小さな命・・・Ⅰ

2010-11-07 16:38:37 | 日記
住むマンションの下を 今里筋という大きな道路が走っている
大阪市内ということもあり・・・パトカーや救急車が頻繁に通過する・・・
ずっと住むには いい環境じゃないかもしれない・・・
だけど 働く人には快適な街だと思う・・・
いろいろな感情が 入り乱れる都会・・・大阪

救急車のサイレンが聞えると・・・
過去に1度 救急車に乗せられた日のことを思い出す

妊娠7ヶ月から8ヶ月にかかる頃・・・
会社では若いマネージャーに ユーザーの引継ぎ業務のさなかだった。
産前休暇は9ヶ月目にはいらないと取得できない・・・
担当するユーザーは 当時 神戸方面ばかりだった
尼崎市・伊丹・神戸市・三田市・明石市・・・
明石に出向くときは JR大阪駅から 新快速に乗るのだが・・・
どうしても眠くなってしまって 明石でおりることができず 
加古川まで 乗り過ごしたりしてしまった。
どうして 眠くなるんだろうか?
タイミングの悪いことに 当時心斎橋にあった事務所が 
肥後橋に引越しが決まっていた。
事務所の荷造りもあって 思ったスピードで引継ぎができない
けっこう クレーマーちっくなユーザーが多かったため
かなりのフォローが必要だった。
「はやく 休みたい・・・」
何度も事務所まで 車で送ってもらい お迎えにもきてもらったりしていた。
かなり・・・状態悪し・・・だった

土曜日に 妊婦検診があり お世話になっている病院で診察をうけた
自転車で10分くらいのところだった。

「あ~ ちょっとまずいね・・・月曜日から入院できる?」
「えっ? あの・・仕事が・・・」

そばで聞いていたナースが「仕事も大事やろうけど 赤ちゃんと仕事のどっち大事?」
わたしには 仕事だった

夕方 次長に時間をとってもらった。
今の現状と来週からのことを相談した。
「どれだけ入院引き伸ばせる?3日は大丈夫?直行直帰でええから・・・」

その夜・・・「ぱちん」という音で目がさめた・・・
一瞬 何がおこったか わからない・・・
すぐに病院に電話した・・・「母子手帳をもって すぐにきてください」
パジャマのままで 車にのせられ 病院へ・・・
診察台にあがるとき 膝が震えた・・・怖い・・・どうなるの・・赤ちゃん

「いつ 生まれてきてもおかしくない状態です。ただ うちの病院では
生まれる赤ちゃんを生存させる設備がないので 他病院で受け入れできるところを
いまからさがします・・・」

まだ 8ヶ月・・・体はできているのか?目はみえる?息はできる?
母親になりきれない自分がそこにいた・・・怖い・ほんとに怖い

病院のベッドで 何時間すごしただろうか?
1時間・2時間?
やっとみつかった、搬送先・・病院の救急車にのったとき
「サイレン鳴らしますので・・・」そう・・とにかくいそがなければならないのだ。
どこに向かって走っているのか 想像もつかない・・どこに行くの?
途中で 阪神高速に入った。
オレンジ色した高速道路の外灯が 車内を照らす・・・サイレンは消されていた。
何を考えていただろう・・・
仕事を恨む?自分を責める? いろんな思いが交錯した。
現実を受け入れることができるだろうか?

30分かかったか?
搬送先の病院・・・救急用の入口に車がはいる
3人のナースとドクター1人が出迎えてくれた
「お母さん・・・大丈夫・大丈夫・・・生まれてきたらきたで大丈夫よ
 できるだけ お腹に赤ちゃんがいられるように治療するから(笑)安心しとき(笑)」
搬送先ドクターからのひとことだった。
そのひとことに・・・涙がこぼれた・・・
うっすらと夜が明けようとする時刻だった。





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