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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

合併における退職一時金制度改定

2016-10-08 13:22:24 | 労務管理

合併をした場合の就業規則の統合・賃金制度・退職金制度の統合はかなり重い仕事だと思います。賃金制度の改定は特に労働者の生活に直結するものだけに、高い水準に合わせるのであれば問題ありませんが、不利益変更を伴う場合などは一定の調整期間も必要となってきます。退職金制度については、制度移行にあたっては、在職者に関してはこれまでの既得権の保障が必要です。実際には就業規則は合併時点、賃金制度をその2年後、退職金についてさらにその後何年後か(定年退職者等退職者が比較的少ない会社はそれまでは、合併前の各企業の退職金制度に従って計算して支給)に統合し新たな制度をスタートしていくことが多いような気がします。

退職金制度については、大きく以下の2種類に分けられると思います。   ※退職事由別係数は、定年・会社都合又は自己都合の設定が一般的です。

①算定基礎額×勤続年数別支給率×退職事由別係数×功労金等の加算額 ②累積ポイント×ポイント単価×退職事由別係数

20年以上前は、退職金といえばほとんど①の計算方法であったと思いますが。バブル期を超えたあたりで「退職金がこのままの制度であると大変なことになる」と気がついた会社が非常に多くなり、退職金額の抑制を中心とした制度の見直しをする機会が多くなり、さらに適格退職年金(平成24年廃止)が平成14年以降新たな契約ができなくなったこともあり、それに合わせてDC・DB・中退共への移行が進みました。今は各社かなり安定している状態のように思いますが、合併の際にどのように複数の退職金制度を統合して行くかということについてはよく発生すると思います。

先にも書きましたが、既得権の保障は絶対に必要なのですが、退職金というのは入社してから定年退職まで40年弱の管理となりますから、退職金制度統合までの退職金額と制度統合後の退職金額を分けて計算することになり、長期間の管理が必要となります。その時点で制度統合前の退職金額については支払ってしまう場合もありますがそれはそれで企業の負担が大きいです。

ポイント制については、制度統合前の退職金額をポイント単価で除することにより累積ポイントを算出することができますので、制度統合前後をとぎらせることがなく進めていくことができるということになります。あとは今後の退職金水準をどうするか、退職金カーブをどうするかなどの各制度の整合性を図っていくことになります。

55歳以上になると退職金カーブが上がらず直線になるという場合もありますが、これは私は前向きにとらえ「定年まで待たず第2の人生を50台のうちから準備するため早めに退職するのを企業は選択肢として示している」と考えています。また、企業の側から考えた場合、やはり支払い能力には限界というものが当然ありますので、①の場合でも②の場合でも上限を設定しておくのは現実的な対応方法だという気がします。さらに中小企業は中退共に加入して少なくてもよいので毎月掛金を負担することで社員の退職時に特に改めて退職金の準備をする必要がないように備えるというのが良いと考えています。

この頃ブログを続けていてえらいですねとお褒めを頂くことが時々あります。平成21年から丸7年間夏休みと年末年始以外の週末に書いていますのでかなりの量になってきたと思います。

テーマが何もなくて困ることもないわけではないのですが、日常的に社労士業務を行っていると何かしら頭に浮かんでくるもので、何とか毎週日曜日の夜に頑張って続けています。先日はこのブログを読んでいただいた出版社から執筆のご依頼を頂いたのには恐縮してしまいました。時にはセミナーの準備をするために、また顧問先企業のご質問の回答を作るための準備のためにネットや自宅にも置いてあるTAC時代の新標準テキストや安西弁護士のご著書などを調べてブログに書いておくということもあります。ブログを書くことで授業の準備と同じでやはり勉強になっていると実感するこの頃です。

良い連休をお過ごしください。

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