今年も、登山のシーズンになりましたが、
遭難は嫌ですね。
高校時代に、生物部の授業で、
夏休みに、尾瀬の長蔵小屋を拠点に、
植物観察学習をすることになり、
教師や先輩の山岳部員から、
講義でノートをとり、衣服は何を何枚用意するか、
靴は何を、靴下は羊毛と綿で、ゆったりと足首相当上まで有る事、
どのようにリックに詰めるか、
リックの背負い方~軽い物を下に、重いものは上に、
暖は新聞紙と、雨具は、当時は大きな油紙を沢山用意し、
衣服を包み、余分に持つ物は、雨天時の被り物用に持ちと。
こんな風に思い出すと、なんとまあ~~~~
この授業を受け、夏休みに長蔵小屋を拠点に、
尾瀬を満喫した事が、
後年、勤務の合間に登山をする事になったのです。
残雪から新雪まで、尾瀬には5回ほど、
どの山へ誰と行き、どんなことが有ったかを、
全て思い出せるほど、登山の魅力に取りつかれました。
井上靖の「氷壁」に魅せられた山の興味を抱くようになった若者が、
車時代に入ったこともあり、
カッパ橋への道は渋滞になっていました。
登山の前に、車で山道を登るのに疲労してしまう状況で、
リックやテント、シュラフまでが、車で眠っている間に、
相当高い場所まで登れる道路が、開発?開通しました。
ある時は、白馬の湖の近くで、顔を洗いながら、
腕時計を落とし「あ~あ・・・内緒」下山しましたら、
後ろから来た、パーティーが「先へ行ったパーティーの女性のだ」
当時は、女性はあまり登山していないので、
時計が帰ってきたのです。
この時計は、傘寿の今も命の恩人なので、
大切にガラスの箱に入れて保存してあります。
登山は、朝3時頃から歩き始め、
太陽が高くなる頃には、縦走から山頂に到着し、
午後に入ったら、下山してテントに入り、
翌日の用意をして就寝し、翌3時から又登るのです。
車で山の下まで行くようになってから、
山の途中から歩くので、
ウオーミングアップをしないで、運動をするような状況になりました。
一度、谷川岳を下山する時、予定を30分遅れたら、
頬に冷たい風を感じて、振り向くと、
さっき降りてきたはずのトマノ耳が見えなかった、
こんな経験がありました。
樹林の中なので、じっと動かず助かりましたが、
山の天気は地上とは違い、下からや左右から変わり、
中高年の方々が登山をされますが、
充分準備し、慎重に出かけてほしいです。
登山は、街歩きの延長ではなく、立派なスポーツです。
40歳の時、涸沢の近くにテントを張り、
根雪の上に立ち、晴天に映えるジャンダルムを仰ぎ見ながら、
「これを最後にしよう」と涙も覚えながら、ゴルフに転向しました。
身体の衰えだけではなく、
仕事が深夜になっても帰れない程になったのです。
幸い遭難はありませんでしたが、
尾瀬でも、平地のように周囲が見えるのに、
同行者が見えない程の笹の中に入ってしまい、
しかし、教わったように、じっと静かに周囲を見渡しながら、
声をかけながら、深呼吸もして下山できました。
当時は、今ほど木道が長く、そして沢山ありませんでした。
本年も沢山の登山者があるでしょうが、
遭難されないように、準備は怠りなく、
休憩を取り、焦らないで楽しんでほしいものです。