夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

年金格差の実態を改めて学びながら、無力な私は溜息したり、動顛させられたり・・。

2017-12-29 15:53:33 | ささやかな古稀からの思い

先程、ときおり愛読しているネットの【東洋経済オンライン】を見ている中で、
『 年金13万円、生活苦に悩む高齢者たちの実情 』と見出しを見たりした。

私は東京の調布市の片隅みに住む年金生活の73歳の身であるが、
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭であり、
雑木の多い小庭の中で、築後39年を過ぎた古ぼけた一軒屋に住んでいる。

私たち夫婦はお互いに厚生年金とわずかな企業年金を頂き、程ほど貯金を取り崩しながら
ささやかに過ごしている。

私は中小業の民間会社に35年近く奮戦して2004年〈平成16年〉の秋に定年退職を迎えたが、
この間、幾たびかリストラがあったりしたが、何とかくぐり抜けたが、
最後の5年半はリストラ烈風となる中、出向となったりした。

こうした状況で、年金支給額は厚労省が2016年度として公表したモデルケース、
夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金月額は22万1504円に対し、
少しだけ上回っている程度である。

もとより大企業で自助努力され、38年ぐらい精進された御方は、
厚生年金は高額で、更に企業年金にも驚くような金額を支給されている方もいるが、
つたないサラリーマン航路を歩んだ私は、苦笑ばかりしてきた。

          
しかしながら私が勤めてきた中で、40代にリストラとなった知人がいて、
その後、やむなく個人タクシーをされて、65歳で引退されて、ご子息家族と同居している人もいる。

或いは中学時代の同級生が、商店街で和菓子屋を父親から譲り受けていたが、
50代の初めに、近くに駅ビルに洋菓子店が5店できてしまった結果、かってような繁栄もなくなり、
64歳にご子息に店を譲り、やむなく退職され、生活費として国民年金を頼りにしている。

このように不運な人生航路となってしまった人もいるが、
改めて年金に関しては、我が家の生活費の基盤であり、何かと年金は気になり、
真摯に記事を精読してしまった。

この記事は、ジャーナリストの村田くみさんが取材されて綴られた寄稿文であり、
【東洋経済オンライン】に12月29日に配信され、無断であるが転載させて頂く。

 

《・・2015年9月、厚生労働省は納めた年金保険料に対し、
給付額がいくらになるかを世代ごとに試算した結果を発表。

それにより若年世代は、現在受給している世代と比べ、
大幅な減額を余儀なくされるという、「世代間格差」が存在することが判明した。


将来に悲観的にならざるをえない若年層に対し、
現在年金を受給している人たちは、ある意味「勝ち組」ともいえるかもしれない。


しかし、現実には生活保護で支給される額よりも、
少ない年金を頼りに、ギリギリの生活を送る日本の高齢者たちの姿があった。

「こんな状況で介護が必要になったら、生活が成り立たなくなる」
そんな恐怖におびえながら日々を過ごす人々の実態を追う。



☆年金が足りない高齢者の悲鳴


ある都営住宅の一室。
一人暮らしの高齢者5人が集い、こたつを囲んでお茶をすすっていた。

今日の天気からはじまり、孫のこと、病気のこと、話題は尽きない。
ニュースで取り上げられている「年金」について1人が切り出した。


「これ以上年金を減らされたら、私たちの生活はどうなっちゃうの?」
「テレビや新聞で年金の話題が取り上げられても、内容が難しくてさっぱりわからないよ」

ただ、1つだけ理解している点は、受け取る年金は将来にわたって減らされるということ。
長生きすればするほど、生活が苦しくなる。
笑い飛ばしていても、目つきは真剣だ。

「消費税が上がってから、何を買っても高くつくので、
食べ物や生活必需品以外は本当に買わなくなりましたね。

洋服も以前は、お店の前を通ったら『あら、これいいわね』と、
毎シーズン1つは新しいものを買っていましたが、新調しないでなるべく着まわししなくては。
外出しても何も買わないで、まっすぐ家に帰るようにしています」


日本年金機構から毎年送られてくる「ハガキ」を片手に深いため息をつくのは、
都営住宅に住むフサエさん(仮名、77歳)。

定年退職後、年金をもらいながら趣味を謳歌する・・・
そんな悠々自適な生活を思い浮かべながら、現役時代は必死に働き続けた。
ところが、いざ年金を受け取ってみると、あまりの少なさにショックを受けた。

夫が15年前に他界してからは、一人暮らし。
嫁いだ2人の娘たちが時折、フサエさんの様子をうかがいに訪ねてくる。

定年まで企業の食堂などで働いたので、夫の扶養には入らず、厚生年金に加入していた。
現在、月に受け取る年金額は、厚生年金と国民年金などを合わせて約13万円。

「長年働いた割には、少ない」というのが実感だった。
女性は男性よりも賃金が低いため、支払う年金保険料が少ないからだ。


月々の生活で出費のウェートを占めるのは、食費と光熱費、そして医療・介護費。
フサエさんは糖尿病の持病があり、入退院を繰り返している。

要介護度は7段階でいちばん軽い『要支援1』。週に2回、デイサービスに通う。
3年前に転倒して足を骨折したときの後遺症で、リハビリを行うためだ。
歩行が困難になりシルバーカーを押しながら、やっとの思いで歩いている。

このほかに、定期的に内科と整形外科に通う。
医療費は薬代を含めて1割自己負担で月5000円程度。
介護保険のサービス利用料も同様に1割負担で約5000円。
そして、ガスストーブをつけて暖を取る冬場の光熱費は、1万4000円にもなる。

「年金生活に入ってからは、家賃の減免申請をしたので1万1600円。
光熱費、医療費、介護の費用が何かとかかるので、貯金を切り崩しながら生活しています。
生活はいっぱい、いっぱいですよ。
これから先、今まで以上に病院や介護のおカネが必要になったら、どうしようと不安になります」


「娘たち?  孫の教育費やら何やら、娘たちにも生活があるので、アテにできませんね。
年金で生活できなくなったら、生活保護に頼るしかないわね」

お茶をすすりながらフサエさんはため息混じりに語った。 

定年まで働いたのにもかかわらず、余裕がない生活を余儀なくされているのは、
もらえる年金が少ないから。

ひとたび病気や介護をきっかけに、費用の負担が増えれば生活が成り立たなくなる・・。
介護破産“予備軍“の1つはフサエさんたちのような、年金受給額が低い高齢者たちだ。




☆安倍政権の容赦ない「年金カット」


日本の公的年金制度(厚生年金と国民年金)は、現役世代の保険料負担で、
高齢者世代を支える「世代間扶養」の考え方を基本として運営されている。

しかし、少子高齢化が進むなかで、現役世代が納付する保険料のみでは、
年金給付を賄いきれなくなっている。

現役世代6713万人の保険料収入は37兆6000億円。
これに対して、年金受給の高齢者は3991万人で給付総額は53兆4000億円(いずれも2014年)。

保険料収入よりも、給付額が上回っている状態だ。
給付額の不足分は、国庫(税金)から補塡し、さらに保険料の一部を「年金積立金」として保有して、
一部を運用しながら切り崩している。


国は年金制度を維持するために、制度改正を何度も行っている。

2004年に、自民・公明連立政権下で「年金100年安心プラン」と題し、
今後100年間、年金の受取額は現役時代の収入に対して最低50%を保証するために、
年金制度の改革が行われた。

その1つが、「マクロ経済スライド」だ。

理解を深めるために、ここで年金について、もう一度、おさらいしよう。

そもそも、年金額は、物価や賃金の変動に応じて、毎年改定されることになっている。
物価が上昇すれば、年金額も上がり、下降すれば下がる「物価スライド」が導入されている。

ところが、「高齢者の生活の配慮」を理由に、
2000年度から、当時の自公政権が物価スライドを凍結させた。
物価の下降に合わせて、年金額を減額すべきところを据え置いたのだ。


このため、本来もらうべき年金額よりも多くもらっていた受給者は適正額に戻すために、
2013年10月から1%、翌14年4月からさらに1%減額され、2015年4月にも0.5%下げられた。

「もらいすぎ」が解消されれば、物価や賃金が上昇すると、その分年金額も上がることになる。
その伸びを抑える役割を果たすのが、「マクロ経済スライド」だ。

2015年度、厚生年金を受け取る夫婦二人世帯のモデル世帯は、
前年度より4453円プラスの月22万3519円もらえるはずだった。
ところが実際の受給額は月22万1507円。
マクロ経済スライドにより、2012円減った。

しかし、この額はあくまでもモデルであり、
年金受給者3991万人のうち、約4分の1が生活保護の基準以下で生活する”隠れ貧困層”といわれる。

自営業で国民年金にしか加入していなかった人や、
フサエさんのように長年働き続けていても低賃金だったために、
支払われる年金額が少なかった人もいる。

妻の年金は、すべて妻自身の医療費に消える。
所得税と住民税は非課税に該当しても、年13万円の国民健康保険料の支払い義務はあった。


「兄一家と同居しているので、家賃の負担がないのが幸いですが、
国保の保険料と光熱費を差し引くと、手元には月10万円しか残らない。
家族3人で食べていくのが精いっぱいですよ」(シンジさん)


東京23区の保険料は、住民税を基に計算されていたが、
2013年度より所得から33万円の基礎控除を差し引いた「所得」が算出のもとになった。

変更後は、扶養家族や障害者・寡婦などの控除が適用されなくなり、
一部の世帯では保険料が上がった。



シンジさんに限らず、年収が少なく家族が多い世帯の家計を直撃した。
豊島区を例にとると、年収200万円の年金受給者夫婦二人世帯では、
年6万3840円から年8万5886円と、約2万2000円上がった。
シンジさんも以前と比較して2万円の負担が増えた。

「世の中の人は『もっと働けばいいじゃない』と思うかもしれませんが、
妻が病院に行くときは私が付き添い、普段も食事の世話をしなければならないので、
働きたくても働けない。
1カ月のうち10~15日が限界です。

それに私だって高齢者なので、現役世代のように、もっと働けといっても
体がいうことを聞きませんし、これ以上は無理ですよ」


シンジさんは、自分が病気で倒れたときのことを考えると背筋が凍るというが、なすすべもない。
住居は持ち家の扱いなので、基本的に生活保護の受給対象にならないからだ。

☆”持ち家”が足かせになる

「首から上は、元気なんだけどね」と笑うのは、埼玉県に住むスミコさん(仮名、79歳)。
60代でリウマチにかかり、10年前に頚椎の手術を受けた。
歩行が困難で買い物を含めて家事のほとんどは夫(80歳)が行う。


「トイレが近くて、夜中に何度も起きるのが嫌で、
あまりお水を飲まなかったら、去年の夏に熱中症になりかけちゃって。

猛暑日が続いても電気代がもったいないから、
クーラーをつけなかったのが、よくなかったのかもしれないね」

節約するのには、ワケがある。
夫との年金は2人合わせて約15万円。
持ち家なので家賃はないが”老後”のために生活費を抑えて、少しでも貯金に回している。


“最後のセーフティーネット”といわれる生活保護受給の条件は、
①現在手持ちのおカネがわずかな状態、
②すぐに現金化が可能な資産を持っていないことなどだ。

単身世帯に支給される保護費は、東京23区で月13万円程度。
所持金が13万円を下回っていれば、受給の対象になる。

また、②の現金化可能な資産については、自宅、車、保険などが対象とされている。
例外もあるので詳しい情報は、住む自治体の社会福祉事務所に確認をする必要があるが、
一般的に持ち家は資産と見なされるので、低年金でも持ち家があると、生活保護が受けられないケースが多い。

前出のシンジさん一家や、スミコさん夫婦は、生活に困窮していても生活保護の対象外になる。


夫婦に子どもはいない。
夫はまだ一度も大病を患ったことはないというが、すでに80代。
いつまでもこのままの生活が続くとは思っていない。

「万が一、夫が私よりも先立つようなことがあったら、どうしよう・・」
スミコさんの苦悩は尽きない。

 (登場人物の年齢、肩書は2017年4月時点)・・》

注)記事の原文に、あえて改行を多くした




私は記事を読み終わった後、不運な人生航路となってしまった御方の生活費の苦難の実態を学び、
もとより年金は、人それぞれ・・私が思っていた以上に格差があることを知ったりした。

私たち夫婦の両親は、今や家内の母だけとなっている。

私が2004年(平成16年)の秋に定年後する直前に、
家内の父が病死され、家内の母は我が家より遠い地で、独り住まいとなっている。

確か10年前の頃だったと私は記憶しているが、
家内の母は年金として専業主婦をしてきが、亡き家内の父の長きに及び奮戦してきた影響で、
母は年金として月平均14万円前後で貯金を少しづつ崩しているが、長生きを考えると心ぼそいわ、

とこのような意味合いの言葉を、長女の私の家内に言った。

そして私は家内から聞いて、毎月少し融資を受けられる『リバースモーゲージ』を本格的に調べたりした。
『リバースモーゲージ』は、老後資金がどうしても不足してしまう場合には、自宅不動産を活用し、
自宅を担保にお金を借りて、慣れた自宅を手放さず、死亡後に担保を売却して元本を返済する方法である。

まもなく家内は関係先に孤軍奮戦した結果、家内の母の住む市の社会福祉協議会より、
家内の母は、毎月3万円の融資を受けている。

やがて家内の母は、年金に毎月3万円頂くので助かるわ、と家内に言ったと、
と私は家内から聞いたりして、悦んだりした。

我が家では、ときおり家内が、『働かなくとも・・何とか生活できて有り難いわ・・』
と私に呟(つぶや)くように言ったし、私は苦笑したりしている。


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2 コメント

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転載について (Unknown)
2017-12-29 21:12:45
突然の御無礼お許しください。
こちらのブログの記事を幾つか拝見しましたが、転載部分とご自身の言葉で綴られている部分が転載9割、感想1割といった状態です。
著作権法上認められる引用とは、文書の中で、ご自分の言葉で綴る部分が「主」、転載部分が「従」である必要があります。
このままではもし著作権者から削除要請が発生した場合、せっかくお書きになったブログを消さなければならなくなってしまいます。
その旨ご理解の上、引用部分を感想を述べるに必要な部分のみに削減し、どうしても全文が必要な場合はハイパーリンクを貼るなどして、もっとご自身で語られる部分を増やしてはいかがかなと思いました。
転載の件、ご指摘、ごもっとも・・。 (夢逢人)
2017-12-30 08:13:44
転載について (Unknown)2017-12-29 21:12:45

>突然の御無礼お許しください。
>こちらのブログの記事を幾つか拝見しましたが、
>転載部分とご自身の言葉で綴られている部分が転載9割、感想1割といった状態です。

>著作権法上認められる引用とは、
>文書の中で、ご自分の言葉で綴る部分が「主」、転載部分が「従」である必要があります。

>このままではもし著作権者から削除要請が発生した場合、
>せっかくお書きになったブログを消さなければならなくなってしまいます。

>その旨ご理解の上、引用部分を感想を述べるに必要な部分のみに削減し、
>どうしても全文が必要な場合はハイパーリンクを貼るなどして、
>もっとご自身で語られる部分を増やしてはいかがかなと思いました。


真摯なご指摘、ありがとうございます。

私の投稿文は、転載した記事が多く、こうした時は原文の著作者を明記した上、
前後に私の思いを記したことが多くなっているが、昨今の状態です。

私が無断で全文を転載させて頂くことは、以前にハイパーリンクを貼った時、
読んで下さる御方の一部が、ハイパーリンクを読むのが面倒と指摘されまして、
どうせなら全文を表示した方がよいかしら、と安易な思いで投稿してきた次第です。

もとより私の筆力のいたらさですが、ご指摘、ごもっともで、反省する次第です・・。

今後ともよろしくお願い致します。

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