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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

労働時間法制について

2016-08-28 00:48:42 | 労働法

労働時間法制について、9月にセミナーで話す予定で、今調べている最中です。色々な施策が政府から出てきているため、その流れをつかもうとあれこれ見ていたのですが、そもそもは「日本再興戦略改訂2014」において「柔軟で多様な働き方の実現」として「働き過ぎ防止のための取組強化」が示されています。そこには、長時間労働を是正するため、法違反の疑いのある企業等に対して労働基準監督署による監督指導を徹底するとともに、「朝型」の働き方の普及や長時間労働抑制策等の検討を行うと書かれており、さらに「日本再興戦略改訂2015(平成27 年6月30 日閣議決定)において、引き続き「働き過ぎ防止のための取組強化」が盛り込まれています。 

また、「ニッポン一億総活躍プラン」が平成28年6⽉2⽇ 閣議決定されており、一億総活躍社会の実現に向けた横断的課題である働き方改革の方向として、3つ示されています。どれも社労士と深く関係している内容です。

①同一労働同一賃金の実現など非正規雇用の待遇改善
労働者の約4割を占める非正規雇用労働者の待遇改善は待ったなしの重要課題であるとされています。
再チャレンジ可能な社会を作るためにも正規か非正規かといった雇用の形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保し、同一労働同一賃金の実現に踏み込むとされています。

②長時間労働の是正
長時間労働は、仕事と子育てなどの家庭生活の両立を困難にし、少子化の原因や女性のキャリア形成を阻む原因、男性の家庭参画を阻む原因となっているとされています。
長時間労働の是正は、労働の質を高めることにより多様なライフスタイルを可能にし、ひいては生産性の向上につなるため、今こそ、長時間労働の是正に向けて背中を押していくことが重要である。
ちなみに週49時間以上働いている労働者の割合は、欧州諸国では1割であるが日本では2割となっているため、法規制の執行を強化するとされています。

③高齢者の就労促進
生涯現役社会を実現するため、雇用継続の延長や定年引上げに向けた環境を整えるとともに、働きたいと願う高齢者の希望を叶えるための就職支援を充実する必要があるとされています。
ちなみに高齢者の7割近くが、65歳を超えても働きたいと願っているのに対して、実際に働いている人は2割にとどまっているそうです。

ニッポン一億総活躍プラン(概要)http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ichiokusoukatsuyaku/pdf/gaiyou1.pdf

さらに長時間労働の是正を柱とする「働き方改革」に絡んで36協定有識者検討会が立ち上がることになり、具体的な労働時間の規制が示されそうです。

今日は社会保険労務士試験でした。頑張った受験生お疲れ様でした。何はともあれ少しゆっくりとできますね。

 

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