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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

明示した労働条件と就労実態が異なる場合

2016-10-17 00:01:39 | 労働法

実際入社してみて、契約時に明示された労働条件と相違している場合は、どのような法律上の定めがあるかということですが、労基法だけではなくいくつかの法律に定めがあります。

①労基法第15条第2項により即時に労働契約を解除可能とされています。

法第15条第1項(労働条件の明示)の規定よって明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。

②労働条件が実態と異なるという理由で労働者が退職した場合は、雇用保険法の「解雇等」により離職した者として特定受給資格者に該当する可能性があります(助成金の不支給事由になる可能性があります)。

特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準
特定受給資格者の範囲

Ⅱ「解雇」等により離職した者
②労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく相違したことにより離職した者

ただし、特定受給資格者の判断基準にある通り、就職後1年経過までの間に離職していることが条件になります。

被保険者が労働契約の締結に際し、事業主から明示された労働条件(以下この項目において「採用条件」という。)が就職後の実際の労働条件と著しく相違したこと又は事業主が労働条件を変更したことにより採用条件と実際の労働条件が著しく異なることとなったことを理由に、就職後1 年を経過するまでの間に離職した場合が該当します。この場合の「労働条件」とは労働基準法第15 条及び労働基準法施行規則第5 条において労働条件の明示が義務づけられているもの(賃金、労働時間、就業場所、業務等)です。ただし、事業主が、正当な手続を経て変更したことにより、採用条件と実際の労働条件が異なることとなった場合には、この基準には該当しません。(他の特定受給資格者に該当する場合(賃金や時間外労働の時間等)は、各々の判断基準で判断します。)

③職業安定法第65条8号に、募集の際に明示された労働条件と相違があるということで虚偽条件表示等に対する罰則があります。

次の各号のいずれかに該当する者は、これを六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

八 虚偽の広告をなし、又は虚偽の条件を呈示して、職業紹介、労働者の募集若しくは労働者の供給を行つた者又はこれらに従事した者
 
なお、いわゆる八州測量事件(東京高裁、昭和58年12月19日)の判決では、前年度中に採用内定した学卒定期採用者について、会社が合格通知書等を発信した時をもって翌年4月1日を効力発生の始期とする労働契約が成立したものと解されており、前年度中に採用内定した学卒定期採用者の初任基本給を、職業安定所の求人票に記載した見込額より低く決定し支払ったことが労働基準法15条に違反せず、右決定にいたった会社の事情、差額の程度等から労働契約に影響を及ぼすほど信義則に反するものとは認められず有効とされています。
 
先週は北横岳に登ってきました。途中岩で足を打撲して今右足はかなりあざがある状態ですが、今回は若干ハードであったにもかかわらず筋肉痛はそれほどありませんでした。今年の秋はもう一回山に行きたいと思っています。
 
  
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