しずつ気長に教えながら作っています
そうして根気強さがないと昔の家例や伝統文化は伝承できないと思っています
幸い孫の仕事はとても丁寧できれいに仕上がりました
きっと良い正月が来て来年は、寿山福海、となるでしょう
もう私達の近郷には正確にできる家は一軒もなくなりました、なんとしても残さないといけないという使命感を感じます、行政も応援してくださる話もあり
新しい対応も考えなくてはいけないと思っております
又大晦日前日には飾りつけをしますので楽しみにしていてください
では又