有志舎の日々

社長の永滝稔が、 日々の仕事や出版・学問などに関して思ったことを好き勝手に 書いていきます。

歴研大会に向けて、ただいま編集中!

2017-01-25 12:23:39 | 日記

5月の歴研大会までの出版を目指して以下の2点を編集中です。

①岩田重則さん著『天皇墓の政治民俗学』(A5判、560ページ予定、予価3400円)
②伊藤定良さん著『近代ドイツの歴史とナショナリズム・マイノリティ(仮題)』(四六判、280ページ、予価2600円)

『天皇墓・・・』は古代の天皇から昭和天皇まで、その陵墓と葬送の思想・精神史を文献史学と民俗学から通史として描き出します。ページ数がとてつもなく厚くなってしまってますが(恐らく有志舎始まって以来のぶ厚さ!)、専門書ではないので、何とか3400円くらいで抑えたい。
天皇墓と銘打ってますが、大名・武士・庶民墓との比較のなかで論じているので、岩田さんの「お墓」研究の一大集成みたいなものになってます。著者が全国を歩き撮影してきたお墓の写真がたくさん記載されている、お墓好きには堪らない本でもあります。中には、荒れ果てた埋め墓(「サンマイ」と呼ばれる)の写真などもあって、実にオドロオドロしい! でも、こういう風景こそが本来の死の風景なんですけどね。
内容的にも、通説に大胆に挑んでいますので、これまでの天皇墓研究者・民俗学者からは怒りを買うかも。版元としては、それはそれで楽しいのですが(他人事のように言ってますけど)。

『ドイツの近代・・・』は、19世紀のナポレオン戦争から第二次世界大戦後までのドイツ近代史とそのなかで展開されたナショナリズムと排外主義の通史です。原稿を読み、ドイツにとって、ポーランド支配・ポーランド蔑視とユダヤ人蔑視がいかに根深いものであったかを知りました。決してナチス時代だけの問題ではないのです。
多くのドイツ人にとってのポーランドは日本にとっての朝鮮に比定できそうですし(「不快で遅れた隣国」イメージ)、ドイツにおけるユダヤ人への視線は日本における「外国人」「在日」への視線(「内なる敵」「不穏分子」イメージ)に重なります。
そういう蔑視と偏見がドイツ近代史のなかで如何にして生まれ拡大していったのか、しかしそれにもかかわらず戦後ドイツはいかにして「過去の克服」を成し遂げ、今も継続中なのか、それが分かります。
未だに過去を反省しない日本・日本人との違いが鮮明に描かれていますので、ぜひ「他山の石」として読んで欲しいです。

5月末までに何としても出版しないと。
頑張ります!
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