中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりが「紬きもの塾」を開講しました。このブログはその記録を中心に着物、工芸、自然を綴ります。

 第10回紬きもの塾―― 半幅帯の結び方(最終回)

2014年01月18日 | 紬きもの塾’13


今年度の第5期の紬きもの塾が12日に終了いたしました。

この日は着物初心者にも気軽に着物を着てもらうために、半幅帯の結び方をやりました。
あとはこの一年のまとめ。この日も濃厚でした!
終了後にはワインパーティーをしました。それぞれのマイカップの湯呑で乾杯!
一人一人感想も聴きながら、2時間近くみんなで話をしました。
毎回が濃い内容でしたので、感想も、途中言葉に詰まったり、様々な気持ちが去来して、
感極まる方もおられました。
いろいろな思いや覚悟を持って臨んでくださったと思います。
でも何がしかをしっかりと受け止めてもらえたように思いました。

人と「もの」との関係性をもっと考えていかなければ社会の流れに振り回され、
飲み込まれてしまうかもしれない。病に陥るかもしれない。そんな不安も覚える昨近です。

「もの」がおろそかにされる時代は良いことではない。
それは正に人がおろそかにされることだから。

1枚の布を見つめ、見極め、纏う。
それは自分を見つめ、見極め、新たな自分と出会うこと。
それが今という時代の中で着物を着るということ。

そしてまだ余裕なく、すぐに着物には手が出せない方も、
日々の暮らしの中で、衣類のほころびを直したり、簡単な縫い物をしたり、
洗濯物をただ全自動の機械に任せないで、時には生地を見定め、上手に手洗いしてみる。
洗濯物をたたむ時の布の感触を体感する。
また、茶葉を見極め、温度や茶器にもこだわり、おいしいお茶を入れてみる。
美味しいご飯を土鍋で炊いたり、風味豊かな味噌汁を作る。漆の椀に盛り付ける。

身近な草や木を注意深く観察する、庭で草木を育ててみる。
当然のことですが、そんなことも、みんな草木で染めた手織り紬の着物ともつながりのあることですから、
大切にしたいです。
一見何気ない日々のことが、実は確かな生きる喜びにつながり、その延長線上に着物もあると思います。

みなさんからは、このまま終わるのは寂しいということで、上のクラスも・・・というような話もでたのですが、何分、時間のかかる制作に忙しく、すぐには実現できそうにはないのですが、しばらくは学んだことをご自分で生かし、実践していただき、紬の会、かたちの会のイベント、アート塾などに時々でも参加して益々精進して頂ければ嬉しく思います。
みんなで集まれる会も持てるといいのですが、ただのお食事会とかではなく、何か学びがあるような会ができればいいなぁと、頭の片隅には入れておきます。
あてにしないで待っていてください。。。良いアイディアがありましたら提案してください。

みなさんからの終了後の感想が届きましたので、以下にご紹介します。
固定観念や先入観を、この塾での学びを通して洗い流してくださっているようにも思える感想です。
少しというかかなり長いですが、是非お読みいただきたいと思います。^^;
一年間、ご苦労様でした。ありがとうございました。

第6期の紬きもの塾の詳細は2月下旬にお知らせします。
募集の受付は3月中旬になります。

以下、6名の方の感想です。

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日本の民族衣裳としての着物を、ファッションとしてではなく、魂を包む纏いものとして理解したいという気持ちで着始めました。
でも、なかなか思うようにいかず、あちらこちらで美しい着物に目を奪われつつも、自分が求めているものは本来何だったのか見つけられそうな自信も持てないまま半年ほど過ぎたころに紬塾の存在を知り、参加いたしました。

紬塾では、着物ができるまでの過程、着方を学ぶとともに、着物を着て日々の生活を送るというのはどういうことかということを、幸田文『きもの』を教材にして学びました。この本の中で、印象に残る箇所はたくさんありますが、震災のあとの「肌をかくせればそれでいい、寒さをしのげればそれでいい、なおその上に洗い替えの予備がひと揃いあればこの上ないのである。ここが着るものの一番はじめの出発点というべきところ、これ以下では苦になり、これ以上なら楽と考えなければちがう。」と、主人公のるつ子が着物の出発点を掴むくだりは、いつも心にとめておこうと強く思いました。

着物の着方については、先生のご指導のもと、より合理的で楽なやり方を知ることができました。崩れるのが心配なあまり、窮屈なことをたくさんしておりました。腰紐1本で、これからは着ていきます。

また、お蚕さんから糸がはき出され、人の手を経て着物となるまでの過程を、先生のお話とともに実習もさせていただき、具体的にいかに尊く、どれだけ大変なことかということがわかりました。
先生の機をお借りして、先生の指導のもと、実際に自分で紡いで染めた糸を使って小さな布を織ることができたのは本当に幸せな経験でした。織るまえに糸巻きをしたときに感じた、糸から息遣いが伝わってくるような不思議な指の感覚は特に印象的でした。
そして、紬塾で「衣」と向き合うということは、自分の生活全体を見直すきっかけになりました。
時代の流れは、なるべく人間が楽に暮らせるように進んでいきますが、その中でいつの間にか見失い、
見失ったことすら気が付かないで過ぎてしまっていたことに気が付く機会となりました。
たとえば洗濯です。アルカリ剤で洗うことができるというぼんやりした知識はありましたが、声高に宣伝される合成洗剤を、ごくごく当然のように使っていました。
しかし、一度アルカリ剤(炭酸塩)をご紹介いただき、使ってみると、なんと便利に使えることかと驚くばかり。
そうなるとその驚きをきっかけに、毎日習慣として無意識に続けていたことや、なんとなく違和感をもちながらも、そうするべきだというあまり根拠のない固定観念に縛られてしまっていたことに色々と気付き、生活全般において改善点がみえてきました。

そうして昨年4月に始まった紬塾は1月で最終日を迎え、今、心にしっかりあるのは、これからも着物をもっともっと着ていこうということです。
今、いろいろな過程、事情をへて、自分の手元にある着物を今まで以上に大切にしようと思います。
愛着をもってお手入れをし、心かろやかに着ていくことで、その着物の持つ物語もきっと貴く輝くものとなりましょう。
そうすることで、魂を包む纏いものとしての着物を、より深く理解できると確信できるようになりました。
この紬塾を通して、貴重な時間と大変なエネルギーをかけて準備と指導をしてくださった中野みどり先生に心より御礼申し上げます。   A.K.

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『何年も前に中野先生の本と出逢い、是非、学ばせていただきたいと
 紬塾の受講を申し込ませていただきました。

 講座の中での中野先生のお話が毎回、心に響き、様々な背景や
 世界を感じさせていただきました。

 紬塾の実習で、糸を紡ぎ、桜で糸を染め、設計し、機で織る一連の
 工程を身をもって体験させていただく中で、手仕事は日常の様々な
 場面に通ずる面があり、手を使い、身体を動かす事は五感が高め
 られ、感性を研ぎ澄ます事の大切さを改めて感じました。

 染めの時間や分量の数値も本やマニュアルには、表現しきれない
 世界で、温度調整し、染め具合を良く見て、観察しながら工程
 を進める事は、作業1つ1つ、素材と向き合い、体感して感覚で
 覚えていく事の大切さを感じました。
 実際に向き合って、どうしたら効率よく、素材を痛めないか工夫して、
 身体で体感しないと分からないなと思いました。
 
 私達の生活は、どんどん便利さや速さや簡単さ、楽に出来る事を
 求めていってしまっている事が残念でなりません。
 手仕事は私達に備わっている五感と感性を磨いてくれる大切な事
 なのだと講座を通じて学ばせて頂きました。

 先生の『人間は心地良いものを纏いたいし、人は布を織るように
 生まれてきている』という言葉が私の中にずっと宿っています。
 先生のお話から、糸1本への慈しみや、昔から使われ、受け
 継がれてきた布や道具への愛情が伝わって、何度もグッとくる
 事がありました。特にお母様から受け継がれた布のお話など・・・

 工夫をし、物の命を活かし、大切にする心をずっと実践されて
 いらしたからこそ、先生のお話は心に響くのだと思います。
 先生から学ばせていただいた1つ1つを日常の生活やあらゆる 
 場面で、活かして実践していきたいと思いました。

 着物の事、染織の事、糸の事を通して、日々の暮らし方の
 大切さや心構えを教えていただいた気が致します。
先生のおっしゃった事を忘れず、暮らしに活かせるようにしたい
 です。

 中野先生の有意義な講座を受講させていただけ事・・・本当に
 感謝しています。
約1年間、本当にどうもありがとうございました。
そして、一緒に尊い時間をご一緒させて下さった紬塾の皆さん
 どうもありがとうございました。      A.R.

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紬塾を受講する以前から着物を着ることに興味はありましたが、難しいことだと先入観を持っていました。
ところが先生から教えていただき案外簡単だということを知りました。
腰紐一本、伊達締め二本、着物、襦袢。これくらいの必要最小限の物に半幅帯を締めるだけで、着付けは20分で終わるということにとても驚きました。
私はまだまだ経験がないので20分では着ることはできませんが、着るための手がかりを教えていただいたように思います。
とてもシンプルで無駄が削ぎ落とされている着方です。
「無駄な道具を使わない、動作をしない。」
塾を通して先生がたびたびおっしゃるこの言葉に先生の教えの根本が含まれているように感じます。
最初は紬塾は着物のことを学ぶところだと思っていました。
しかし実は着物のお話を通して無駄の少ない生活の仕方を教えていただいているように思います。
例えば洗濯をする時。汚れ方が様々な衣類。洗い方洗う時間もそれぞれ異なるはずなのにすべて同じ全自動の洗濯機で洗ってしまいます。
何も考えないで生活をすることでどれだけの無駄を出しているのか。
このような日々の生活のことも着物と同じ次元で考えていく。
着物は非日常のものだと思っていました。でも日常のものにすることが出来るということに気がつきました。
着物を着ること、考えることを通して日常生活を見直すきっかけになりました。
一年間あっと言う間でした。とても勉強になりました。ありがとうございました。       I.M.

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4月からはじまり、あっという間の一年でした、糸の事から着付け、ものづくりにま
つわることなど、何もかも楽しく興味が尽きない時間でした。
まさに『着物の奥深い美しさ』を先生の作品と言葉を通して学びました。
着物の着付け、帯の結び方、半衿の付け方などもとても参考になり、これからも取り
入れてより身近に気軽に着物を着られるようになりたいと思いました。
また、幸田文の『きもの』の感想発表も他の方々の捉え方や着眼点がそれぞれで面白
かったです。
やはり心に残ったのは先生がおっしゃった言葉『ひとは布を織るように生まれてくる』
でした。
蚕からいただいた糸を大切に扱い、確かな技術で織られた反物は美しく、心を打ち、
100年を越える堅牢さを持つ。大変高価だけれども、着姿を美しくする。初心者こそ
本物の紬をまとってその布の力を実感して欲しいと。
そして作り手の心が込められたものを手に入れる時はその布(お蚕さんの命)の一生を
引き受ける覚悟をしなければならない。 そう伺った時、私は今まで着物を買った時、
手織りのものではなかったにせよそんな気持ちを持っていたかと考えました。昔のよ
うに雑巾になるまで使い倒さないとしても『始末する』ことを真剣に考えていなかっ
たと思います。
使い手として、作り手の苦労を思い、糸の質、布の良し悪しを見極め、美しさに感動
することを忘れずにいたいと思います。
これは布だけに限ったことではなく、『もの』そして『ひと』に言えることだと先生
はおっしゃっていました。
毎日慌ただしく、気がつくと雑に生活してしまいます。着物を着ることでふと立ち止
まり、周りにある『もの』の意味に思いを巡らせるきっかけになればと思いました。

先生、参加者のみなさんと毎回本当に楽しく過ごすことができました。
ありがとうございました。                    H.J.

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盛りだくさんの紬塾でのお話ありがとうございました。
当初は緊張のまま参加させていただいておりましたが、先生の優しい笑顔から語られる、きものへの熱い想いを伺うにつれ、私の心の中に凝り固まっていた着物への硬いしこりが溶かされていくような心が解き放され軽くなるような心地よさを味合わせていただきました。
毎回それはそれは、楽しみに通わせていただきました。
以前先生の着物を羽織らせていただいた時に、凛とした姿の中にも優しく包んでくれるような柔らかさを感じることがで来ましたが
先生のお話を伺ううち、あの優しさは先生そのものと気がつくようになりました。
先生の着物のやさしさは、糸一本に至るまでの心配りから、生活全般にわたる生き方そのものから生み出されるものと感じることができました。
これからも着物を着るたびに先生の丁寧な生き方、優しい笑顔を思い出し、見習っていけたらと思います。
もっとはやく先生にお会いしたかった。
ありがとうございました。              S.T.

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私ははじめ糸や布が好きで、最近は着物も気になるなということで受講させて頂きました。

受講した中でもやはり一番思い出に残ったのは実習と先生のお話でした。
自分で真綿から紡ぎ、染めて織る。織りあがった時のあの気持ちは忘れることはないと思います。

また幸田文さんの「きもの」という本を読み、みんなで読んだ感想を発表するのも、なかなかしないことなので新鮮でしたし、着物を通して昔を知ることで現代と比較することができました。
日々の暮らしで何か欠けているのではないかと考えていたことが、本を読むこと、また先生のお話でじわじわ見えてきたのではないかと思います。

糸や着物だけでなく、現代の暮らしについて更に考えさせられました。
また本当に自分にとって心地いいこととは何か、今後の自分と対話するきっかけにもなりました。

思い返せば先生から色々教わりました。先生の自分の仕事に対する姿勢が、私の背筋をぴんっと伸ばしましたし、気を抜かずに真剣に取り組む姿は先生にとっては当たり前のことかとは思いますが、まだまだ働きはじめて二桁にもならない私にとっては刺激になりました。また、糸を織りはじめる時に、手を濡らしたならハンドクリームを塗る手への気配りも見逃してはいません。

先生が毎回着るお着物は、しわがあって普段の生活に溶け込んでいて、きれいにきこさなくてはという意識から開放され、着物が身近なものに見えました。
今後は先生や皆様と出会えたのをきっかけに、色々勉強しいきたいと思います。
本当にありがとうございました。     T.A.

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上です。






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第9回紬きもの塾――着物を着る

2013年12月18日 | 紬きもの塾’13
4月から、段階を踏んで紬織りの糸や風合いなど、元のところから学んできましたが、いよいよ着物を着るところまで来ました。
参加者のうち、月に2~3回は着物を着る方が2名ほどで、他の方はほとんど着ていないということです。
また、着ている方でも着るのにかかる時間は30分以上ということでした。
滑らない生地の着物の場合は着るのはたやすいことですが、帯はものによって長さや、ポイント柄の位置や、帯地の固さなども違ったり様々なゆえに、慣れない帯の場合はやり直したり、案外時間を要すこともあります。

帯を新しく仕立てる場合は、自分に合う長さで頼むと良いと思います。
自分の寸法を把握しておくことも大切ですね。
ただ、年齢と共に体型も変わりますので多少のゆとりを持っておく必要もあります。
私も50代から少しずつ太り始めて、短めの帯が多くなってしまいました。
「やせなきゃ!」と締める度に思いますが。。。

付箋だらけの『きもの』幸田文著(文庫本もあり)

紬塾では幸田文『きもの』を参考テキストにさせてもらい、今までも毎回、1~2名ずつの方に、その内容からの気づき、発見などを2~3箇所ピックアップして発表してもらってきました。
今回、最後のお一人が指摘した箇所に、着物の着付けを外側から学んでいく箇所がありました。
単行本では112頁、文庫本では114頁のところです。

主人公のるつ子は、姉がよそ行きの着物で外出する際にはいつも着付けを手伝わされます。
あまり仲のよくない姉にいいように使われ、あれこれ脱ぎ散らかしたものの後片付けまでさせられ、胸の中では反発を感じながらも黙って手伝ううちに、人に着せながら覚えていく生地の質感や、帯地の締まり具合、着る人の体型に合わせて、ゆったり着るのか、きっちり着るのかなど、いろいろなことを“姉を台にして”学んでいくところがあります。
着せてやる面白さです。とても興味深いところです。

今は母親も祖母も着物を全く知らないという方が多くなり、着るには一から全て一人で始めなければならず、きもの本を片手に覚えるか、着付け教室に行くしかなくなってしまいましたが、家族や身近にちょっと手を貸してくれる人がいればいいだけなのですが、、、
自分の子供にでも、孫にでも導き、アドバイスすることができるように、是非今からでも着物を楽に着て欲しいと思います。
多分私の着方は最も簡単で楽な着方だと思います(滑りにくい生地のものに関して)。

今回の参加者で着物を着るのが全く初めてのみなさんからも「着物自体は思ったほど難しくない」「手助けはあったものの、帯結びまでなんとか格好を付けられて自信がついた」などの感想をいただきました。

まだ不安な方も、次回最終回に、おさらいをしますので、大丈夫です。
今までの紬塾終了生の方で、全く着物を着ていなかった方がとてもスッキリ、でも自然な着姿を見せてくれています。

礼装用の着方を、紬や木綿でもやっている方が多いです。
それにしても、ゴム入りの伊達じめとか、ゴムベルト付きの帯板とか、補正下着とか、
なんとも重装備な小道具をみなさんお持ちですね。。。
着物の小道具としても美しくないですし、昔、着物が日常にあった頃の人たちは、そんな理に適わないことはしなかったはずです。

シンプルに柔らかな頭で着物を楽に着たいです。





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第7回紬きもの塾  布を織る

2013年10月31日 | 紬きもの塾’13
真綿から糸をつむぎ、染、織物設計もして、そしていよいよ織る段階に入りました。
順番に、3寸(約11cm)の長さを1時間ほどかけ織ってもらいました。
同じ条件で、こんなにも違うデザインが産まれてくるものですね。
ただ、経糸も表情豊かだけれど、とても織りにくいものなのですが、
それゆえにどれも味わいがある、奥行きのある布になったと思います。
糸や、草木の色の力のおかげでもあります。

この学びが、布を色や柄だけで見るだけではなく、糸の一本一本や、風合いということも感じ取れるようになると、布を見るときの助けになると思います。

たった3寸の体験で、細かいことをあれこれ指摘させてもらったのですが、
よくここまで学び取ってくれたなぁと有難く、やりがいも感じました。


みなさんの感想、気付きなどが揃いました。画像と共にご紹介します。

 
私は学生時代に一度織りを体験したことがあるくらいで、今回久しぶりに触れました。
まずは自分が織りたいデザインを紙の中で表現します。
これがとても難しく出来上がりの想像がいつまでたってもできませんでした。
どうにかこうにかこんな感じにというものが頭の中にあったので
何とか仕上げることができました。
先生にみてもらうとこれではグラフィックデザインだと指摘を受け、少し手直しして下さいました。
その時はまだ何のことやらで頭の中はクエスチョン(?)だらけでした。いざ織りはじめるとあっちにもこっちにもと神経を使い、緊張しましたが、とにかく楽しい。
当たり前ですがどの糸も色も違えば太さも違います。
糸の雰囲気が掴めてくると次第に紙に書いたデザイン通りではなく、次はこっちの糸がいいかなと織りながら変更したりと後半は楽しめました。
織り終えて全体的にみてみると、撫でたくなるような愛しい感じがして胸がいっぱいでした。
あの感覚ははじめての感覚で、ここで表現できないのが残念ですが、織ったことで、また自分で紡いで染めた糸に出会いたい、色んな糸に触れてみたいと思いました。
先生にアドバイス頂いた箇所は直して良かったと改めて思いました。
ベタではなく、個性を持った糸同士を交互に入れるとそれぞれの糸が活かされるんだなと。
ベタだけで織っていたらその糸の良さが際立たないんだと分かりました。
このような経験が出来て受講して良かったと改めて思いましたし、経験させていただいた先生に感謝の気持ちでいっぱいです。ほんとうにありがとうございました。 Aさん



とにかく夢中で取り組んだ1時間でした。
杼が手から手へうまく渡るように、耳の糸の具合を確認し・・・と、緊張で肩がガチガチになってしまいました。それでも手足が迷わず動いた瞬間があって、そんな時はリズムが生まれた様で、嬉しくてこのまま織り続けたいと思ってしまいました。
ひと越しずつ進んでいくにつれ重なって見えてくる色、単色の続きだけでなく色同士が作用して際立ったり、引き立てたり、一色で巻かれている時には分からなかった世界が現れて来ました。
よく見れば、緯糸と経糸が交差して細かな陰影が出来ていて、織りものは平面のようで実は立体作品なのだと、当たり前のことに気付きました。
また、設計通りに進まないのをやりくりしながら規定の幅に収めていくのも楽しいものでした。

今回は先生に機を全て準備していただいて、自分では緯糸を通して織っていくだけでしたが、自分で紡ぎ、染めた糸で織ることが楽しく、小さな端切れがとても愛しいものになりました。
神経を使い、手間をかけて糸を紡ぐことから織り上げるまで手掛けるということは魂を込めずして出来るわけがないとよくわかりました。そうして織り上がった布からは作り手の苦労と愛情が滲み出し、美しく、人を魅了するのだと思いました。  Jさん



実習もいよいよ最後、織りの日になりました。
秋晴れのさわやかなお天気の中、静けさが心地よい工房にて、さっそく実習が開始されました。
今までの作業を通してだいぶ絹糸の感触に慣れてきたようで、糸巻きのときに糸の太さなどを触知する左手の感覚が、ずいぶん鮮明になってきたように感じました。
次にいよいよ織りの作業です。
注意する点がたくさんあり、初めのうちはかなりてんやわんやしましたが、最後のほうは少しリズムがつかめたように思いました。
しかし、自分の欠点で、「調子にのると詰めが甘くなる」という性質がくっきりと表れ、苦笑いしてしまいました。
その結果、数越ずつやり直すことになりましたが、毛羽で絡みやすい糸を傷めないようにしながら元に戻す作業を通して、緯糸だけでなく経糸にも十分注意を払う意識を持てるようになったように思います。

織りの作業を終えて、まずはゴールまで到達できたことへの充実感でいっぱいになりました。本来の一反分から比べれば極々わずかな長さではありますが、自分が設計したメジャーをもとに設定したゴールに到達するということは、とても大きなことでした。
それから、やはり強く感じたことは、布の出発点は糸であり、織りあがった布という形になっても、1本1本の経糸、緯糸はそれぞれとても強い存在感を放つのだということでした。
以前より布が好きで、つい布があれば触ったりひっくり返したりしてしまうのですが、それはあくまで布として平面になった状態でとらえていただけでした。「糸」なのだ、という、いわば当たり前のことではありますが、改めて意識に刻まれる実習となりました。 Kさん


自分で糸を紡いで、草木で染められた糸で布を織る本物の経験をさせていただきありがとうございました。
ただ、私はせっかくの貴重な紬糸を上手く生かせないデザインを作成してしまいました。もっと色やつながり、組み合わせをよく考えれば良かったと思います。
織りの方も手順に意識がいき、加減が上手く出来ず、独特の風合いが出ていなかったように思います。
糸を優しく扱ったり、一つ一つの作業を丁寧に行うことの大切さを実感します。
とても反省の多い体験でしたが、先生のアドバイスを頂き、修正しながら織らせていただいたので、素敵なものになりました。布が出来上がった時は嬉しかったです。
今後、着物を着る時は関わられるすべてに感謝する気持ちが強くなりました。  Cさん


 毎回、講座を楽しみにしている中、織る実習は、実際に真綿を紡ぎ、
7月の青々とした桜の葉と枝から染めた紬糸を使ってデザインし、織って
いくので、一連の工程によって、布が生まれる事の尊さをあらためて
感じました。
自分でデザインしたものが、実際にどのような感じになるのか・・・
不安と楽しみが入り混じりながらも、一織り、一織りの糸の重なりを
見ていくと、薄い色調ですが、それでも色それぞれがお互いの色を引き
立ててくれているような気がしました。
1本、1本の尊い糸によって布が生まれる事が、何より神秘に
感じています。お蚕さんや草木の命と向き合った時間を大切感じて
います。
手紬ぎならではの、風合いの糸を取り入れられた事が本当に嬉しい
です。  Rさん



今回の紬きもの塾に参加させて頂き
「プロの仕事」を拝見させて頂きました。
染織の仕事の工程からみたらほんの一部で、
全ての工程の中に糸と真剣に向き合っている姿勢を
感じさせて頂きました。
明確な目的(風合いのよい紬)のために
考え抜かれた作業工程を、今回のお教室で
学ばせて頂いたことは本当に有り難いことと思います。  Tさん




最後の方は、経継ぎ用に残す8寸ギリギリのところまで織ってもらいました。




2つの画像でよくわかるように、緯糸の太さに合わせて、糸の傾斜を変えて織ることも説明しました。
一越ひとこしを見つめながら変えていきます。
幅や、色の出方もこれだけのことで違ってきます。




緊張が解け、織り終えてホッとした表情をみなさんが必ずされます。
そして何故か嬉しそうです。。。
私も一番神経を使うのがこの織りの回の時ですので、無事に終わってホッとしました。
みなさん、良く織り上がりました。








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第6回紬きもの塾 「 織物設計」

2013年10月07日 | 紬きもの塾’13

並んで糊付けした糸をほぐしているところ。


真剣な表情だけれど、難しい・・・


今回はいよいよ織りに入るための準備として自分が紡いだ糸の長さを確認し、9寸幅に織るために、
何越し分の糸があるのかを計算しました。

それからデザインに入りました。
条件は自分が紡いだ糸は全て使うデザインであること。
できれば1本1本の糸の形がわかるよう、ベタ使いだけではなく地糸と混ぜる箇所も入れて下さい、
というものでした。
赤や青などの色糸を使う使わないは自由。
毎回条件は同じです。

しかし、デザインというとどうしても自分の思いが強く出て、紡いだ糸のことは忘れてしまうようで、
思い通りにいかず悩んでばかりで前に進めません。
私は自己表現系の織物実習をしましょう!とは言っていません。

自分の紡いだ糸の形を見つめる布を織って欲しいのです。
まずは紬布の風合いや糸の力を知ってほしい。
色やデザインは後からでいいのです。

自分の糸を使い切った時に生まれてくる図案と出会えばいい。

真綿を引き出して生まれてくる糸の形はどうなんだろうか?
美しいのか?細いのか、太いのか?
そういうことと出会うための織物実習です。

自分の小さな頭の中だけで考えたり、どこかで見たような紬織りのイメージを真似てみたりの
観念的なことではなく、実践の中からの学びが大事です。

もっと自由に、柔らかな頭で受け入れてみる。
そこからアイデアが逆に生まれてくる可能性もある。
不自由を不自由と思わない自由。

そちらのほうがどんなにか自由で面白いと思うのだけれど。。。

今日、図案が出来上がらなかった人も実習日までよく考えて、あまりいいもの作ろう!とか気負わず、
素直に今ある自分の糸と向き合ってください。

目の前にある、旬の食材を生かして献立を考えたり、調理したりすることと、何ら変わりはありません。


太めに紡いだ緯糸を管巻機で巻いているところ。固く巻きすぎてしまう人もいましたが、糸を伸ばさないようほどほどに紡錘形にまきす。






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第5回紬きもの塾  桜で染める

2013年08月01日 | 紬きもの塾’13


今年も暑い盛りに桜染の講習をしました。内容は過去の紬塾ブログも参考にしてください。

一人で染色するときは自分の仕事を次々と段取りよくやることに専念すればいいのですが、
二人ひと組になってもらい3組に別の作業を同時進行してもらうには、私は頭をフル回転させながらみんなに指示をし、していることのチェックもしなければなりません。
歳のせいかなぁ?結構疲れました~

さて今回は先日手つむぎしてもらった糸と古くなった半衿、帯揚げの白生地を染めました。

媒染は無媒染と灰汁媒染をしました。
本来は灰汁媒染は時間をかけるものなのですが、多少短縮版で行いました。

桜は葉と小枝を一緒に煮出しました。
枝葉を分けてもいいのですが、今回は煎汁で分けてみました。

煎汁はだんだん薄くなるというだけではなく色の違いも出てきます。
部位を分けたり何煎目かを分けたり媒染剤で分けたり、またその順列組合せでも広がっていきます。
更には季節でかなりの違いもあります。
工夫と自由な発想をもつことの面白さを桜は教えてくれます。

学校でも社会的にも刷り込まれている先入観、固定観念、あるいは人がなるべく考えないように過剰に簡単、便利な暮らしの道具たちのせいか、人間本来の感覚は残念ながら鈍ってしまっているように思います。

このささやかな染色体験が少しでも感性を刺激し良い方へ生かしてもらえると嬉しいです。

大事なことは一人ひとりが自然やモノをよく観察して自分で気付き発見し、考え工夫して実践することです。

「煮出しの時間は何分ですか?」という質問に、「煮出しの色を見ながら決めます」と答えました。
そういうふうに書かれた染色の技法書はないでしょうね。。。

でも私はそれが本当の技法書や教えだと思います。

昨年出版した作品集『樹の滴―染め織り着る』も「これまでにないもの」と言われましたが、
シュルレアリスムな(!?)超現実(主義・主張ではない)、本当の現実を書いた技法書も書いてみたくなりました。
売れないでしょうけれど、、、実現したらその技法書自体がアートと言えるでしょう。
本当のことを気づかせてくれるのがアートや自然です。


参加者にも今まで草木染の講習を受けたり、化学染料を中心とした仕事をしている方もいたのですが、私のやり方はそれとはだいぶ違ったようです。

みなさんに感想を聞くと、今まではものを見ないでマニュアル通りにしていただけだったり、思い通りの色になるまで無理やり染めていくやり方だったり、糸の洗い方一つでも違っていたということでした(綛の持ち方一つで糸は毛羽立ったりします)。

煮出しを担当してくれた方が、「桜の煎汁はかすかにとろ味を感じた。そして美味しそうに(桜が)ほっこりたけた煮物のような匂いになったとき、煎汁は薄くなっていた」と感想をもらしてくれました。

料理の感覚もおいしいお茶を入れることも、草木の生木を使うときは一緒です。
美味しいコンソメやお出汁を取ることが料理では大事ですが、桜のお出汁で糸や布を炊くのです。
よく煮含められるよう火加減や時間は状態を見ながら、またしっかりとした味になるよう時には一晩煮汁に漬け込むこともあるのです。

そして最後は日々の洗濯も染色の同一線上のもので、繊維の汚れや汗をどうとればいいのかを布と向き合っていくこと、と締めくくりました。

炭酸塩での洗濯が私はほとんどです。参加者にもお勧めしました。
糸の精錬(セリシン除去)もアルカリ剤(私は灰汁ですが)を利用しますが、汚れも落ちて白くなるのです。
衣類や布ナプキンについた経血もほとんど白くなります。

今年も水不足ですし、すすぎの簡単な炭酸塩を是非試してもらいたいです。
炭酸塩の洗濯ははネットで検索してみてください。
洗濯槽の汚れ取りにもいいようです。

汚れと向き合う洗濯も楽しです。










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第4回紬きもの塾 糸をつむぐ

2013年07月19日 | 紬きもの塾’13


真綿から久米島式のやり方で糸をつむぎました。
結城の「つくし」という道具でもつむぐこともできるのですが、着尺よりも少し太め(1.5~2倍)の糸をつむぐには真綿を開いてかけるこのやり方がひきやすいのです。

少し太めの糸は均一につむぐのは細い糸をつむぐより難しいのですが、みなさん途中で糸を切ることもなく(切れた場合のつなぎ方を見せるチャンスはありませんでした)淡々と1時間20分の制限時間を一生懸命真綿と向き合っくれました。



唾をつけてつむぐのが一般的ですが、水でも大丈夫です。

真綿は木綿やウールよりも糸にするのはたやすいです。
手のひらの湿り気だけでも糸がまとまります。

撚りをかけなくても織り糸として使うことができるのです(のり付けは必要)。
しかし着尺のための糸を一反つむぐには大変な時間を要します。
一日中糸をつむぐことは無理で、指先が絹の強い糸では割れてきます。
結城の糸つむぎの工芸士さんもよく指先に絆創膏を巻いています。
大変な仕事なのです。


しかし、もう私が使っている糸は紡ぐ人がいなくなり在庫の糸を大切に使っていくしかありません。
私自身も糸をつむぐことは好きですので歳をとって機織りができなくなったらどなたかのために糸作りをしたいと思います。

みなさんも難しかったけれどもっとやりたい!という声も聞かれました。
真綿から糸を引き出す時の音に感動した人もいました。

人は糸をつむいだり、織りをしたり、縫い物をしたりすることは人間として生きてゆく“野性”としてそなわっているものなのでしょう。
地味だけれど豊かな時間を過ごすことができます。
こういう仕事を捨て去ってはいけないと心から思っています。
こういう仕事でもなんとか食べていける社会だといいのですが。。。

とにかくその一端を体験してもらうためにこの講座を設けています。




前半と後半の2グループに分かれて行いましたが、3時過ぎに2グループが合流できるようにしていまして、アイス抹茶と麩まんじゅうを食べてもらいながら歓談を少々いたしました。
みんな楽しそうでした。
マイカップも持参してもらってます。
私はお茶とお菓子だけは用意しますが、接待することよりも、講義やみなさんとの会話に集中したいからです。
各自でお茶も注いでもらったり、セルフです。

アイス抹茶は濃いめにお抹茶を点て、氷を入れた煎茶器に注ぎます。お砂糖が少し入ってますのでお菓子がなくても美味しいですよ~。お試し下さい!

さて次回は染色ですが、クーラーなしで暑いので、風通しの良い涼しい格好で来てください。












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第3回紬きもの塾'13 とことん着尽くす・麻の伊達じめを縫う

2013年06月20日 | 紬きもの塾’13
着物の仕立て替えや染め替えなどの私物の実例を見てもらいながら話を進めました。
着物は本当に合理的に考えられていて先人の知恵に頭が下がるばかりです。
この文化をもう一度現代の暮らしに生かしたいものです。
着物は高額なものと思われていますが一概には言えないのでは?

大正の初めの生まれの伯母の着物が染替えられ母の羽織になり、その余り布を私が見つけ出し、繋ぎ合わせてもう一度私の丈の長い羽織に仕立て直し、今も健在で私が着ているのですから。。。

前身ごろをワイン染めにした(元は桜染めなんですけど…^^;)自作の着物を漂白剤と炭酸塩で洗って、表裏を返して前見頃と後ろ身頃を交換してよく着ているピンクの着物があるのですが。。。。←意味わからない?
とにかく更生がきくところがきものは凄いのです!!


後半は麻の平織りの襦袢地から伊達じめを1本縫ってもらいました。
何種類かの麻生地を使ってきましたが、今回の麻の平織りの生地が硬すぎず、柔らかすぎず、ちょうどよさそうです。

運針を一人ひとり見ていきました。ほとんどの方が習ったこともなくできなかったのですが、
少しずつ格好がついてきまして、右手の親指と人差し指の中に溜まってくる縫われた布を、針を抜かずに右手だけでシュッと糸こきが出来るまでになりました。

コツをつかめばなんということもないのですが、私は高校生の頃、母の運針と糸こきを見ながらなんとも不思議で、やってみても始めはうまくいきませんでした。
「そうじゃないよ、こうやるの」と何度もやって見せてくれました。
お陰で今はなんなくこなせてますが親とはありがたいものです。



縫い上がった人から2尺指しで表へ引き抜いているところ。

多少難アリ… ^_^;ではありましたが、縫い目にキセをかけるとそれなりによくなりました!
キセでごまかしてはいけませんが和裁はうまいことできてますね!
キセってスゴイ!品や床しさを感じます。

針は絹用の「四ノ三」を用意し使ってもらいましたが、縫うときに力が入ったのか折れてしまう方も二人いました。
指の長さなどもありますので自分に合う長さ、生地によっての使い分けも必要だとは思います。

木綿針ですとこの麻の襦袢地には太くて滑らず、並縫いをするには縫いにくかったのですが、初心者には太いほうが安定して縫えたようです。
私ももう少し針のこと研究してみます。

せっかく指ぬき(並縫いには革製がすべらずよいです)も当てて運針ができるようになったのですから、手ぬぐいを縦に二つ折にして端から端まで運針の練習をするとよいのではないでしょうか?

並縫いさえできれば腰紐や着物を包む風呂敷なども古布や端切れを接ぎ合わせてオリジナルのものを作ることもできます。
そんな機会も持てると楽しいのですが。。。












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第2回紬きもの塾ーー糸の力、色の神秘

2013年05月14日 | 紬きもの塾’13


ある一時期に桜で染めた糸です。ほんの一例ですが、みなさんに見てもらいました。
この時期を経て生の草木で透明感のある色を染めるにはどうするのがいいかが少しわかってきました。
タイミング良く染めると発光するような色が染まります。
それにはよく観察しながらいろいろと試してみることです。
技法書は参考程度でいいのです。
また先入観を持たないで創意工夫することはなにより大切です。
今でも日々染も織りも発見があります

桜は何色ですか?という質問になかなか答えることはできません。
日本の色名を駆使しても、印刷用の色見本でも足りません。
「ピンクです」という答えがもっとも受けやすいのですが、、、それだけとは限りません。
生きた色とはは何か?
平板なベタっとしたものではなく光と影で生み出されてくる、立体的なもの。

いい色を引き出すためには、状態を注意深く観察します。
美味しいお茶を茶葉の声を聴きながら淹れるように。
こんな話を今回はさせてもらいました。

この日も目一杯話してしまい、帰りはバス停までみなさん急ぎ足となりました。

終わると私はぐったり、ビールで息を吹き返しました~。


参考までに2001年から年3回発行していた『櫻工房便り』創刊号の表紙と裏だけですがご覧ください。

12年前のものですが今も昔も同じこと言ってますね。
笹山さんの文はいいね!です。

片付けていて出てきたのですが、少し残っている号もあります。
まだパソコンも持っていなかった時代でとても苦労して作りました。
知り合いの建築家の事務所の簡易印刷機で100部手づくりしました。
色がうまく出なくて本当に困りました。3年間のNo.9で終わりました。

当時川崎市麻生区王禅寺に工房を構え「自分の着物は自分で織る」というコンセプトで10年にわたり20名ほどの人に織りの指導をしてきました。

趣味ではなく“着る”という確約のもとに受け入れ指導を始めました。
私と同じ糸で私と同じ機、やり方で、でもその人のカラーも引き出せるよう自分の作品を作る以上に配慮はしたつもりです。
そんな日々の、仕事に対するは発見や反省を日誌に綴ってもらっていました。
みんな一生懸命でした。

もう創刊号は残部がないのですが残っている号も5~6号あります。6~8頁建て。
「布の美展」会場で販売できると思います。

糸の貼付のないもの3ツ折りのあとのついているものなどB品もありますので1部 300円でお分けします。
ただ、今読んでもとてもとても貴重な内容だと思います。
捨ててしまうのは惜しいので是非興味ある方に読んでもらいたいです。

ご希望の方はかたち21の問い合わせ、katachi☆mbr.nifty.com(☆を@に変えてください)からお申し込みください。氏名、ご住所、電話番号をお書き添えください。
今立て込んでますので発送までお時間をいただくと思います。





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第5期 紬きもの塾’13開講

2013年04月26日 | 紬きもの塾’13


お昼過ぎには雨も上がり、紬塾の新しいメンバー7名が櫻工房に集いました。
20代~3、4、5、60代?と幅広い年齢層で、布が好きな方、着物を着始めている方、着物は好きではなく、振袖も着なかったけれど後悔する気持ちもある方、着たいけれど自分で着付けができない方、織物に興味のある方など様々です。
でも今期も気持ちのよい方ばかりでホッとしています。

自己紹介のあとはまずは私の師である紬織り・絣織りの人間国宝宗廣力三先生の作品集(日本経済新聞社刊)からじっくりと見てもらいました。

先生が亡くなられて29年が経ちました。
一般の方は宗廣作品をご存知ない方も多いのですが、東京近代美術館、神奈川近美、岐阜県美、新潟市美などにも収蔵されていますし、来年は先生の生誕100年にあたり宗廣門下生の作品展も予定されています。
もちろん先生の作品も展示されますのでまだご覧になったことのない方は見ていただきたいと思います。
もっともっと知られて良い仕事だと思います。

作品集図版のアップを見ながら「この絣はこうやって織ってあるとか、色数は少なくても糸を一越し、ふた越しと地糸と混ぜながら陰影をつけている」など、説明をさせてもらいました。

難しい絣も研究生がみんな織ったものですが、鍛えさせてもらったお陰で36年経った今でも体が覚えていて、しばらく振りの絣でも織れるのですから、若い頃に鍛えておくことはとても大切なことですね。






産地の紬とも違う、自己表現だけの仕事でもなく、洗練された普遍的な美しさを持った紬だと思います。
シンプルなデザイン、色、でも奥行きがある。
また着た時にも帯や着た人が映えるように考えられていると思います。

先生とは同じものは作ってはいけない、独自な世界をと思って仕事してきましたが、根本的な大事な部分は受け継がせてもらったつもりです。

先生は着物の将来を30年前にも心配されていましたが、でもこんな時代こそ本物の仕事をしなさいとおっしゃられていました。

着物は人々の暮らしの中に生きてこそのものです。私も作り手として、使い手として及ばずながら本物の仕事を目指して力を尽くしていこうと思います。

お陰さまで紬塾も5期と続いてきました。
今期もよろしくお願い致します。


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紬きもの塾’13 受講生受付を開始しました

2013年03月12日 | 紬きもの塾’13

今年度の募集は締め切りました。


本日3月12日より「紬きもの塾’13」の受講生の受付を開始しました。

少人数ですのでお早めにお申し込みください。

日本の「かたち」を見つめる、楽しく充実した会になるよう努めてまいります。

過去のブログや「趣旨」をご理解の上、お申し込みください。

「紬塾」詳細とお申し込みはこちらから。電話(080-6775-4892 かたち21・笹山)でも受け付けております。


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