ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

諫早湾 干拓事業のアポリア

2017-04-19 13:47:23 | 日記


U太「う~ん、よく分からないな。一体どういうことなのだろう」

U次郎「何のことだい?」

U太「きのうのことなんだけど、諫早湾の干拓問題で、長崎地裁が判決を
出したよね。それが、堤防の水門を開門するのを禁じるというんだ。なん
でも、水門を開くと、農業に大きな被害が出るから、というんだね」

U次郎「それが何か?」

U太「だって、おかしいじゃないか。7年前には福岡地裁が、逆に漁業者
の主張を認めて、水門を開けるように命じているんだ。水質調査をするた
めに、5年間ということだけど。裁判所が真逆の結論を出すなんて、一体
どういうことなのだろう」

U次郎「これはまさに政治の原点だな。相反する利害関係があって、対立
が生じたとき、その利害を調整するのが政治の役割だと俺は考えている。
マルクス主義だとか資本主義だとか、そんなことは大した問題じゃない。
ここにあるのは、漁業者と農業者・営農者との間の深刻な対立だ。どっち
の立場に立つかで、結論も違ってくる」

U太「そういえば、きのうの判決はある程度予測できたことだ。干拓に
よって、漁業者は被害をこうむる。でも国は、今回の裁判では、漁業者の
被害には目をつぶって、そのことを正面切って主張しなかった。国は農業
者の立場に肩入れしたのだ」

U次郎「まあ、そんなところだろうだな」

U太「おかしいのは、そこなんだよ。7年前には、国は福岡地裁の判決を受
け入れて、上告しなかった。福岡地裁の判決は、干拓と漁業被害との因果
関係を認めて、開門を命じている。この判決に異を唱えなかった国は、こ
の時には漁業者の立場に立っていたことになる。国の姿勢がどっちつかず
で、ふらふら揺れているから、混乱が生まれるんだ」

U次郎「国は口先だけでごまかそうとしていたみたいだな。タテマエとホ
ンネを使い分けながらね。口では『開門しなければ』と言いながら、陰で
はそうさせないように振る舞っていたという話じゃないか。自分たちが進
めてきた公共事業が失敗だったこと、それが表沙汰にならないように、う
まく立ち回っていたつもりなんだろうが」

U太「罪作りで、ひどい話だ。その結果どうなったかというと、有明海で
は不漁が深刻化したらしい。それもあって、漁業者の後継者難も深刻だ
という。国は漁業者に補償金を支払っているし、有明海の再生事業にも取
り組んでいる。でも、その効果はなく、有明海の漁業は疲弊して、衰退の
一途をたどっているらしいんだな」

U次郎「国はまず、干拓事業者としてのメンツにこだわる姿勢を改めなく
ちゃ。メンツにはこだわらないで、堤防の開門も考えてみたほうがいい。
その上で、農業者のこともきちっと考えないと」

U太「メンツか・・・。たしかに国にとって大事なのは、下々の暮らしがど
うか、などということよりも、まずもって自分たちのメンツだからな。
とにかく、そこをまず変えてもらわないと」

U次郎「その通りだ」

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