YU@Kの不定期村

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結騎了の映画ランキング2016 EPISODE II

2016-12-28 17:38:07 | 映画



こんにちは、YU@K改め、この記事でもご紹介した通り、結騎了(ゆうき・りょう)(@slinky_dog_s11)です。

昨日から4日連続更新予定の「結騎了の映画ランキング2016」。2日目となる本日は、20~11位に該当する作品について、語っていきたいと思います。では、早速いきましょう。


【目次】
EPISODE I(~21位)
EPISODE II(~11位)
EPISODE III(~6位)
EPISODE IV(~1位)


※毎年のことですが、言うまでもなくあくまで「私が」面白かったか否かというランキングなので、作品の面白さやクオリティを保証するものでは全くありません。また、核心部分のネタバレは避けますが、所々展開に触れる文章がありますので、ご了承ください。







20位『アーロと少年』

この作品を振り返って一番に出てくる感想は、「水がすげぇ」。開始すぐの川を流れる水のCGアニメーションが本当に驚異的で、「ついにここまできたか」と感慨を覚えてしまったほど。近年だと『モンスターズ・ユニバーシティ』におけるサリーの毛並みにもえらく感動したが、ピクサーの技術追求には本当に頭が下がる。

さて、肝心の本編だが、「恐竜が隕石で絶滅しなかった世界」というIFストーリーが土台となっており、畜生のように泥まみれで生きる人間と言語を操る恐竜が互いに心を通わせ、そして別れを通してイニシエーションを完了させる物語。「異種族ふれあいモノ」「家に帰るまでの冒険譚」「勇気を出して子供から大人へ」という王道すぎる要素の組み合わせなので、正直最初から最後まで目新しさは無い。途中で途端に現実を突き付けてくるパートがあり、それ自体にはひどくビックリしたが、確かに恐竜が生きる時代を描く以上、“あれ”をやらない方が嘘だよな、と。

首長竜家族ならではの農耕や建築模様など、「恐竜が更に進化して社会を築いていたら」という自ら掲げた問いかけに対するアンサーがいちいち面白く、そういう「なるほど」「よく考えたな」が頻出する序盤の一連のシーンは、まさに自分の子供に観せたいな、と思う。下手な知的玩具よりよっぽど効果がありそうだ。







19位『キング・オブ・エジプト』

予告やポスターから受ける「古代エジプトアドベンチャー!」な雰囲気とは裏腹に、実は聖闘士星矢ばりの黄金アーマーを身にまとい空を駆ける神々のガチンコバトルムービーである。言わずもがな、メインキャラの吹替えにジャニーズ・玉森くんが起用されていることからも分かるように、その手の要素は宣伝においてオミットされ、「ワクワク楽しい冒険譚!」な雰囲気が強調された。なので、今年でも随一の「好きそうな人に届いていないんじゃないかムービー」である。ぜひ、気になった方には鑑賞していただきたい。

とはいえ、その方向性に付随されると嬉しいカルト的な面白さには少々欠けていたのが本音だ。追放された傲慢な神は、非力な人間を利用しつつ復権を狙い、いつしかその人間との友情に目覚める。様々な世界を巡り、多彩なキャラクターが登場し、最後には派手なバトルも待ち受けているのだけど、ギリギリのところで爆発力に欠けるのが本当に惜しい。この手の映画は「うおおお!予想外にキてるぞこれ!」と叫びたいものだけど、中々届いていなかったなあ、と。でも、メキメキっと鎧を装着するシークエンスや、『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』ブラックパンサーでお馴染みのチャドウィック・ボーズマンが演じるトト神のおもしろキャラっぷり、まるでPS4っぽいアングル&画質で襲い来る謎モンスターなど(褒めてます)、細かな見所は本当に多い。







18位『映画 暗殺教室~卒業編~』

何かと槍玉に挙げられる漫画の実写映画化だが、この『暗殺教室』二部作は本当によく出来ていたと思う。以前「前編」は個別でレビュー記事を書いたが、イベントの串刺し団子になってしまわないようにしっかりと要素を足し引きし、映画的な盛り上がりを設定し、しかし原作の持つテーマや持ち味はしっかり持続させる作り方。それがこの「卒業編」でも継続されていたなあ、と。その分、原作既読者には目新しさは無いのだけど、ひたすらに真摯な作り方が映る方向性。必要な部分はしっかり“変えている”のが良い。(最後にオリジナル大乱戦で映画的な見せ場を設定するなど)

私は『暗殺教室』という漫画作品に「驚異的な構成力」を強く感じていたが、その原作者・松井先生のアイデアが原作をはじめ実写映画・アニメにまで降り注ぎ、ほぼ同時期に3つの作品がしっかり同じ結末を迎えるという前代未聞なフィナーレを飾ったのが本作である。つまりは、松井先生の構成力が漫画の誌面だけでなく現実のメディアミックス作品にまで反映されたようで、もはやこの「卒業編」が「この(原作連載終了の)タイミングで原作通りに終わったこと」そのものに、強い感慨を覚えてしまうのだ。

惜しい点としては、二宮くんを回想シーンで起用した結果か、ちょっとそこの部分に尺を取りすぎていたかなあ、と。二宮くんのメロドラマを魅せたい(&観たい層が多い)ことは重々分かるのだけど、一本の映画として俯瞰した時のバランスはちょっと崩れていたのかも。







17位『マネーモンスター』

ジョージ・クルーニーが財テク情報番組の司会者に扮しイケイケの生放送を開始するも、そこに見知らぬ男が拳銃を持って現れる。「テメェのせいで大損だ!」と生放送をジャックするも、実はその裏にはウォール街の闇が隠されていた。…というストーリーで、あれよあれよと生放送が継続されたまま人質と犯人が協力体制になるまで話は転がり、遂には目的の相手に落とし前を付けさせるために奮闘する話運び。リアルタイムサスペンスということで、番組の放送開始からそれが終わるまで、事件の一部始終と映画の進攻がほぼ同じ所要時間で描かれる。だからこその興奮と、手に汗握る逃走劇。適度なワクワクとヒヤヒヤが味わえる手堅い一本となっている。

流石のジョージ・クルーニーと言うべきか、お調子者・雄弁な司会者・慌てふためくオッサンといった様々な顔色を見事に使い分けている。何より、彼が演じる司会者が自身の仕事に強いプライドと自信を持っており、だからこその熱意が遂には犯人との呉越同舟に至るという流れが面白いのだ。また、待ちに待ったお仕置きタイムもしっかり用意されているので、カタルシスというか、溜飲が下がるというか、しっかり「スカっと」させてくれるのもポイントが高い。ラストの展開における後味には賛否が分かれるかもしれないが、あれ以外の落としどころも難しかったのかもしれない。







16位『ちはやふる 下の句』

カルタを題材に、つまりは「何かに一生懸命取り組むことが人の心を打ち、人と人とを繋ぐ」というド直球なテーマを見事に描き切った一作。前編にあたる「上の句」は凸凹チームが結成していく面白さとロジカルに戦う現代カルタの魅力が印象的だったが、後編「下の句」は主要3人のキャラクターが織り成す三角関係を導入に、主人公・ちはやの賢明さが「カルタの楽しさに気付いていない者」「カルタの楽しさから遠ざかろうとする者」の心をガシガシ変えていく構成。だからこそ、当然のように「上の句」とは少し毛色が違う仕上がりになっていて、そこに多少の物足りなさを覚えた人も少なくはないと思う(私もその一人)。

「上の句」に引き続き、アイドルの可愛さと女優の綺麗さを絶妙に併せ持った広瀬すずが、終始オーラを振りまいていたのが印象的だ。他の出演者も5年後くらいにはそれぞれ立派に主演を張っていそうなメンバーばかりで、よくもまあ、このメンバーで青春部活映画を撮ったなあ、と。数年後、この作品を観返した時に妙な感慨に襲われそうだ。

ただ、個人的にどうしても許しがたいのは、吹奏楽部の演奏シーン。話の流れとしては対立関係にあった吹奏楽部がカルタ部を激励してくれる感動のくだりなのだけど、演奏者の指の動きや姿勢が流れている音楽と全く合っておらず、ズレにズレにズレッズレだったこと。なぜよりにもよってこういうシーンで手を抜いてしまうのか…。







15位『デッドプール』

“あの「デッドプール」を映画にするとはどういうことか”という議題に対して、非常に真面目にやったな、という感じ。むしろ個人的には、アンサーがあまりにも真面目すぎてちょっと面食らったほど。だってデッドプールですよ、デッドプール。もっと作品の枠組みからぶっ壊してくる歪な仕上がりになるだろうと身構えていたが、完成物は恐ろしく綺麗に端的にまとまったラブストーリーだったという。いや、これはこれで良い。良いのだけど、もっと“狂気的な馬鹿さ”に振ってもよかったのかな… という思いは拭えない。(「四次元の壁突破」も、日本においては偉大なる手塚治虫からして割と頻繁に突破していた訳で)

とはいえ、その「綺麗にまとまったラブストーリー」は本当に綺麗に仕上がっており、それ自体にほぼ不満は無い。「デッドプール」という命名に辿り着くまでの人生と、あのレザー生地を着こんだヒーロー(?)の苦しみ。苦い思いと悔いる過去を自ら盛大に茶化しにかかることで誤魔化そうとする“かっこよさ”。それが本作におけるデッドプールのアイデンティティになっており、ただのお調子者ではない悲哀の側面が、ヒーローらしからぬ彼をよりヒーローっぽく魅せる。

『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』という黒歴史を安易に「なかったこと」にはせず、「同じ世界観の中で起きた歴史改変の結果、デッドプールは生まれ変わった」という結論に持っていったのは、力技ながら心底感服。加瀬康之が主演吹替だったのは、本当に嬉しかった。







14位『ズートピア』

「差別批判を叫ぶ差別されている側が無意識に抱いてしまっているかもしれない差別意識」という非常に突っ込んだテーマを恐ろしく可愛い動物たちで描くウルトラCな一作。事前の予告で「ズートピアの隠された秘密に近づいてしまったな!」的な話の筋をモロバレしていたので、いくらなんでも観せすぎでは… と恐る恐る鑑賞したが、実はそれが話の折り返し地点にも満たないポイントだったのでとっても驚いた。と、同時に、前述の「差別意識」に関するテーマがまるで原罪で殴ってくるかのような「ズルさ」で、この作品を観て素直に「あ~面白かった」となる“大人”はさてどれだけいるのだろうかと気がかりでもある。「真に差別のない世界」には、果たして「差別を意識すること」と「差別を意識しないこと」のどちらが近道なのだろうか。

そんな差別云々を除いても、「動物たちの大都市」というフィクション設定に対するアイデアがとっても面白い。肉食食動物・草食動物の共存にはじまり、生存環境の違いを解消するための街づくりから、背の高さ・頭の位置の異なる生物が共に生きていくためのインフラなど、「よく考えたな」「すげぇな」と呟きたくなる要素が盛り沢山。この手のアイデアが重なり合って“動物世界”という設定を強固にしていくのだな、と、ディズニー様々な想いが溢れる。







13位『劇場版 ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン』

田口監督渾身の「平成ガメラ2っぽい予告」にワクワクさせられてからの鑑賞だったのが印象深い。ティガ直撃世代な人間なのであの音と共にティガが登場するだけでグッときてしまったり、しばらく観ていなかった巨大夜戦だったり、好きな要素が多すぎて困るという、嬉しい作品だった。マイケル富岡の「ウザさ」がギリギリのところで調整されていて(彼のラストカットを含めて)、あんな事をしでかした割に愛されキャラな風味に落ち着いているのは凄いなあ、と。防衛隊×怪獣×ウルトラマンの大乱戦も唯一無二な映像だった。

ゼロは相変わらずのゼロだったり(ルイルイとの絡みがちゃんと拾われたのも良い)、ネクサスが遺跡の情景で戦っていたのが原典を思わせてウルっときたり、本当に細かなネタが多く楽しめる一本だなあ、と。メインの3ウルトラマンと3怪獣の対戦相手が捻ってあるのも興味深く、ひとくちに市街地戦といってもバリエーションの追求が成されていた。個人的にはX本編のようなお祭り感の強い感じを想像していたのだけど、思っていたより数倍は「どストレート」な内容だったので、新時代のウルトラ映画決定版としてマン世代・ティガ世代の人には是非観て欲しいと思う。







12位『スティーブ・ジョブズ』

彼の人生における特別な発表会“の、開始直前まで”を三度描くという、中々に意欲的な構成が面白い作品。この順位なのは私が単にマイケル・ファスベンダーの大ファンというのもあるのだけど、彼が本作で醸し出す「傲慢さ」「カリスマオーラ」「ダメな男」らの魅力は本当に輝いていたと思う。今や誰もが歴史の1ページとして知っている「Macintosh」や「iMac」。それらが世界に発表される直前に、何が起こっていたのか。大筋は彼の伝記を基にしているというが、流石にこう上手くイベントが連なる訳はなくて、しかし、「舞台裏というタイムリミットがある環境で彼のその時々の人生苦を描く」というアプローチは本当に面白いと思うのだ。

特筆すべきは、3つの発表会において使用しているカメラを変えていて、その時代に応じた画質に調整されていること。ザラっとした質感の80年代から、デジタル画質の90年代後半まで。その差を見比べて観るのも楽しかった。「天才の人生」というとオールタイムベストな映画に『アマデウス』があるが、芸術の世界に没頭するのも、IT技術の世界に入り込むのも、本質はそう変わらないのかもな、とも思ったり。







11位『ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー』


こんなにも「結末が分かっている映画」もそうそう無い訳だが、その分かり切った結末に向かってグイグイとお話の推進力が増していったのには本当に驚いた。前半はシーンの切り替えが多く、登場人物も知らない固有名詞ばかりを交わすので、「ん?ついていけるか?大丈夫か?」と思いながら鑑賞していたが、ビーチ戦からが本領発揮の作品であった。よく挙げられる「キャラ描写薄すぎ問題」だけど、確かにそう感じつつ、「でも彼らは本筋サーガからすれば明確な脇役なのでキャラを濃く描く必要はない」という論にも頷きつつ、かといってそれは「一本の映画」として観た時は何のフォローにはならないよなあ、とも考えたり…。『スーサイド・スクワッド』が狙ってしくじったように、もっとキャラクターを濃く描いて“アイツら感”を印象付けてからのあの結末というのも、アリだったのではないかな、と。

本筋サーガではどんどん破壊されていく帝国軍の兵器がこんなにも恐ろしいとは思わなかったし、あのベイダー卿がスター・ウォーズ全作の中でも随一なんじゃないかというくらいに驚異的な強さを見せつけたし(ラスト数分のあのシーンには鳥肌が立った)、まさかの出演や小ネタ、ファンサービスも盛り沢山といった、およそ「スター・ウォーズのスピンオフに期待されること」はしっかりやり尽したのかな、と。とはいえ、「あれがスイッチだ!」ジャーン!あからさまなレバースイッチ!!…なくだりとか、もうちょっとスマートにやれそうなシーンが散見されたのも本音である。

最後に。まさにこれを書いている2016年12月28日、女優のキャリー・フィッシャー氏が亡くなられました。謹んで哀悼の意を表します。


※※※


ということで、「EPISODE II」でした。次の更新は、明日、「EPISODE III」です。ついにトップ10に突入します。どうぞよろしくお願いします。


【目次】
EPISODE I(~21位)
EPISODE II(~11位)
EPISODE III(~6位)
EPISODE IV(~1位)


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