盗み聞き

いつものヨーカドーで買い物をした後、
品物を袋に詰めていた時のこと。

隣の台にいたお爺さんが、声高に携帯で話をしているもんだから
聞くともなしに聞こえてしまった。

「え？はぁ！？」
「なんだって！？」
「お前はハッキリしゃべらないからよく聞こえないんだよ！」

いやいや、あなたの耳も遠いでしょうよ…
と密かにツッコミ。

「ほら、タオルの入った棚があるだろ？」
「チガウよ！タオルだよ、タオル！」

「そうそう、そこに入ってるバーさんのパンツのサイズだよ！」
「Ｌか？LLか？！」

Oh～！No～～！！
なんとなく、勝手な想像だが
お婆さんが急に入院することになってしまい、
必要に迫られたお爺さんが慣れない買い物にやってきた。

今どきの病院は、パジャマとかはレンタル出来るところが多いのだが
さすがに下着は自分持ち。
せめて家を出る時に、サイズを確認しておけばよかったものを
店に来てから気が付いてしまったようだ。

○○さんちのお婆さんのパンツのサイズが
遍くご近所に知れ渡る事態となってしまった。

私も年をとって、いつ入院してもおかしくないようなことになる前に
パンツだけはストックして置いておこうと心に決めた瞬間であった。