ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

自然界も一寸先は闇

2017-12-14 11:45:43 | 日記
一寸先は闇、という言葉がある。「政治の世界は、一寸先が闇」といった使
い方がされるが、思わぬこと、予測できないことが起こるのは、なにも政治
の世界だけではない。一寸先が読めないのは、人間の世界全般についても言
えることだ。人間万事塞翁が馬、と言うが、不幸のあとで、思わぬ幸福が舞
い込むことがある。逆に、幸福に酔いしれている最中、思わぬ不幸に見舞わ
れることもある。禍福はあざなえる縄のごとし、とはよく言ったものだ。

そういう人間の世界とは違って、自然の世界、自然界は、一定の法則に貫か
れ、必然の鎖でつながれている。「AのあとにはBが起こる」というのが、
自然界をつらぬく因果の法則である。だから自然界では、同時に「Aのあと
に非Bが起こる」ということは、元来あり得ない。微細な量子のレベルでは
「不確定性原理」なるものが成り立つらしいが、我々が通常目にする自然の
レベルでは、そういうことは問題にならない。

だが、それならば自然界には思わぬこと、予測できないことは起こらないの
か。ーーそう問われれば、だれもが「いやいや、実際に起こっているではな
いか」と答えるだろう。地震が良い例である。現に、1995年の阪神淡路大
震災や、2011年の東日本大震災を、事前に予測できた地震学者がいるだろ
うか。いや、そんな大袈裟な出来事を引き合いに出すまでもない。晴れなの
か、雨なのか、あすの天気ですら満足に予測できないのが、我々の人知の悲
しむべき現状なのである。

きのう、沖縄の小学校の校庭に、米軍のヘリコプターが機体の一部を落とし
たという。落下した機体の一部は重さ約7・7キロ。体育の授業中の児童ま
で約13メートルしか離れていなかったという(朝日新聞 12月14日)。
米軍のヘリコプターといえば、科学技術の粋を集めて作った物体である。そ
ういう精密な代物が予測できない出来事を引き起こすとは、一体どういうこ
となのか。

他方、きのうはこういうこともあった。四国電力が所有する原発の運転差し
止めをめぐる裁判で、広島高裁の野々上裁判長は、四国電力に運転差し止め
を命じる判決を出したという(毎日新聞 12月13日)。野々上裁判長は「阿
蘇山の噴火で火砕流が原発敷地に到達する可能性が十分小さいと評価できな
い」などとし、火山災害による重大事故のリスクを指摘したという。そうい
う判断を下した野々上裁判長は、「自然界も一寸先は闇」という世界観を
持っていたに違いない。原発施設が予測できない自然災害に巻き込まれ、大
事故を起こす可能性は皆無とは言えないから、そうなったとき、近隣住民に
甚大な被害を及ぼす可能性を持つ原発は、稼働させるべきでないということ
である。

このところ寒い日が続いている。テレビの天気予報では、この寒さはしばら
く続くという。朝方の冷え込みは年寄りの身にはこたえる。予測できない思
わぬ事態が自然界に起こり、春のようなぽかぽか陽気がやって来て欲しいも
のだが、こんなときには、なぜだか天気予報は外れないんだよなあ。とほほ。
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