yukaの読書・音楽・旅行日記

好きな本や曲、旅先での出来事などを、マイペースで綴っていきます。

フローラ逍遥

2017-07-29 | 読書

 青函連絡船と函館から、ふと、題名の澁澤龍彦氏の随筆集を思い出しました。

 私が函館へ出かけた時は合歓の木が花盛りで、五稜郭等でふっさりとした独特の花を、しげしげと眺めていました。特急“白鳥”の沿線でも、津軽海峡の青い海を背景に、合歓の木が何本も咲いていました。澁澤氏もたぶん私と同じ時期に北日本へ出かけ、合歓の木が印象的だったので、ご自宅の庭にわざわざ植樹しています。函館へ出かける前に題名の本を読んでいたので、名所に劣らず合歓の木に目が行ったのかも。このような花(国立研究開発法人森林総合研究所九州支所HPより)で、芭蕉の俳句にも詠まれた夏の季語です。

 フローラと題名にあるので、合歓の木以外にも様々な植物が登場します。時期が早いですが、コスモスもこの本に出てきます。今はすっかり日本の風土になじみ、田舎の景色の一部にもなっているこのコスモスですが、日本への伝来が意外と早いのを、この本で初めて知りました。

 三島由紀夫氏が舌を巻くほどの博学さで知られ、“世界悪女物語”“毒薬の手帖”等、ある意味過激な著作も残されていますが、こちらは安心して(?)読めます。“世界悪女物語”に目を通した時も感じたのですが、澁澤氏は読みやすい整った文章を書かれます。“フローラ逍遥”は後期の本らしいですが、一つ一つの植物への優しいまなざしまで感じられる佳品です。

 今の時期なら、合歓の木以外は向日葵と朝顔についてのエッセイが収録。和歌集と並んで、季節が巡るたびに読み直したい本です。

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2 コメント

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澁澤龍彦は素晴らしい・・・ (Eki-MAJO)
2017-07-29 18:56:55
yuka様、こんにちは。

澁澤龍彦は私も大好きで、河出文庫で揃えていました。
懐かしい思い出。

私は、『世界悪女物語』や『異端の肖像』、黒魔術や錬金術の話が好きでしたね。

ヨーロッパの知らない世界を教えてくれるのは、あの頃は澁澤龍彦だけだった。
三島由紀夫と耽美友達で、凄い・・・

ただ、ヨーロッパどっぷりの澁澤氏が、晩年には「もう、日本にしか興味がない」と仰って・・・
私は「えぇ~っ、そんなぁ」って感じでした。

今は分かる。
私も日本にしか興味がなくなりつつある。
この国に生まれたことを感謝。そしてこの国を守りたい。
沖縄から北海道まで (yuka)
2017-07-29 20:33:51
Eki-MAJO様、こんばんは

澁澤氏は鎌倉に住んでいたので、晩年は足元の鎌倉を含め、この国そのものへ目が向かったのかも。海外も登場しますが、“旅のモザイク”はなかなか面白かったです。この本には北海道の流氷や阿蘇山等、日本各地の風物も登場します。

自然ひとつとっても、なかなかバラエティに富んだ国だなと思えます<日本

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