周縁 小論

〜斜視でゴマメの歯ぎしり的なブログ〜

地方創生の九州講演にやってきて東京にトンボ返りする霞が関官僚。地方自治体に配るカネは3年間で3兆円

2016年10月15日 18時49分41秒 | 行政/政治

▽人口減少の歯止め策を地方自治体に考えさせるため、国が開発した地域経済分析ツールのRESAS(リーサス)。国、自治体、民間を問わず、国内の様々な統計データを集め、誰もが使えるようにインターネット上で公開している。そのツールの使い方に関する地域セミナーを、福岡市内で聴く機会に恵まれた。会場はJR吉塚駅東口に近い福岡県中小企業振興センター2階大ホール。500人で満席らしいが、ほぼ埋まっていた。地域セミナーは全国10都市で開かれるが、九州は福岡市のみ。内閣府地方創生推進室の職員2人が講師としてやってきた。

▽「こちら福岡にお邪魔するのは高校の修学旅行以来20数年ぶりです。当時と比べると、街も中々発展したなぁと感じます。2、3日、こちらに滞在してゆっくりしたいのですが、そうもいきません。終わったら、東京に帰らないといけないのです」。トップバッターで登場した40歳前後とみられる参事官補佐は、こう切り出して講演を始めた。

▽福岡市は九州一、全国5番目の人口集積地。そこを「20数年ぶり」に訪問した東京・霞ヶ関の官僚が、どれほど地方の疲弊を分かっているのだろうか。大切な地方視察の機会に恵まれたにもかかわらず、福岡空港とJR吉塚駅近くを往復しただけで東京にとんぼ返りする。

▽去る9月、岩手県の台風被害の現場を長靴も履かずに視察。復興庁の職員からおんぶされて水溜りを渡っていた復興政務官がいた。彼は官僚OBで消防庁防災課長も経験しており、国民の非難は倍加した。最近、そういう例があったにもかかわらず、参事官補佐の"脇は甘い"。「帳面消しで福岡にやってきた」と言わんばかりに聞こえた。

▽「おいしいサツマイモを食べて大きくなった九州のイノシシをジビエにして食べたくても、食品衛生法の規制でダメ」と参事官補佐。この下りの前には、捕獲したイノシシやシカをジビエ料理にするアイデアを、鳥獣被害に苦しむ地域で発案されているのを紹介した。「おいしいサツマイモ」と九州産サツマイモを持ち上げたのだろうか。聴いていて、背筋が寒くなった。

▽ところが、この参事官補佐は、全国の自治体に配る地方創生交付金の審査を担当しているという。地方創生関連予算は2015年度から毎年度1兆円、3年度で3兆円確保したと"権限"を誇示。「審査の段階で私たちが想定していなかった事業を自治体さんが提案されており、非常に参考になる。こういう情報を吸い上げて、官民共同でチエを絞っていかないと地方創生はできない」と話した。

▽3兆円もの巨額の税金を一介の参事官補佐が自由に出来るはずはない。ただ内閣府の募集に応じて自治体が提案した事業の審査に参画し、交付金の配分決定に関与しているのは間違いないだろう。

▽話は飛ぶ。地方創生推進のため、内閣府が佐賀県上峰町に文科省の女性官僚を副町長として派遣した。彼女は4月に副町長に就任し、6月末の東京出張中に"失踪"。その後、辞職願いを郵便で町役場に送ってきた。在職わずか3カ月。ワケがあったのだろうが、説明は一切なし。そのまま文科省に復帰した。

▽参事官補佐は「人材が不足している自治体には、大手企業の社員や国の職員を派遣して手助けしています」と話していた。恐らく九州の上峰町という人口9000人の町に派遣した女性官僚が、手助けどころか、“足手まといになった”のは知らなかったのだろう。知っていたら、堂々と「お困りの自治体には優秀な人材を2年程度派遣します」とは言えなかっただろう。

▽東京と地方の格差が拡大するにつれて、地方にやってきて、上から目線的にモノを言う霞が関の官僚や大手町・丸の内で活躍する“民僚”が増えている。これでは地方創生など出来っこないだろう。参事官補佐が、上峰町の副町長に就いたら、どんな仕事をやってくれるのだろうか…。

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