ゆきんこの萌え絵日記

「王都妖奇譚」の二次創作ブログです。
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紫陽花色の恋4

2017-06-12 | 王都

「晴明、ちょっと出掛けないか?」
「・・・」


涼しい朝を少し過ぎた頃将之は晴明邸を訪ねて来た、今日は朝一番の出仕から早めに戻っていた。
晴明の方も在宅での仕事を抱え出仕の方は控えていた。
将之の声掛けにちらりと机上の書類を見遣ったが折角のお誘いだったので此方は後程片づけようと身なりを整える。

何処に行くのかと思ったが将之が連れて来たのはそう遠くない山林の麓であった。
山間から流れてきた小川が優美な渓谷を作っている。
暑い日中もこうして山の中に入れば涼しい、さらさらと川は流れ新緑が眩しい。

毎日職務に忙殺されている晴明にはよい気分転換となった。
将之は何を言うでなく気持ちの良い山間の中を進むと少し開けた先にある岩場に座り込んだ。
晴明も又彼の隣に座る。

「・・・・・・」
「・・・・・・」

きらきらきらと辺りの空気までが新鮮で心地よい。

将之が二、三言今日の朝の出仕、内裏の様子などを話してくれた。
晴明も静かにじっとそれを聞いていた。

目が合うと将之はにこっと微笑んだ。

晴明は特に表情を変えずそれを見返す。

その後将之は清流に手を浸し暫し水遊びに興じた。
足まで浸け出しそうな勢いだったのを晴明が制止した。

少し薄雲が広がってきて二人は山を下りた。

岩の段を下ってゆく、最後の岩は少し高さがあった。
晴明は降り易いように少し装束の裾を上げた、一つ先を行く将之は平坦な地に着くと此方を振り返り手を伸ばした。

「-・・・」

手を差し伸べて来る将之の手を取る。

とんっと岩の段を降りると手を繋いだまま将之を見返した。
将之は何も言わず笑っている。
晴明はこの繋いだ手を離したくは無かった。


徐々に陰ってゆく曇り空の様に晴明の心も沈んでゆく。

将之に優しくされればされるほど辛いのだ。
何がこんなに自分の心を覆うのか分からない。

「・・・」

先程までは落ち着いた様子だったのに晴明は又も表情を曇らせている。
先日元気が無い様子だったので今日ちょっと連れ出してみたのだが・・・
晴明の事が分からず将之も困った。


夕刻、晴明邸ー

都に戻る帰りしな小雨に降られたので将之はそのまま晴明の館に寄った。
湯を借り簡単に清拭し装束を変える。
晴明も自分とは違う場所で着替えていたようだ、彼は側に居ない。

びかっ!がしゃん!!と轟音が轟く、落雷があったかと思うと途端ざーと激しい雨が降り出した。

「はぁ、危機一髪」

将之は母屋から真っ黒な空ときつく降り続く雨を眺めながら小さくそう言った、奥から晴明が姿を現す。


「ー!晴明」
「・・・・・・」

間に合って良かったよな、こんな雨に降られたら大変だった、とか色々話す将之を横目で見遣る。

今、こんな状態のまま彼を館に連れて来たくは無かった。
将之の話す言葉に碌に返事をしないままで晴明は彼に早めの夕餉と酒を出した。
将之は一つ礼を言うとそれらを有り難く頂戴した、晴明も静かに手を付ける。

半刻程ー


「なぁ晴明」
「・・・何だ」

お前、何かあったのか!?と唐突に聞かれて晴明は返事に戸惑った。

「・・・別に何も・・・」
「嘘つけ!お前何か変じゃないか」

不穏な空気が続いたのを将之は堪りかねて少し怒った様な少し拗ねた様な口調で言い放った。
将之がそういうのも無理はない、自分は先日からずっと不機嫌を撒き散らしている。

「・・・・・・」
「・・・・・・」

相手の立場になって考える―
彼の身になってみれば自分の態度の悪さも分かる―
晴明は一つ溜息をつくと将之に切り出した。

「・・・お前、私に隠している事があるだろう?」
「お前に!?」

晴明の憮然とした吐露に将之は物事が片付く切っ掛けが掴めたかのように一瞬明るい表情をして見せたが
その後は彼の質問に思いを巡らし顔を曇らせた。

困った顔で少し逡巡した後将之は何もない、と返答した。

「・・・そんなはずは無かろう・・・」
「でも今は何も動いていないだろう?鬼も出てないし左近衛府でも何も無い・・・」
「・・・・・・」

将之の思案を振り解く、晴明は些か冷たい態度で彼を制止した。

「・・・もうよい。お前にとって大した事では無いのだ」
「・・・・・・」

「お前にとっては私の事もどうでもよいのだろう」
「・・・・・・」

一頻り言い放つと晴明は一息に酒を煽った。

将之は返答の真理が計れなかったが彼が何かしかに怒っているのだけは分かった。

「・・・晴明、お前こそ何か俺に隠しているんじゃないのか?」

「-!?」

何をおかしな事をー!?
聞いているのは此方なのに何故将之が訊ねて来るのか・・・

嘲笑の笑みを浮かべてもう一度盃を取った晴明はその水面に映る自分を眺めてはたと気付いた。

そうだ、自分こそ隠しているのだ
彼への恋心をー


そこに思い至って晴明は静かに杯を置いた。


続く(^^;)

ええと、エスコート将之を書きたかった(*´▽`*)
将之が実際晴明相手にするのかは分からないが
原作中彩子姉にはしていたからいけるかな~と。





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