趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

『つやのよる』 井上 荒野

2010年06月04日 | 
井上荒野さんの最新刊です。
荒野さんの本が続いたので、ちょっと疲れました。
彼女の世界は一筋縄ではいかなくて
何かを壊していくような、作風に見受けられます。



題名は、いくつもの謎かけを感じます。
「つや」は「艶」であり「通夜」なのです。
夫、恋人、父と関係のあったらしい、「艶」という女の危篤の知らせ。
知らせを受けた女たちの、とまどいの連作短編集となっています。

艶という文字に象徴されるように、
艶という名の女は、性的に奔放な一生を送るのです。
でも、その実像に迫るような物語ではないのです。
むしろ、無理やり関わることになってしまった女性達の
関わることで変わってしまった、今の姿、生活、人生が描かれているのです。

目の前に見えているはずの‘男’が知らない顔を見せる時、
自分の姿も揺らぎ始める・・・。
恋愛というものの本質を
とことん追求していく姿を感じました。
これではどうだ、というように
変化球の数々を。

お陰で、とても寛容になりました。
今まで一刀両断してきた恋愛感なるものも
いや、ちょっと待て、そうは言ってもね・・・と
立ち止まることができるようになったのです。
これにはびっくり!!
荒野効果、抜群。。

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4 コメント

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Unknown (ましろ)
2010-06-08 12:48:55
コメント&TBありがとうございました!
井上荒野さんのひとひねりもふたひねりもある物語、
わたしもとても面白く読みました。
これからも井上荒野作品から目が離せませんね。
楽しみに読もうと思っています。
ましろさんへ (Poke)
2010-06-08 17:57:58
おいでくださり、またコメント&TBありがとうございました。
荒野さんが直木賞を受賞されてから読み始めた素人ですが、その文章に惹かれて次々読んでしまいます。
中には難しくて手に負えないモノもありますが、新刊が出るとウキウキしてしまいます。
好きな本のお話、これからもどうぞよろしくお願いしますm(_ _)m
Unknown (時折)
2010-06-14 19:21:45
はじめまして。
TBさせていただきました(多分)。
私の今年度ベスト1くらいに思う作品なもので、思わず立ち寄らせていただきました。
そうですね、相当な変化球ですね。
でも、その変化球は、大リーグボール(古っ)のような、バッターボックスにいる者をただ呆然とさせてしまうほどの魔力に満ちていて、かわしにくるようなものではないですね。
はーっ、どんどん追いかけてくるような、筆致の魔を感じます。
時折さんへ (Poke)
2010-06-15 21:05:11
はじめまして、Pokeと申します。
コメント&TBありがとうございました。
大好きな荒野さんの本のお話ができること、
とてもうれしく思います。
『つやのよる』なかなか手ごわかったです。
女性の持つ感情の様々なひだというものを見せてもらった様な気がしています。
今後がますます楽しみですね~
これからも、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m

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