当ブログの画像(といってもほとんど写真)復旧作業はなんとか12月中旬に終わったものの、高速コピペ作業を連日のように集中して繰り返していたところ、右肩周辺が凝り固まってパンパンになってしまった。
マウスを握るのもキーボードを叩くのも痛くて、結局こうして今年最後の日に何とか滑り込みでこの映画の感想が書けることになったが、まったく何をやってもダサくてトホホ~って感じ
監督ジェローム・ル・メール
キャスト
ジェラール・ランヴァン:フランソワ・マレシャル
ジャリル・レスペール:シャルリ・マレシャル
アリス・タグリオーニ:ブランシュ
ローラ・スメット:マリー・マレシャル
ラニック・ゴートリー:マルコ
(2016年11月19日 / 川崎チネチッタ)
もちろんタイトルに惹かれて観に行ったのだが、ストーリーは思っていたよりも淡々と描かれていて、それがかえって現実の家族を映し出すヒューマンドラマっぽくてよかったと思う。
ブルゴーニュのワイン農家に生まれ、20歳で故郷を離れパリで有名なワイン評論家として活躍していた主人公(シャルリ)が、実家のワイナリー倒産の危機を救うという話。
ワインのボトルとグラスがズラリと並び、シャルリが一口ずつテイスティングしてはコメントをつけていく冒頭のシーンには観ているこちらも思わず緊張。
彼はいつも煌びやかな社交場では人気者だった。
そんな優雅な評論家人生から一転して実家の「ドメーヌ・マレシャル」の再建を決意したシャルリの前に立ちはだかる父フランソワの存在。
テイスティングは専門だが収穫や醸造はド素人といってもいい息子に対する父の頑固さをジェラール・ランヴァンが実に味わい深く演じていた。(そしてなんといってもカッコイイ)
昔ながらのやり方でワイン造りを始めるシャルリ。
畑は馬を引いて耕し、樽の代わりにアンフォラを使い、父親からは「ローマ時代に戻るつもりか」と呆れられる。
それでも父の頑固さを受け継いだのか、シャルリは現代の技術に頼らず自然に帰った形で造るという意思を貫き通す。
でも、この意思の強さと頑固さって、もしかしたらワイン造りにはなくてはならないものなんではないだろうか。
印象的だったのは、ドメーヌ・マレシャルを訪れて来たボルドーの人たちが皆スーツ姿でビシッとキメていたこと。嵐対策で畑をビニールシートで覆うシーン。それから最後にシャルリが父を迎えにいくシーン。
全編を通じて後継者問題についても考えさせられる。
物語の柱となる父と息子のほかに、妹夫婦や隣のドメーヌの親子(こちらは母と娘)などが絡みあってストーリーが展開していくが、登場人物それぞれの人生にスポットが当てられることで、一見シンプルな物語がとても深い愛情で結ばれていることに気づく。
そしてそこにはいつもワインがある。
フランス映画史上初めてのブルゴーニュでの完全ロケらしい。
クロ・ド・ヴージョ城やオスピス・ド・ボーヌなどといったブルゴーニュの歴史的建造物も登場するのが興味深い。
そして、マレシャル家のブドウ畑のロケ地となったのがアロース・コルトン。
Aloxe-Cortonと書かれたエチケットからワインが注がれるシーンを見るだけで、ピノ・ノワールの魅惑的な香りが頭の中いっぱいに広がった。
ちなみに、ロマネ・コンティも登場したが、こちらは香りすら嗅いだことがない
原題は "Premiers crus" (プルミエ・クリュ)。
グラン・クリュとしなかったところにちょっぴり好感が持てる(笑)
(プルミエ・クリュ(1級畑)はグラン・クリュ(特級畑)の下に位置する格付け)
ブルゴーニュのワイン畑の美しいこと。
そしてフランス語が何とも心地よく耳に響く。
いつの日かブルゴーニュの丘に抱かれながらワインをいただくのがとても楽しみだ。
映画を見た翌日、田園調布の某スーパーでトロ・ボーのアロース・コルトン 2013ヴィンテージを見つけ、迷わず購入。
彼の地に思いを馳せながらいただくワインは、何とも気高くチャーミングであった
マウスを握るのもキーボードを叩くのも痛くて、結局こうして今年最後の日に何とか滑り込みでこの映画の感想が書けることになったが、まったく何をやってもダサくてトホホ~って感じ
監督ジェローム・ル・メール
キャスト
ジェラール・ランヴァン:フランソワ・マレシャル
ジャリル・レスペール:シャルリ・マレシャル
アリス・タグリオーニ:ブランシュ
ローラ・スメット:マリー・マレシャル
ラニック・ゴートリー:マルコ
(2016年11月19日 / 川崎チネチッタ)
もちろんタイトルに惹かれて観に行ったのだが、ストーリーは思っていたよりも淡々と描かれていて、それがかえって現実の家族を映し出すヒューマンドラマっぽくてよかったと思う。
ブルゴーニュのワイン農家に生まれ、20歳で故郷を離れパリで有名なワイン評論家として活躍していた主人公(シャルリ)が、実家のワイナリー倒産の危機を救うという話。
ワインのボトルとグラスがズラリと並び、シャルリが一口ずつテイスティングしてはコメントをつけていく冒頭のシーンには観ているこちらも思わず緊張。
彼はいつも煌びやかな社交場では人気者だった。
そんな優雅な評論家人生から一転して実家の「ドメーヌ・マレシャル」の再建を決意したシャルリの前に立ちはだかる父フランソワの存在。
テイスティングは専門だが収穫や醸造はド素人といってもいい息子に対する父の頑固さをジェラール・ランヴァンが実に味わい深く演じていた。(そしてなんといってもカッコイイ)
昔ながらのやり方でワイン造りを始めるシャルリ。
畑は馬を引いて耕し、樽の代わりにアンフォラを使い、父親からは「ローマ時代に戻るつもりか」と呆れられる。
それでも父の頑固さを受け継いだのか、シャルリは現代の技術に頼らず自然に帰った形で造るという意思を貫き通す。
でも、この意思の強さと頑固さって、もしかしたらワイン造りにはなくてはならないものなんではないだろうか。
印象的だったのは、ドメーヌ・マレシャルを訪れて来たボルドーの人たちが皆スーツ姿でビシッとキメていたこと。嵐対策で畑をビニールシートで覆うシーン。それから最後にシャルリが父を迎えにいくシーン。
全編を通じて後継者問題についても考えさせられる。
物語の柱となる父と息子のほかに、妹夫婦や隣のドメーヌの親子(こちらは母と娘)などが絡みあってストーリーが展開していくが、登場人物それぞれの人生にスポットが当てられることで、一見シンプルな物語がとても深い愛情で結ばれていることに気づく。
そしてそこにはいつもワインがある。
フランス映画史上初めてのブルゴーニュでの完全ロケらしい。
クロ・ド・ヴージョ城やオスピス・ド・ボーヌなどといったブルゴーニュの歴史的建造物も登場するのが興味深い。
そして、マレシャル家のブドウ畑のロケ地となったのがアロース・コルトン。
Aloxe-Cortonと書かれたエチケットからワインが注がれるシーンを見るだけで、ピノ・ノワールの魅惑的な香りが頭の中いっぱいに広がった。
ちなみに、ロマネ・コンティも登場したが、こちらは香りすら嗅いだことがない
原題は "Premiers crus" (プルミエ・クリュ)。
グラン・クリュとしなかったところにちょっぴり好感が持てる(笑)
(プルミエ・クリュ(1級畑)はグラン・クリュ(特級畑)の下に位置する格付け)
ブルゴーニュのワイン畑の美しいこと。
そしてフランス語が何とも心地よく耳に響く。
いつの日かブルゴーニュの丘に抱かれながらワインをいただくのがとても楽しみだ。
映画を見た翌日、田園調布の某スーパーでトロ・ボーのアロース・コルトン 2013ヴィンテージを見つけ、迷わず購入。
彼の地に思いを馳せながらいただくワインは、何とも気高くチャーミングであった