アキマ

70代女性のブログ

Y先生へ

2016-12-20 13:26:58 | 日記
夫が、念のためにと受けた検査の結果の出る日だったので、私も病院へ同行した。
病院は、以前、私が胆嚢摘出手術を受けたところ。
8ヶ月ぶりにやってきたのだが、懐かしいというより、むしろ、気持ちがざわつく。

私はあの時、2週間ばかり入院していた。あの時の心もとなさ、不安な気持ち、怖さ・・・・、が蘇る。

夫の結果は、思ったとうり、異常なし。 良かった。

会計を待つ間、私はふと、かっての消化器内科の待合室へ、足を運んでみた。
何時もと変わらぬ、待っていらっしゃる大勢の患者さん達、番号を告げる、コール。
かっての、私の担当医だった、Y先生のネームプレートが、ドアの一つにかかっている。
ああ、今日は、先生の外来の日だったのだと思った。
先生は、近く、郷里の医院を継ぐべく、病院を退職されることを、私は知っている。

最後に、もう一度お会いしたい。でもー、それはできない。
ドアの前に、佇んでしまったー。

その時、ふいにドアがあいて、一人の患者さんが出ていらした。
一瞬、その人の肩越しに、先生の横顔が見えた。懐かしい顔だった。
このシーズンは、何時もマスクをしていらっしゃる。白いマスクに、印象的な目、前髪が額に少し乱れているー。

ほんの一瞬だった。ふたたびドアは閉まり・・・・。
私は、心の中で「さようなら」といっていた。

5年の長い間お世話になり、私を元気にしてくださった先生である。いつも、真摯に私を迎えてくださっていた。
礼を尽くしたかった。せめて、言葉を届けたかった。
でもー、そのすべがないのである。

先生は別に、ご存知なくていい。
私が、ドアの外にいたなど、知るよしもなくていい。
私は、ひっそりと、ひとりお別れをすることができた。それでいいー。と自分に言い聞かせた。
私にとっては、先生はひとり。でも、先生には、私は多くの患者さんのひとりなのである。
覚えていてくださるとは思うけれど、私の思い込みかもしれないー。

それにしても、今日、私がここに来なかったらー、
先生が外来日でなかったらー、
そして、あの時、ドアが開かなかったら・・・・。
私は偶然にも、今こうしてここに、会いに来てしまったのだった。

一瞬でも、お会いできて良かった。
心からそう思った。

もう一度言う。「さようなら」と。

Y先生 ありがとうございました。


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