ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

森友問題 幕引きになるのか

2017-06-21 14:30:19 | 日記
加計学園の陰に隠れて、しばらくご無沙汰だった森友学園であるが、この
ほど大阪地検による強制捜査の手が入った。安倍首相の記者会見が終わっ
てすぐという、なんともビミョーなタイミングである。容疑は、虚偽の申
請書を提出して、大阪府の補助金を詐取した疑い。また、小学校舎の建設
に際して、金額の異なる3通りの契約書を作り、最も高額の契約書を国に
提出して補助金を不正受給したという、補助金適正化法違反の疑いもある。

この大阪地検の動きは、安倍首相の意向を「忖度」してのものだったのか、
それとも、そういうこととは関係なく、独自の判断で動いた結果だったの
か、それは不明だが、大阪地検の動きから、権力の中枢が森友学園問題の
幕引きをどういう形で行おうとしているかがある程度見えてくる。

独裁政権の特徴は「我田引水」だと先に述べたが、森友学園のケースは、
「安倍首相が自分の田に利益を引き込もうとした」ものではなく、「籠池
なる一民間人が、詐欺を働いて、自分の田に利益を引き込もうとした」ちっ
ぽけな事例に過ぎない、というのが、官邸サイドの主張のポイントになる
に違いない。

もっともこの事例は、あくまでも「別件」に過ぎない。籠池氏が記者会見
を開いて訴えたように、「本筋」はもっと別のところにある。この「本筋」
とは、言うまでもない。森友学園が学校用地として国有地を格安で買い入
れた件である。

なぜ森友学園は、問題の国有地を格安で買い入れることができたのか。そ
れは財務省が、鑑定価格からごみ撤去費として8億円余りを差し引き、近
隣地の約1割の1億3400万円で売却したからだが、この土地価格の決
定のプロセスに、はたして安倍首相の意向が働いていなかったのかどうか。
そのあたりの経緯は今も明らかではない。

こういう疑問が出たのは、安倍首相の親族である昭恵夫人が、森友学園が
設立を予定する小学校の、その名誉校長の職に就いていたからである。昭
恵夫人は名誉校長として、夫である首相の権力を傘に着て、官僚相手の設
立認可交渉に関わったのではないか。彼女が森友学園に寄付金を渡してい
た事実も、真偽の程はどうあれ、彼女と森友学園との関わりの深さを示し
ている。

地検がこの「本筋」を捜査対象にするとなれば、籠池氏が言うように、捜
査の手は安倍首相夫妻にまで及ぶに違いない。

もっとも首相官邸は、この「本筋」に関しても、(捜査の手が安倍首相周
辺に及ばない形での)幕引きの見通しを持っているように思える。「国有
地の払い下げ価格の決定は、財務省近畿財務局の職員が行ったことであっ
て、この決定が適切なものでなかったとしたら、その責めはこの職員にあ
る。この職員には背任の疑いがある」。官邸サイドはそう主張するのだろ
う。

そんなふうに目論見予想通りうまく事が運ぶのかどうか。籠池氏は例のご
とく、波乱要因となる何らかの隠し玉を持っているのではないか。この問
題、籠池劇場の再来を思わせ、なんだか先が面白くなってきた。
片や加計学園問題の方も、文科省の官僚たちから思わぬ反乱の火の手が上がっ
て、目が離せない。先が読めない面白さという点では、両者互角といったと
ころだろうか。
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