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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

法趣旨について

2010-06-06 22:56:29 | 雑感

この週末は本当に珍しく予定もなく2日間家でのんびりと過ごしました。どういうわけか私はこの本読んでくださいと周りの人に言われることが多くて、今読んでいる本が3冊あるのでなかなか忙しいのですが、その中で高杉良の「不撓不屈(フトウフクツ)」の上巻が今日読み終わる感じになってきました。

この「不撓不屈」は税理士の実話で、政治家なども実名で出てきます。映画化もされているそうですが私はまだ映画は見たことがありません(今度見てみようと思っています)。非常に優秀な税理士ということであり、とても興味と期待を持って読んでみたのですが感想としては今のところ私としては微妙という感じです。

と言いますのも、この本は国税庁側があるきっかけから一税理士を徹底的に弾圧する話で、確かに本当このようなことであれば国家権力の集中攻撃を浴びながら毅然と戦う税理士ということで、共感を覚えることができるストーリーなのかもしれません。ただ気になるのがそのきっかけになった節税なのか脱税なのかという税理士のアドバイスについてなのです。確かに節税と脱税の境目はすっきりしたものではないのかもしれません。ここら辺は社労士である私にはわからないことも多くあるのだとは思います。

法律は条文を読んでいると、とてもよくできているなと思うときもありますが、逆に不備ではないのか?と気がつくものもあります。通達や指針で補完されることもあるので一概には言えないのですが、法律だからといって完璧なものとは言いがたいと思うこともたびたびあります。また細かいことまで法律に書かれることは多くないので「拡大解釈」ということも成り立つ場合があります。実務上は法律の規定を押さえながら拡大解釈をしていき企業規模にもよりますが大丈夫だろうというアドバイスを顧問先企業にすることもあります。

ただ私はそういう場合でも理論の組み立ての基本に持ってくるのは「法趣旨」と考えています。この法律がどのような趣旨を持ち規定されたのかをきちんと押さえておけばまず間違った方向にアドバイスしてしまうようなことはないだろうと考えています。

不撓不屈に出てくる「別段賞与」は確かに資金繰りなどに苦しむ中小企業を助けるという節税の考え方から発したものであり、脱税ということではないと思います。ただ開業当初に出てくる「別段預金」の話になると法の盲点を突いているのであって法趣旨からは逸脱しているのでは?という気がしてくるのです。それがあるのでちょっとしっくりこないなあと感じてしまうのかもしれません。

例えば4月に改正がありました雇用保険の、雇用見込み31日以上で被保険者の資格取得という規定は、改正条文を見るとすべての被保険者の取得に当てはまるようにしか読めないのです。しかしこれはリーフレットを見ると、短時間就労者(通常の労働者の労働時間に比し労働時間が短い人)について必要とされる雇用見込みであることが書いてあります。もともと雇用見込みを問われていたのは短時間就労者のみであり、通常の労働者は雇用見込みを問われることなく資格取得することになっていました。改正でそれが不利に変更されることはおかしなことなので、条文を読んだときに厚生労働省に電話をかけて確認しましたが、「法趣旨から通常の労働者の取り扱いを変更することではなく、短時間就労者のみの適用規定と考えてください。」ということでした。社労士をしていれば法の盲点というのはおのずから見えてしまうことがありますが、法律を元に仕事をしている士業である以上、法趣旨を大事にしていく必要があると思っています。

気持ちのよい季節で本当に気分が良いですね。この週末は布団を夏用に変えたり、大学の後輩の母上が作ったお米を買っているのですが、精米機で7分づきや5分づきに精米して毎回使う分だけ小分けする作業をしたりしていました。最近平日なかなかご飯を作ることができないので、週末に料理を少し作りためたり、平日にいろいろなことが効率的できるように準備したりすることにしています。それはそれで結構気分転換になるものですね。

 

 

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