イズミル便り

IZMIR'DEN MERHABA

KURBAN BAYRAMI(クルバンバイラム=犠牲祭)

2006-01-09 12:56:37 | イズミル暮らし・イズミル案内
KURBAN BAYRAMINIZ MUBAREK OLSUN!

先ほど電話が鳴ったので出てみるとしばらく間があって「ワタシハ○○デス」と言うたどたどしい日本語が…。なんと水をかけて見送ってくれた友達が「もういい加減に帰って来い」と電話をくれたのでした。「ワタシハ○○デス」は出発前に電話するから書いておいてと言われて本気にしないで書いたものでした。感激~!!!

今年の1月10日から4日間はクルバンバイラム(犠牲祭)と言ってイスラム教の祝日になります。持てる人は羊や牛などをイスラムの法にかなったやり方で屠り、貧しい人や近しい人と分け合います。
この時季になると全国から犠牲用の牛や羊を一定の場所にテントを張って業者が売りに来ます。そこで買った動物を自分でまたは肉屋さんが解体します。
TVでは犠牲用の動物が凍死したとか、搬送中にトラックから逃げ出しそれを写そうとしたカメラマンが牛につぶされたなどと言うニュースをよく見ます。
また「よい動物の見分け方」「動物を楽に倒す為の方法」などを専門家が教示したりしています。

数年前まではアパートの庭や広場で解体する風景が普通に見られ、町中に牛や羊達の悲鳴が響いていたそうですが最近は大きな都市では禁止されて一定の場所でしか屠ることを許可されなくなったようです。
羊は一人分の犠牲、牛は7人まで共同で屠ることができるとイスラムで定められているそうです。

そして最近は大手のスーパーで「犠牲動物あります」としてマーケットの前に動物を用意し、買いに来た人はその中から気に入ったものを選んで、祭日中のどの日の何時に屠ると予約をすると当日は希望の数(その人が配る戸数)に切り分けて箱詰めまでしてくれると言うサービスを始めました。
夫の叔母さん夫婦が、昨年マーケットに依頼、そこでは羊を扱っておりキロ当たり7,60YTL(約580円)でした。叔母さんたちも肉付きのよい油の少なそうなのを選び、係りの人が売約済みの番号を羊にスプレーで書き支払と引き換えに予約表をくれて商談成立となります。
そのマーケットだけでもすでに3900頭の羊が売約済みということでした!

 犠牲になることも知らず…。

叔母さん夫婦はバイラム2日目の受け取りを予約していました。バイラム2日目は毎年雨が降るのだそうです。それはクルバンたちの血をアッラーが洗い流す為だとか。

当日マーケットのクルバンコーナーでは予約の人どうぞどうぞ!と勢いのいいお兄さん達の声、予約表を渡すと運命を悟った叔母さんちの羊は抵抗しながら引きずられ切られる列に並ばされました。残酷だとか気持ち悪いとか言わせない見事な手際のよさで次々と羊達が犠牲になって行きます。お兄さん達は笑いながら鼻歌歌いながら・・・。首を切る人、皮をはぐ人、内臓を出す人頭を落として中身を取り出す人、内臓を分ける人、最期にお客さんに肉の塊を渡す人、見事な連係プレイでした。この能率のよさ、とてもトルコとは思えなかった。

 見事に清潔な連携作業。

まず首を切る時にアッラーの名前とか切らせる人の名前を唱えなければならずそこに切ってもらう人が立ち会わなければならないのに叔母さんの旦那はなんと叔母さんを残して姿を消してしまったのです。(気持ち悪いから)
これにはほんとにびっくり。叔母さん仕方なく立ち会っていましたが失神しそうだと言ってました。
でも私はあまりにもきれいな仕事ぶりと、犠牲になってくれた羊達を見届けなければと思ってしっかりと見守っていました。