中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

博物館に初もうで

2018年01月06日 | 工芸・アート



                   「押出如来立像」飛鳥~奈良時代・7~8世紀

新春のお慶びを申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

お正月三ヶ日はゆっくり過ごすことができました。
頭のなかで織物のことがチラついていましたが、正月の清新な気持ちであれこれ思いを巡らせるのは楽しく満ち足りた気持ちになります。

三日には上野の東京国立博物館に着物で初もうで。北風の強いとても寒い日でしたが、着物の方もチラホラいらっしゃいました。
人出も多かったのですが、佳きもの、善きものたちと出会ってきました。
古い時代でありながら色褪せないものたちに向き合うといい仕事をしなければ、、という気持ちになります。
それは古いからいいとか、新しいからとかでなはい普遍的なものがもつ力だと思います。

たくさんお正月らしいものが展示されていましたが、2点だけご紹介します。
上の写真はガラス越しに撮ったものですが小さなレリーフの如来様です。
キャプションには「個人的な礼拝対象として、また厨子や室内の飾りとして用いる」と書かれていました。釘で固定するよう縁には小さな穴が空いています。見惚れてしまいました。



                        「鈴付銅釧」古墳時代・5~6世紀

もう1点、同じく本館「日本の美術」の部屋にあったものですが、鈴付きの腕輪です。
「鈴の中には石丸が入っており、腕を動かすたびに音色を響かせることができた。装着した人の権威や呪力を高めることができた。」と説明書きにありました。モダンなかたちです。音も鳴らしてみたかったです。石と銅の触れ合う音を想像します。

古の人の精神は今の人にも通じるもの。神聖なものに触れさせてもらい、心洗われるものがありました。

善きものに触れ思うは、平和な日本、世界であるようにと改めて祈ります。

そして本年もいい仕事をしてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。








 

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