イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

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カマン・カレホユック考古学博物館開館式

2010-07-13 17:27:30 | 

7月のトルコの大地にはひまわり畑がどこまでも広がります。

トルコの首都アンカラから100キロあまり、中央アナトリアのクルシェヒル県にあるカマン郡に日本の中近東文化センターが1985年以来発掘作業を続けているカマン・カレホユック遺跡があります。1998年には付属機関としてこの地に「アナトリア考古学研究所」が設立されました。所長の大村幸弘氏のご著書「鉄を生みだした帝国―ヒッタイト発掘」(NHKブックス)には、永年にわたるトルコでの発掘の様子が生き生きと描かれており、考古学素人、歴史音痴の私をもわくわくとヒッタイトの世界へと導いてくれます。以前日本の日土協会の総会で大村氏の講演を聴く機会があり、その素朴で誠実な人柄と、壮大なヒッタイトへの想いに感動したものです。



中近東文化センターの現総裁である三笠宮寛仁親王殿下はよき理解者でいらっしゃり、何度もトルコへツアーを率いていらっしゃったり、スポンサー獲得にもご尽力なさっていました。このカマンの地に日本政府の一般文化無償資金協力約4億3600万円を投じて「考古学博物館」が建設され、7月10日に開会式が行われました。JIKAD(日本イズミル文化交流協会)もツアーを催行しようという案があったのですが、色々な理由で断念。





私が以前住んでいたチョルムはかつてヒッタイト王国の支配下にあり、ヒッタイトの遺跡が多くありました。ボアズカレやヤズルカヤ、チャタルホユックなどを日帰りで訪れることができました。日本が発掘作業を続けているカマン・カレホユックはチョルムからも少し遠かった為、いつか行きたいと思い続けていた場所です。今回の開館式はまたとないチャンスと思い切って出かけることにしました。





土曜日の早朝4時にイズミルを出発、カマンに到着したのは約12時間後の15時半過ぎでした。開館式は18時開始の予定です。会場準備がトルコらしくのんびりと続いているので「アナトリア考古学研究所」に併設する「三笠宮記念日本庭園」を散策しました。開会式に訪れた村人達もたくさんいます。目が合うと微笑んで「いらっしゃい」「こんにちは」と声をかけてくれたり「ほら」と何も言わずに手に持っていたバジルの葉をくれたおばちゃんもいました。


「カマンの夕日」を指揮する神津善行氏。


博物館入口でテープカット。

トルコの文化観光省エルトゥールル・ギュナイ大臣に続き、三笠宮寛仁親王殿下、彬子女王殿下が日本からのツアーご一行とともにご到着で式が始まりました。
まずは日本、トルコ両国の国歌斉唱。行事の前にトルコの国歌を聞く機会は何度もありましたが異国の地で聞く「君が代」は初めてでした。大臣と寛仁親王殿下の祝辞に続き、「トルコ共和国大統領府交響楽団」によるコンサート、博物館開館テープカット、博物館見学、パーティで開館式は終わりました。


博物館見学に殺到する人達。




手で触れることのできる展示物もあります。

招待客500名が小さなカマンの村に集まり、ずいぶん華やかで盛大な開館式でした。村の人達はピクニックにでも来た様な気安さで楽しんでいたようですが、子供の頃から発掘作業にかかわり今ではウスタ(職長)になって後進の指導にも当っている村出身の人々や若き日本の考古学者たち、そして大村所長の功績無しにはなかったであろうカマンカレホユック考古学博物館の開館であるはずなのに、彼らの紹介はなく姿もほとんど見られなかったことが唯一残念に思いました。



コンサートの最後にトルコ初演として演奏されたのは神津善行氏作曲の「カマンの夕日」と言う曲でした。会場を後にして広大な景色の中を車で走っているとちょうどカマンに夕日が沈んでいきました。







カマンの町にはこんな道路標識も。「PRENS MIKASA CADDESI(三笠宮通り)」
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28 コメント

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Unknown (Andi)
2010-07-14 00:20:46
Yukacanさん+メフさん、長旅お疲れ様でした。一緒に行けなくて残念でしたが、感動的なレポートを読ませていただき、感謝です。日本とトルコの交流がまたひとつ、こういう形で実ったことは本当に嬉しいですよね。

メフさんによろしく。
素晴らしい! (AYA)
2010-07-14 03:32:43
yukacanさんいらっしゃったんですね!
ニュースでカマン・カレホユック遺跡の発掘のことを知ってから、いつか行けたらいいなぁと思っていました。開館式に参列されたなんてよかったですね。
ただ、yukacanさんも書いてらっしゃるように、四半世紀にわたって黙々と発掘を続けてこられた関係者への称揚がなかったというのはやはり残念です。本当の功労者を讃えてほしかったです。
博物館はこの丘の地底にあるのですか?

(ひまわり畑も素晴らしいですね!)
おつかれさまでした。 (ぷなるじゃん)
2010-07-14 04:05:15
すごい!行ってきたんですね。

今週末だと思っていたらもう終わっていたんですね。
なんか、ボケボケで・・・。

カマンへは二回行ったことがありますが、
えらく閑散としていたなぁという記憶しかないです。
でも、人が少なくてのんびりできたので、
カマンの印象はとてもいいです。

Andiさん (yukacan)
2010-07-14 06:24:08
どうもありがとうございます。かなりハードな旅となり、道連れにしなくてよかったと思いましたよ。無償援助ってすごい金額ですよね。大村先生の情熱が実を結んだのだと思います。
もう帰ってしまわれるのですね。最後にお目にかかれずに本当に残念です。次にお目にかかれる日を今から楽しみにしています。
AYAさん (yukacan)
2010-07-14 06:27:29
二人ともmanyakだなと言いながら行ってまいりました。かなりハードでした。もう少しゆっくりと博物館の見学をしたかった。
村の人達が、もっと主体となって開館式に参加出来ればよかったのになあと思いました。トルコのお役所はそんなこと考えないのかしら。
そうです、博物館、このhoyuk様のところに入り口があります。
ひまわりきれいでしょう?どこまで行ってもひまわりだらけで、ああ今年もひまわりの種は豊作かなと思いましたよ。
ぷなるじゃん (yukacan)
2010-07-14 06:29:46
行ってきましたよ。前日まで迷っていたのですが、突然決心して出かけました。でも行ってよかったです。アンカラからでも結構ありますよね。ギョルバシュの辺から道路工事がすごかったですが、あれはネヴィシェヒルへ抜ける高速なのかしら。アンカラも外から見ただけでしたがずいぶん変わったように見えました。
私もカマンの町はいいなあと思いました。
Unknown (cake)
2010-07-14 10:57:57
この博物館がオープンした事、三笠宮殿下が(彬子さまの方がメインでしたが)開会式に出席された事は、新聞で知りました。TVのニュースでは取り上げたのでしょうか。多分皇室ニュースでまとめて放映されるのでしょうが、伝えてくれることは少ないですね。日本も随分と文化的な物に思い切って援助したと思いました。新聞での内容に、紀元前3000年頃に栄えた国家として載っていましたが、トルコは本当に何が埋まっているか判りませんね。歴史の深さには、かないません。同じ頃の日本はまだ縄文の時代でした。
開会式ではおエライさんが表に出ていますが、これからの運営や発掘にしても、地元の方達が中心になって行きますよね。その為の施設なのだと思います。これからもますます重要な遺物が増えますように。
Unknown (とも)
2010-07-14 15:33:50
片道10時間もかかった事になるのかな、それはそれはカチンコチンにハードでしたね。すごい行動力です。お疲れ様でした。

三笠宮様はがんやアルコール中毒で何度も入退院を繰り返されたのですが、写真では顔色もよくお元気そうですね。

ひまわりすごいですね。これ、種はばら撒いただけなのかしら。そうだよね、これだけたくさんの種、いちいち一粒ずつ埋めてられませんものね。我が家のひまわりもつぼみをつけ始めました。
cakeさん (yukacan)
2010-07-15 05:24:39
この土地の下に眠っている歴史の深さに比べて、トルコとしての歴史はたったの90年弱、それに比べると日本の歴史はすごいですね。
「日本年」と言うこともあって大々的に観光文化省が開館式を担ったのだと思いますが、中近東文化センターが中心になっていれば、もう少し地元の人達が主役になれたんじゃないのかなあと思いました。トルコの人達にももっとヒッタイトのすばらしさをわかってもらえる機会になればいいのですが。
ともさん (yukacan)
2010-07-15 05:25:17
休憩含めて片道約12時間かな。トルコは広いです。久しぶりに雄大な景色が見れてよかったです。
三笠宮様は満身創痍ですね。でもご立派です。あんな暑い中で汗ひとつかかずに・・・。殿下もかなりの移動をしていらっしゃっているのに疲れた顔も見せずに、皇室って大変ですね。
種は機械でまいたのでしょうかね。どこまでもどこまでもひまわり畑が広がっていました。
ヒッタイトロマン (Akko)
2010-07-15 16:15:09
yukacanさんの繊細な視点、素敵な写真を楽しみにブログ訪問しています。ヒッタイトの素朴で洗練された不思議な造形美を思い出し、ぜひいつかカマンを訪ねてみたいです。発掘調査に労苦をそそがれた功労者のこともyukacanさんが紹介してくださり、うんうん、とうなずき共感!貴重なレポートをありがとうございました!
Unknown (そふぃー)
2010-07-15 20:14:20
ご無沙汰しています。
ひまわり畑、圧巻ですね!!雲の形も、とってもステキです☆
またまた歴史と地理の知識を授けていただきました。
ありがとうございます。
暑い季節の、長時間の移動、お疲れ様でしたね^^
Akkoさん (yukacan)
2010-07-16 06:57:38
お元気ですか?毎日暑いですね。どうもありがとうございます。ヒッタイトの遺跡って意外とマニサの辺にもあったりして、いかに広範囲を支配していたのかがわかります。ヒッタイトのことだけでももう少し勉強しようかな、と思っております。こちらこそ過分なお言葉ありがとうございます。
そふぃーさん (yukacan)
2010-07-16 07:00:14
ご無沙汰しているのは私です。ひまわり畑すごいでしょう?畑がパッチワークみたいに美しくて数うちゃ当るかも?と何枚も写したのに全滅でした。そふぃーさんのカメラセンスをご教授下さい。
長時間の移動、大変でしたー。でもあの景色を見ることができるならまた行ってもいいです。
向日葵いっぱい (ちさと)
2010-07-17 08:26:53
すごーい!向日葵がいっぱいだー
どこまでも続くきれいな景色ですね。
三笠宮殿下はいろいろと体調を崩されているのにお元気そうで…それに殿下の道があるなんて!きっと殿下もトルコへの思いがたくさんあるんでしょうね。
とっても面白そうな博物館ですね。最近では触れる博物館が人気があるようで日本にも触れる博物館や水族館が多くなりました。
Unknown (不思議な世界旅行)
2010-07-17 20:37:43
今回は国内の長旅ですね、どうもお疲れ様でした。
フットワークが軽いですね。

カマン・カレホユック遺跡は初耳でしたが、日本の調査隊が長年腰をすえて調査を続けているそうですね。関係者の努力に頭が下がります。
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200810040085.html
Unknown (はり猫)
2010-07-18 02:36:03
お久しぶりです。なかなかコメントする機会が無くてごめんなさい。それに、いろいろあって、ひっそりと生きてました。
中近東文化センターは学生時代の思い出の場所です。それで懐かしくなって一言書きたくなりました。
ではまた
ちさとさん (yukacan)
2010-07-18 07:39:32
ひまわりは圧巻でした。こんな風景が360度広がっているのです。ちさとさんや夏菜ちゃんにも見せたいなー。
三笠宮様、満身創痍といった感じですよね。皇室の方は皆さん本当に大変だと思います。
殿下はトルコの宣伝隊長でいらっしゃいます。
この日は、あまりにも混雑していて暑くてほとんど見ることができなかったので、いつかゆっくりと見に行ってみたいものです。mikiさんの家からならそんなに遠くないんだけどねー。
不思議な世界旅行さん (yukacan)
2010-07-18 07:43:57
あら日本ですか?どこかへお出かけかと思っていました。本当に行こうと決めたのは前日のことでした。だんだんトルコ化しています。
教えて下さったリンクの記事を見ても、あと30年は必要だと書いてありますが、大村さんの一生の仕事になりそうです。運命の出会いだったのでしょうが、やっぱりこの真摯な姿勢や、地元の人を大切にしていることなど、日本隊ならではだと思います。
はり猫さん (yukacan)
2010-07-18 07:45:11
お久しぶりです。お元気ですか?中近東文化センターはジャガイモ科の近くだものね。どんな思い出があるのでしょう。いつか聞かせてくださいませ。
初めまして。 (オパール)
2010-07-20 17:41:25
初めまして。突然コメントしてごめんなさい。7月10日、私も日本から、こちらのカマンの開館式に行っておりました。「カマン」で検索したら偶然ヒットして立ち寄らせていただきました。
この日、暑かったですね~。アンカラからの道路、工事で渋滞していて、時間通りに着くか一瞬焦りました。
それにしても、殿下のスケジュール、とてもハードなものだったと洩れ伺っておりました。同博物館の開館へのご尽力と共に、その熱意とご努力には敬服しました。
あ~、それから、ごく個人的な事ですが、カマンではぐれたうちのガイドさんがお写真に写っており、「ココにいたのか!」と唸っております(爆)。
オパールさん (yukacan)
2010-07-20 23:53:21
初めまして!ご訪問&コメントどうもありがとうございました。あの会場にいらっしゃったのですね。本当に暑かったですねえ。アンカラの道路、渋滞していましたか。私はアンカラを通らずに少しわき道から来たせいか、工事中でしたが渋滞はしていませんでした。寛仁親王は満身創痍で本当にご苦労様だと思います。彬子様は日本へ先にお帰りになったのだそうですね。大村先生の情熱と寛仁親王のお父様から続くご理解がこの博物館開館の大きな功労者ですね。
ガイドさんが、カマンではぐれたんですか!どこで合流したんでしょう。ここで見つかってよかったです(?)。トルコの印象はいかがでしたか?お暇な時にまた遊びにいらして下さいね。
yukacanさまへ (オパール)
2010-07-22 11:45:35
初めてのコメントにレスを有難うございます。他の記事も改めて読ませて頂いておりますが、大変楽しく、またちょこちょこ寄らせて頂きたいと思っております。よろしくお願いいたします。トルコへ行く前に読ませて頂いていたら良かったと残念です。きっと旅が一味違ったものになっていたでしょう。素敵なブログですね。
去年初めてトルコに行ったのですが、イズミルも素敵だし、チョルムは、今年、カマンの後に泊まったのですが、豆菓子が良かった!
カマンの博物館の竣工式の時、村人たちが披露したというフォークロアダンスを見られるかと楽しみにしていたのですが、今回は無しでちょっと残念。またいつか行きたいものです。
オパールさん (yukacan)
2010-07-23 06:42:39
再びコメントどうもありがとうございます!今回は二度目のトルコ旅行だったのですね。もしかしてトルコにはまってしまいましたか?チョルムにもいらっしゃったのですね。なんだか嬉しいです。ヒッタイトに興味がおありなのかしら。チョルムの豆菓子=レブレビですね!夕方になると豆を炒る香ばしい匂いが漂ってくるんですよ。博物館の竣工式にはそんなダンスの披露もあったのですか。私も見たかったです。博物館ゆっくりご覧になれましたか?私も駆け足で通り過ぎただけなので、ゆっくり見に出かけたいと思っています。
紹介ありがとー (ヒッタイト大ちゃん)
2011-02-26 20:40:55
こちら東京三鷹、応答願います…
日本のさぶ冬の中、会議、会議の試練に耐えて、ロマン忘れぬヒッタイト。なんちゃって。三鷹のヒッタイト学者です。Twitterも始めましたので見てね。

ヒッタイト大ちゃんさん (yukacan)
2011-02-27 07:18:15
はるばる三鷹から、会議会議の試練に耐えてのご訪問&コメントをどうもありがとうございます!会議は26日のカマンカレホユック調査報告会に備えてでしょうか?里帰りに合わせて報告会にも参加してみたかったのですが、今回は予定が合いませんでした。残念!Twitter見てみますね。
ぎんぎらぎんの太陽と肉が足りないー (ヒッタイト大ちゃん)
2011-02-27 15:58:51
会議とは、ただの事務関係でーす。ひげの兄貴のようなタフさがないもので・・・・。ストレスと残務とホコリがたまる一方。耳栓をして、おいしいコーヒーと本をよみつつ現実逃避中なう
ヒッタイト大ちゃんさん (yukacan)
2011-02-27 20:28:17
今日も会議なのですか?ぎんぎらぎんの太陽と肉ならやっぱりトルコでしょう!
ホコリでは死なないけれど、ストレスはためないようにトルコへの逃避をおすすめいたします。ひげのお兄様は日本にいらっしゃるのですね。

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