長崎大学教育学部教育心理学教室 前原由喜夫研究室の記録

教育心理学とその周辺分野の研究や情報の覚え書きです。心理学の知見を教育実践に活用する方法を考えていきます。

失敗から学ぶ「石橋をたたいて渡る」大切さ

2016年12月13日 | 仕事仕方考

長崎市内を流れる中島川に架かる石橋,通称「眼鏡橋」。川面に映る影と合わせて眼鏡に見えるのでこう呼ばれる。日本初のアーチ橋で,国の重要文化財にも指定されている,長崎の観光名所のひとつ。

卒論指導が佳境に入っています。長崎大学教育学部は卒論の提出が卒業年の1月末日と,かなりゆっくりなので,初稿を私が1月の上旬に確認すれば,学生はそれから余裕を持って最後の修正・加筆に臨めます。私は自分の研究室から卒論生を送り出すのは今年度が初めてなので,最初から最後まで卒論指導をするという経験も今回が初めてです。そういった経験の無さから,やらかしてしまいました・・・。

実験調査系の論文であれば,研究目的に沿った調査計画を立て,使用する材料を準備し,実際に調査を行ってデータを収集し,そしてデータを分析するという一連の流れが必須の作業となります。そのすべての段階を注意深く行わないといけないのですが,前のほうの段階でつまづいてしまうと,その後の作業がすべて無意味になってしまう危険が生じます。なので,前のほうの段階ほど教員と学生は綿密に打ち合わせを行い,質問紙を使うときにはその一言一句を一緒にチェックするくらいの手間ひまを惜しんではいけないと言えます。

しかし今回は,どこまでを教員である自分がサポートして,どこからは学生一人に任せるかを見誤ってしまい,自分がチェックすべき部分で手を抜いてしまいました。なかなか想定しにくいミスだったのですが,私がきっちり確認していれば防げたことは確実です。そのせいで追加の調査をしなければならないことになってしまい,当の学生にも調査参加者にも要らぬ負担を強いてしまうことになりました。迷惑かけました・・・反省してます。来年度からは確認の手間を惜しまずしっかりやっていこうと思います。

池田・三沢 (2012) は人の失敗に対する信念として,失敗は起こりうることだが(発生可能性),回避するに越したことはなく(回避欲求),失敗するとネガティブ感情に襲われるものの(ネガティブ感情価),その失敗から自分を成長させることを学べる(学習可能性)という4つの因子を見出しました。また,失敗からは学ぶことがあり,自分を成長させてくれると信じている人ほど,自己効力感が高く特性不安が低いことも示され,精神的に安定していることがわかりました。当たり前ですが,失敗から何を学ぶか,次にどう生かすかが大切ですね。

<参考文献>
池田浩・三沢良 (2012). 失敗に対する価値観の構造―失敗観尺度の開発. 教育心理学研究, 60, 367-379.
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