ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

ミサイルと陰謀と

2017-03-06 17:26:59 | 日記
北朝鮮がミサイルをぶっ放した。ネットのニュースは次のように伝えて
いる。
「韓国軍合同参謀本部などによると、北朝鮮は日本時間6日午前7時3
4~36分ごろ、北西部・東倉里付近から日本海に向け、弾道ミサイル
4発を発射した。ミサイルは約1000キロ飛行し、秋田県男鹿半島の
西方約300~350キロの日本海上に落下し、うち3発は日本の排他
的経済水域(EEZ)内と推定されている。」
            (時事ドットコムニュース3月6日配信)

この久々のミサイル発射は、どういう思わくからなされたのか。今朝の
ニュースに接して、私をとらえたのは、「やっぱりなあ」、「そういう
ことになるのだろうなあ」という思いだった。私は北朝鮮のミサイル発
射を、この国のトップのやり場のない激しい怒りの表明ととらえたので
ある。

なぜ怒りなのか。「北朝鮮の弾道ミサイル発射は、1日に始まった過去
最大規模の米韓合同軍事演習に対抗する狙いがある」というのが一般的
な見方だろうが、私の見方はこれとは違っている。

では、私の見方はどういうものなのか。今回のミサイル発射は、マレー
シアの金正男暗殺事件に関係している、というのが私の見方だが、それ
ではなぜ私はそう考えるのか、--この事件がミサイル発射に至らせる
ほどの激しい怒りにつながったと、なぜ私は考えるのか。

そのあたりの事情を知ってもらうには、話を少し前に戻さなければなら
ない。

まず押さえておかなければならないのは、金正男暗殺事件が北朝鮮と
(北朝鮮の友好国であったはずの)マレーシアとの間に、修復不可能な
ほどの緊張関係を生み出した事実である。メディアはこう伝えている。
「北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件を巡り、マレーシア
と北朝鮮の間で緊張が高まっている。捜査への協力を拒む北朝鮮に対
し、マレーシアは4日夜、カン・チョル北朝鮮大使の国外追放という強
硬措置を発表した。カン大使が6日夕までの出国を拒めば、マレーシア
が国交断絶を宣言する選択も現実味を増す。」
(日経電子版3月5日配信)

両国の対立の原因は、マレーシア政府が金正男の暗殺を北朝鮮によるも
のだと断じるのに対して、北朝鮮がこれを強く否定する点にある。北朝
鮮側は「この事件はマレーシアのでっち上げだ!」と激しく批判し、抗
議の姿勢を崩さない。

「我々は無実だ。マレーシアの陰謀だ」とするこの北朝鮮の主張を聞い
て、「ああ、いつものあれか」とせせら笑う人が大半ではないかと思う
が、私は北朝鮮のこの主張を、無下に退けるべきではないと考える。と
いうのも、もし北朝鮮の工作員がこの事件を実行したのだとしたら、不
可解だと思われる点があまりにも多すぎるからである。プロ中のプロで
ある北の工作員が、なぜ、すぐに足が付くようなシロウト同然のやり方
をしたのか。事件の当初から、この点が私は腑に落ちなかった。

坂井隆・元公安調査庁部長も、平岩俊司・関西学院大学教授との対談
で、次のように語っている。

坂井:現地警察が発表した容疑者の男たちは北朝鮮旅券を使ってマレー
シアに入国したと言います。彼らは別の国の旅券を作るのはお手の物。
なぜわざわざ北朝鮮旅券を使ったのか。北朝鮮に帰るまでの経由地で名
前を変えることもできたはずだが、それもやっていない。自分から北朝
鮮の人間がやりましたと言っているようなものです。(中略)
この事件では、さまざまな情報が乱れ飛んでいますが、一方で、なぜ暗
殺犯たちは、正男氏があの時間に空港に来ることがわかったのか。そも
そも彼はマレーシアで何をしていたのか、誰と会っていたのか。その辺
がまったく出てこないのも不自然です。(中略)
まったくの推測ですが、例えば二重スパイを使って彼(金正男)が亡命
しようとしていると北朝鮮側に信じ込ませ、妄動を起こさせたというこ
とは考えうる。」
(週刊朝日 2017年3月10日号)

一つ考えられるのは、どこかの国が北朝鮮をハメた可能性である。どこ
かの国が、金正男を殺害し、北の工作員がやったように見せかけたか、
金正男を殺害するように北の工作員を仕向けた上で、その行動を密かに
観察しリークしたか、そんなところだろう。ただ、実際にそんな国があ
るとは、私には思えなかった。そんなことをすることで得をする国があ
るとは、私には思えなかったのである。

私の考えを変化させたのは、「(北朝鮮の)友好国を切り崩そうとする
米韓の外交攻勢」について取り上げた次の記事だった。
「現在、北朝鮮が戦っている相手はマレーシアというより米韓なのであ
る。つまり米韓・北朝鮮の両陣営がここ数年、世界地図という盤上で、
白黒の石を互いにひっくり返す盤ゲーム“オセロ”の競り合いを続けてき
たと見れば分かりやすい。マレーシアをはじめとする東南アジアや中
東、アフリカ、東欧の北朝鮮友好諸国はさしずめ、オセロの石にあた
る。」(産経新聞3月5日配信)

米韓は、北朝鮮の友好国を切り崩し、自陣に寝返らせるために、「軍事
や経済での協力や、諜報機関による積極工作など、あらゆる手を使って
いる」という。そういう切り崩し工作にあった北朝鮮の友好国
が、寝返って北朝鮮をハメたのだとしたら、たしかにこれは分かりやす
く、納得できる構図である。

北朝鮮をハメてイメージダウンさせる見返りに、軍事・経済面での利得
を手に入れよう。そう考えたのは、マレーシアなのかも知れない。少な
くとも北朝鮮はそう読んだのだ。だからマレーシアに対する北朝鮮の反
発は激しかったのだろう。この謀略の糸は米韓が引いている。そう考え
れば、怒りは米韓に向かうが、確たる証拠がないので、北朝鮮の怒りは
やり場のない怒りになり、ミサイル発射の形をとらざるを得ないのであ
る。
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