昨夜、wowowで偶然見た映画「サラの鍵」、とても重い映画でした。
東京国際映画祭最優秀監督賞/観客賞を受賞、昨年、口コミで話題になった映画でした。
1942年、パリでユダヤ人が競輪場に収監された悲劇を描いたベスト・セラーの映画化。
フランスは1940年、ドイツ軍に占領され、フランス国内でのドイツ軍ユダヤ人迫害、
排斥にフランス国家が加担していたのです。
占領下にあれば、仕方のないことかもしれないが、当時フランスでもユダヤ人に
対する脅威と羨望があり、連合軍ではあったのに、ドイツ人と同じような
気持ちで一部の人は喜んで協力したと史実にはありました。
映画は・・・・・・
1942年、フランス軍がナチスの命令によりパリ在住のユダヤ人約12,000人を
一斉検挙し、市内にあった競馬場に5日間水も食料も与えず収監していた。
そこからの行先は終焉の待つ収容所に送られて行った。
家族で検挙される時、とっさに弟を部屋の納戸に入れた10歳の姉サラが、
「すぐ迎えに来るから、音を立てずに隠れていなさい」と言って、鍵をかけて弟を隠した。
現在のパリ・・・・・・
夫の祖父母から譲り受けたアパルトマンに住む女性記者はかっての
住人がユダヤ人家族でその娘サラが収容所から脱走したことを知る。
サラと弟の足跡をたどる中で明かされていく秘密・・・・・・・・。
1995年にシラク大統領がでフランス国家がユダヤ人迫害に加担していたと
演説し、国民は衝撃を受けたそうです。
過去と現在とを時代交錯させながら、女性記者が紐解いていくのだけれど、
その終末までの秘密は悲劇を思い起こさせ、女性記者の家族さえも
壊れていくのを感動と言うのだろうか?
ラストが感動とコメントにあったけれど・・・・・・納得のいかない終わり方だった。
連合軍であったフランスがナチスと同じことをしていた事のショックのほうが大きかった。
理由は・・・・・・
フランスを代表する監督ルネ・クレマンの作品「パリは燃えているか」を見ているから。
彼は第二次世界大戦中、対tp独レジスタンス運動に参加していました。
「パリは燃えているか」は、第二次世界大戦末期の独軍下パリを舞台に、
パリ解放に向けてのレジスタンスの活躍を描いた作品。
仏米合作映画、今思えば、チョー豪華キャストの映画でした。
アラン・ドロン(太陽がいっぱい)、ジャンポール・ベルモンド(勝手にしやがれ)、
カーク・ダグラス(スパルタカス)、アンソニー・パーキンス(サイコ)、
イヴ・モンタン(恐怖の報酬)&シモーヌ・シニョレ(悪魔のような女)・・・確か夫婦だった?
ロバート・スタック(アン・タッチャブル)、ジョージ・チャキリス(ウエストサイド物語)、
ゲルト・フレーベ(007・ゴールドフィンガー、チキチキバンバンなど)、
オーソン・ウエルズ(市民ケーン、第三の男)
モノクロだったけれど、ラスト、パリ解放の場面から現代のパリ上空の俯瞰でカラーになり、
そこにモーリス・ジャール(アラビアのロレンス)のパリ解放の喜びを軽快なワルツで
表現した美しい曲が流れていた。
アコーディンオンの演奏がいかにもプランス!!!
勿論、今でも口ずさめます。
この映画でフランスもナチスに抵抗していたという思いが強いから・・・・・。
ただ、10歳の時のサラを演じたメリジェーヌ・マヤンヌの演技が秀逸、とくに目の
演技が素晴らしかった!
女性記者は1996年に「イングシッシュ・ペイシェント」でアカデミー主演女優賞に
ノミネートされたクリスチティン・スコット・トーマス。
ホロコーストを主題にした映画はやはり見るとあとが辛いです。