有志舎の日々

社長の永滝稔が、 日々の仕事や出版・学問などに関して思ったことを好き勝手に 書いていきます。

『奴隷船の歴史』(マーカス・レディカー著、みすず書房)が面白い!

2016-10-18 17:55:54 | 書評・紹介
『奴隷船の歴史』(マーカス・レディカー著、みすず書房)を読んでいますが、これがとっても面白い!
アトランティック・ヒストリーの第一人者にして海賊史の専門家、マーカス・レディカーが描き出しているのは、単純な奴隷交易の政治・経済構造だけではなく、「どういう史料からこんな事が分かるの?」と驚くような、奴隷とされたアフリカの人びと一人一人の個性溢れる歴史と、奴隷船の日常・実態です。
そういったミクロな「下からの社会史」から、やがて奴隷廃止運動・政策が登場し、さらに奴隷たちの反乱のなかで新しいアフリカン・アメリカンの共同性というものが登場して、次の時代を準備するというマクロヒストリーが展開されてくる。
こういったダイナミックな歴史叙述は圧巻としか言いようがありません。これぞ歴史書!と感動しながら読んでます。
日本の専門書もこういう本でありたいです。
研究書の叙述作法みたいなものに拘泥せず、一般読者が読んでも面白い専門研究書を目指したい。
この本はそれを具体的に示してくれています。
紛れもない歴史専門書でありながら、この内容・構成・叙述ならば確実に一般読者も面白く読んでくれるでしょう。
本体価格6800円も惜しくない。

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