ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

北への経済制裁 その先にあるもの

2017-04-21 17:00:28 | 日記
「北朝鮮・金正恩体制が制裁にビクともしない理由」(龍谷大学教授・
李相哲 YOMIURU ONLINE4月5日配信)を読んだ。

中国が米トランプ政権と同調し、北朝鮮に対して経済制裁の圧力を強め
ようとしている昨今だが、「でも、そんなことができるのだろうか?」
と疑問に思う私には、とても魅力的なタイトルである。

ところが、この記事を読んでみても、私の疑問は深まるばかり。そもそ
もこの記事の論旨が、私には理解できない。まずは簡単に、この記事を
要約することから始めよう。

1.北朝鮮では、(市民が生計を立てるために自発的にお金を稼ぐ)
「住民経済」が、自然発生的に生まれた。この「住民経済」は、成長し
て、(政権が体制維持に必要なお金を調達する)「首領経済」とは別個
の領域へと拡大するに至った。

2.後者「首領経済」の恩恵を受けているのは、金正恩と運命共同体
の、権力中枢部にいる人間と、その周囲を固める数万人の幹部や、平壌
の一部の市民からなる「エリート集団」であり、彼らが体制を支えてい
る。この「エリート集団」が離反しないかぎり、現体制は維持される。

3.ところが国際社会による経済制裁によって、この「首領経済」が打
撃を受け、これまでその恩恵を受けていた人たち、つまりエリート集団
が打撃を受けることになった。
要するに、「金正恩指導部をターゲットにした制裁は、皮肉なことに金
正恩委員長ではなく、体制を支える人々(エリート集団)に対して効果
を発揮している」のである。

4.この現状を前に、では金正恩はどう対処しようとしているのか。
「金委員長にしてみれば、エリート集団から忠誠心を引き出し、結束を
図るためにも、核やミサイルを必要としている。核とミサイルがあれば
こそ、北朝鮮は対外的に存在感を誇示できるし、金委員長の偉大さを見
せつけることも可能だからだ。だから、(金体制下の北朝鮮は)核とミ
サイル開発に全てを集中している。」

著者はこう書くが、私が疑問に思い、問題だと思うのは、ここからであ
る。金正恩のミサイル開発の企ては、悪循環を招いて、結局は墓穴を掘
る愚行にしか、私には見えないからである。(この記事のタイトルにあ
る)「北朝鮮・金正恩体制は制裁にビクともしない」ではなく、「制裁
によって確実にがたついている」のではいか。

なぜなら、ミサイル開発には、言うまでもなく莫大な金がかかるからで
ある。
「金正恩委員長は、なぜ苦しい経済事情を省みず、一発数百万ドルもす
るミサイルの発射実験を続けるのか。近年8回も発射実験を行った中距
離弾道ミサイル「ムスダン」は国際的な相場で一回あたり3000万ド
ル(約33億円)もかかるという。加えて、経済破綻を導きかねないほ
どお金がかかる核実験を続けるのはなぜか。一言で言えば、金正恩体制
維持のためである。」
このように著者は書くが、体制を維持するためにミサイル開発に大量の
金を注げば、経済は早晩破綻するに決まっている。そうなれば、体制を
支えるエリート層は困窮して、その心はますます体制から離反していく
に違いない。その行き着く先は、国家滅亡しかないのではないかと私は
思うのだが、いかがだろうか。
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