ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

外交的敗北だって?

2016-12-07 14:36:44 | 日記
ネットの森を散策していたら、あるブログ記事に出会った。これを読
んで、私は腹が立った。無性に腹が立った。なぜなのか。読者諸賢に
も、まずはその記事を読んでいただこう。

共同通信の大スクープで注目すべきは、オバマ大統領が安倍首相に不
快感を抱いた理由として、単にトランプ会談で現職大統領の面目をつ
ぶされただけではなく、度重なる要請を無視して安倍首相が対ロ融和
政策に固執したこともあるという。
(中略)
そしていま我々は目撃している。
日米関係を損なってまで安倍首相が固執したプーチン大統領の訪日
は、肝心の北方領土問題解決の進展が見通せないまま、完全な失敗に
終わろうとしている事を。
米国の信頼を失い、ロシアとの関係強化も見通せない安倍首相。
(中略)
これ以上の外交的敗北はない。
この共同通信の大スクープは内閣総辞職ものだ。
(天木直人《安倍・トランプ会談によって決定的に終わった安倍・オ
バマ関係》)

このブログ記事の筆者である元外交官の天木氏によれば、内閣総辞職
に値する安倍首相の外交的敗北は、トランプ会談と対ロ融和政策に
よって、オバマ・アメリカ現職大統領の信頼を失い、それによって
「日米関係を損な」うとともに、加えてロシアとの関係にも難渋し、
北方領土問題解決の進展が見通せないことだというのである。

おいおい、馬鹿も休み休み言えよ。
私の考えを分かりやすくするために、単純な図式化を行うことにしよ
う。
ここにあるのは、O(オバマ)、A(安倍)、P(プーチン)、T(トラ
ンプ)という4つの項である。OはTともPとも対立・敵対関係にある。
こういう対立関係があるとき、Aの前には、「Oを取ってTとPを捨てる」
か、それとも「Oを捨ててTとPを取る」かの選択だということにな
る。

Aが下した選択は、「Oを捨ててTとPを取る」という判断だったが、
これが誤った判断だと言えるのだろうか。口先だけで何もしない(でき
ない)まま政権を去ろうとしているオバマ大統領との関係を捨てて、ア
メリカの次期大統領に決定しているトランプや、現にロシアで権勢をふ
るっているプーチンとの関係を構築しようとすることは、日本の政治的
リーダーとしては、きわめてまっとうな選択ではないだろうか。現実的
で、前向き志向の、ごくごくまっとうな選択ではないだろうか。

天木氏が安倍首相の「政治的敗北」だとしているのは、トランプが
TPP離脱を表明したことや、プーチンが北方領土の返還を表明しな
いことを指しているのだろうが、TPP問題は、まだ解決のとば口に
立ったに過ぎない。北方領土をめぐるロシアと日本の戦いの歴史は長
いが、歴代政権が解決の見通しすら得られなかったこの問題に、安倍
首相は融和的首脳外交でのぞみ、なんとか風穴をあけようとしている
のだ。端緒段階の一局面をとらえて、それがすべてであるかのように
断じるのは、早計であり、独断というものだろう。

誤解されたくないので、一言付け加える。私は政治家としての安倍首
相をべつに擁護しようとしているわけではない。むしろ安倍内閣は「総
辞職ものだ」と思っている。ただ、その理由は、彼の「外交的敗北」に
あるのではなく、(本ブログで既述したとおり)カジノ法案に見られ
るような、公私混同のゴリ押し的手法にあると、私は言いたいのであ
る。
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