ユキだるまのつぶやき

歌う仕事の日常とインディーズならではの話あれこれ

オレンジと太陽

2017-06-20 14:38:16 | 音楽

何かと不幸続きのイギリス。

Netflixに「オレンジと太陽」というみずみずしいタイトルの映画があったので見てみるとビックリ。
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児童移民・・・。

なんて初めて聞く言葉だったが、特に19世紀からなんと1970年まで平然と行われていた、いわば組織的「イギリス版:安寿と厨子王」で、13万人ものイギリスの白人の子供がカナダやオーストラリアなどの新天地に強制的に移民させられる制度だった。

世界中にいち早く植民地を持ったイギリスは、産業革命やら、華々しいことが次々とあった半面、戦争孤児、浮浪児、未婚、貧困による出産、など、施設に収容しなければいけない子供たちがパンク状態で、流刑の地とも呼ばれた植民地オーストラリアに安価な労働力として、また白豪主義(植民地の住民と混血して世界を白人化するという理想)の担い手として、この子供たちを大量に送り込むことを、政府、教会・・・などの公がやっていたというわけだ。

そもそも親が育てられない事情あっての子供たちなので、親には「よい里親が見つかりました。」子供たちには「あんたの親は死んじゃったよ。これからみんなで燦燦と太陽の降り注ぐ、オレンジ食べ放題のステキな島へ行こうね」と双方を騙して連れ出すのは簡単な事。

何百人という子供たちを船に乗せて、遥かオーストラリアに送り込むわけです。

(この件、詳しく書いている方たちがたくさん居ます。例えばこちら。
http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20130114/1358150083

いくら偽善的にふるまっても、これは全く違法、かつ残酷な話。

昔だって大っぴらにできる話ではない。

だから、証拠として残るようなものはことごとく隠滅した。

それも何と1970年まで(!)行われていたことなので、その被害者(当時の子供たち。現在60代以降)には当然生存者もたくさんいて、これは、彼らの「失われた親探し」を手助けする現職の女性ソーシャル・ワーカーの軌跡を描いた映画だったのです。

ちなみに現在も彼女はご主人と共にトラストを立ち上げ「失われ親探し」をしています。

何しろ証拠隠滅しているので、彼らのルーツをたどるのは大変な作業なのだが、それ以上に、被害者の共通の体験(修道院の神父たちによる性的虐待、過酷な肉体労働、成長してからは何故かそれまでの衣食住に対しての費用を払い続けなければならないこと)など、知れば知るほど発狂しそうな事実が暴かれ、実際このワーカーは彼女自身の精神を病んだ時期があるようです。

この子供達にはイギリスからもオーストラリアからも補助金が出ているし、何分子供だから扱いやすいし、正に赤子の手をひねるように私腹を肥やし、利用したのでしょう。

映画の最後には子供たちが被害に会った、孤児院という名目のオーストラリア、ビンドゥーンの修道院の修道士たち(もちろん俳優が演じている)も登場しますが、彼らは修道士という名前の悪魔だと思った。

人間は不自然な環境に置かれれば、こんな悪魔になるのかなとも。

下手すれば最少年齢の被害者たちはわたくしと大した世代の差はないはず。現存しているのです。

こんなことがわたくしが小学校高学年時代に行われていたと思うと、卒倒しそうになる。

イギリス政府が正式に謝罪したのは2010年と言うから、更におったまげた。

何せ350年も公然と続いたというんですから、歴史というのは、あるいは情報の隠滅というのは、何と恐ろしいことだろうか。

それも福祉の充実で有名なイギリスで。

今イギリスで起きていることは、もちろん防がなければいけないことだけれど、もしかしたらそういう歴史の矛盾の流れの上に絡み合ってあるのかもな・・と、思ってしまいました。







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