主婦&薬剤師ゆうこの ワガママにっき

主婦&薬剤師のふたつの顔を持つ
変なおばちゃんの日常を気の向くままに綴ります。 

波瀾万丈の人生~調剤薬局とドラッグストア

2013年01月13日 09時37分04秒 | できごと

ゆうこは成り行きで…

薬学部卒業→大学病院研修生→都内某病院(小規模)→地方病院(中規模)→会社(分析業務)→専業主婦→ドラッグストア(地方の小さい会社→買収されて大きい会社→登録販売者の出現でリストラ)→友人の誘いで調剤薬局

とバラエティに富んだ職歴になっちゃった。


ココヤクのカキコミを読んで思い出した。ドラッグストアはネタの宝庫。

調剤薬局の仕事はまじめにやらないと顰蹙(ひんしゅく)を買うし、服薬指導なんて堅苦しいネーミングのやり取りも「ですます調」じゃないとダメらしい。はあっ。なんていうかゆうこには向かない気がする。まじめに堅くって部分が。

見た目は充分堅物で「学校の先生ですか?」と聞かれることが多い。娘の小学校入学式には「うちの子も会場に連れて行ってください。」と教師に間違われ、PTAの行事では「先生はあちらの席ですが。」と言われて。
見た目では調剤薬局向けですが…実はそうじゃあないんだな。

ドラッグストアは面白い。客層も幅が広いし取り扱い品目が多い。
薬剤師が主役!って感じ。やりがい実感!
営業ノルマはキツイけど楽しんでしまえばどうってことないし。

だったはず。登録販売者出現のおかげでリストラの憂き目に遭い…。

でも、ドラッグストアの仕事は大好きだよ。
お客様のよろこぶ顔やありがとうの声がとてもうれしいし、ディスプレーの工夫で売り上げ目標を達成できたときは満足だし。自分で自分を褒めてあげておいしいお酒飲めるしね。主婦じゃなければ若い社員さん連れて居酒屋で祝杯ってとこかな。

調剤薬局の人に言わせるとOTC担当は格下だという。実際ツルの店では調剤部の人間はお高くとまってとっつきにくい人が多かった。中には積極的に調剤室から出てきてOTCの売り上げに貢献してくれる薬剤師さんもいるけど、たいがいは処方箋来ないのに調剤室にこもりっきり。調剤部とOTC販売部の間に鉄の壁か深い溝が出来てる感じ?そんなんだから全員リストラされたんだろうね。たぶん。なんだか仕事しない人と同じに見られたことがしゃくに触るけど…。「先生なら一類バンバン売ってくれるよね。隣町の店舗で夜間と土日おねがいできないかなあ。」見方を変えると能力を認めた上での打診でたまたま私情と合わなかっただけだったのかも…。もしもいじめ問題がなければ子供が高校生と中学生なら土日勤務は不可能じゃないし。…って今更何言ってるんだか。でもお客さんが多数訪れる条件でどれくらい能力を発揮できるかは一度やってみたいとは思ったけどね。娘の将来のほうが大切だったんだよ。母親だからさ。

あこがれの存在はあこがれのままのほうがいい。
あこがれていた有能な店長はただのガミガミおじさんだった。
あこがれの調剤薬局は実際に勤務してみると過酷だったりする。
ゆうこはスタートが大学病院研修生だから怒られ慣れてるし修羅場をたくさん見てきた。病院では常に死と隣り合わせの状況が日常的に繰り返される。調剤薬局とは比較にならないほど現場は過酷だ。でも、何も起きない日もあって外来がすいている日もある。

調剤薬局で一度勤務してみたいと思っていたけど正社員以外は取らないと思い込んでいた。
調剤薬局だって経営が大事。薬剤師の人件費があれよあれよと高騰し払いきれる額を超えてしまったら人件費を抑制しないといけなくなって当然。だから法律に触れない部分は薬剤師以外にさせて薬事法に触れる部分は薬剤師にさせる。しかも患者様の数は曜日によって偏りがあるので混む日は人数を多く、すいている日は人数を少なく組む必要が生じ、というわけでパートが重宝される。扶養範囲内のパートならば福利厚生費(社会保険料、厚生年金料などなど)もかからずにすむし、業績が悪化したら人数を減らすことも出来る。社員さんはクビにしたら違法行為になるがパートは契約が切れたからと言えばそれまで。3ヶ月ごと自動更新のところが多いのもそう言う理由だろう。

ちょっと脱線したけど調剤薬局は一人薬剤師だと拘束時間が長く荷が重い。
二人以上だと人間関係が難しい。

処方箋に関して言えば患者様とのやりとりの中で先生には言えなかった事を打ち明けるケースが結構あって、処方内容ではマズイケースもあったりする。
とくにめまいに関してはメリスロンが処方されているのに立ちくらみだったり低血糖だったりするし、痛みがないのにロキソニンが何ヶ月も続いていたりする。問い合わせればいいじゃんというけれど、ドクターの処方は絶対で疑義照会はいちゃもんとしかとらえない古風な考えの医師がまだまだたくさんいるのだ。病院薬剤師が間にたってくれればいいが薬剤師の地位はそこまで向上してはいないしドクターと対等に渡り合える様になる前に若くして辞めていくのが実情のようだ。

最近のクリニックや最先端の考えを持つドクターならば薬剤師と手を組んでよりよい医療の実現のために努力するけど、メーカーとの癒着とかなんやらかんやら大人の事情でお互いに敵対心を抱いているばかげた人々は未だにいるんだ。多額の儲けがからむから医者VS薬剤師は永遠のテーマなのかもしれない。

そんなんだから処方箋に疑問を感じても口入れできるのはほんの一部で患者様の要望に添えないことが結構出てくる。そのギャップをなんとか埋めるようにあの手この手でがんばってるって感じ。
「他の先生に診ていただいたらいかがでしょう?」セカンドオピニオンは患者様の権利のはずなのにドクターに気を使ってしまうのは日本人ならではの感覚?

ドラッグストアならば自分の意志でアドバイスし、薬を選ぶとか受診勧告するとか自由にできる。でも、患者様に投薬された薬の中には重複していたり不要なものが入っていたり、必要なものが入っていなかったりすることもある。
疑問を感じて飲まない人もいるし、主治医に申し訳ないと無理して飲む人もいる。何のための薬かわからないってケースもあったりする。
アドヒアランスだのコンプライアンスだの論じる前に患者本人から実情を聞き出すって事忘れちゃってるんだよ。で、尋問するから「飲んでます。」とか「わかってます。」とか本当のことを話してくれなくなる。変なの。
でも、残念ながら調剤薬局に勤務するからには長いものには巻かれないといけないし、杭もくぎも出てはいけない。簡単に言うと「余計なことは見ざる、言わざる、聞かざる。」自分の仕事をそつなくこなし、調剤はひとつも間違わず、必要な事を簡潔に伝え、必要な情報を上手に聞き出す。コレは簡単そうで実はとても難しい事。信頼していない相手にホンネは打ち明けないし、病院で疲れたのに薬剤師ごときにいちいち説明をしないといけない事にムカツク人は多いから。だって嫌じゃん。具合が悪いのに何回も説明するの。

ぶっちゃけ調剤薬局の業務のありかたには問題があると思う。それは長い歴史の歪みでもあり厚生労働省の医療費削減のあおりをくらってる部分もあり、机上の理論を無理矢理あてはめようとする行政のやり方に従わなくてはいけない国民の悲しさでもある。

薬は適正使用しないといけない。そのためにはどうするか?
薬学部6年制はスタートしたけれど、実務実習にしてもなんにしてもお粗末に感じるのは私だけではないはず。

それでも日々業務に励まなければいけないんだよね。だってそのための国家資格なわけで。

理想と現実のはざまで揺れる薬剤師はたくさんいると思う。
その一方で患者の気持ちを全然気にせず自分の都合で服薬指導をする薬剤師もたくさんいるのが現実。
薬局を選びたくても「門前」=クリニックの前にある薬局 に処方箋を持参するよううながされる場合が多いし、わざわざ他に持って行くのは面倒くさい。
都市部ならばドラッグストアの調剤室に持参すればいいんだけど、地方の調剤室は閉局に追い込まれてしまって薬剤師さんがいないのが現状。

医薬分業といいながらチェーンの勢力争いとかここでも大人の事情が多々あるらしい。

ピュアな気持ちで新生活のスタートを切った6年制卒の方々は今どうしているんだろう?とふと気になった。夢敗れて辞めちゃった人も結構いるんじゃないかなあ。

なんていうか学生の時に描いた世界とは大きく違っちゃってて大人の世界ってえげつないなとか、理不尽だとか思っちゃうよね。
それがね、半世紀も生きてごらん、どうでもよくなるっていうか面倒くさいっていうか。修羅場はもちろん何回も裏切られたり騙されたりするし、子育て経験すると忍耐強くなるし。
ぶっちゃけお金いただけるんだからその分働かないと申し訳ないという気持ちのほうが強くなる。お金がないと子供を東京の学校に通わせることができなくなるし。(ばあちゃんに出してもらうのでは申し訳ない。)

理想はドラッグストアで活躍したいけど、現実は違ってそれでも最大限に努力を惜しまずがんばるのがゆうこには合ってる気がする。

さて今週末は勤務先の年に一度のお楽しみの新年会。
宴会芸を頼まれたからドラえもんの着ぐるみ借りて何をしようかな…。
人を楽しませることが大好き。それはとても大切な事で今失われつつあること。後輩に伝えられることは全部伝えて引退の日を迎えたい。そのためには健康に気を配り無理は禁物。
最近うれしいことに患者様に名前を覚えてもらって話しかけてもらえるようになったこと。一般の方にとって薬は身近な存在とは程遠く、病気に対する知識や意識は意外に低い。だからこそ医者にはききにくいけど薬剤師のおばちゃんになら聞きやすいから聞いてみようって大事なんじゃないかなあ。薬剤師は薬の専門家であると同時に身近な存在になっていけたらステキだと思う。そうすれば飲み忘れちゃったけどどうしようとか、残った薬はどうしたらいいとか飲みにくいけどなんとかならない?とか気軽に聞いてもらえてコンプライアンスの向上につながるし、治療効果もアップするかもしれない。
自分が何をしたいか。それがみつかったんだから毎日がんばれそうだな。
職場の雰囲気はみんなで作るもの。年配者はみんなが気持ちよく働けるよう配慮できるから職場には絶対必要なんだよ。なのに今の社会は能力第一なんてばかげた事言っちゃって。

能力って何なんだろうね?学歴?収入?役職?
そうじゃないと思う。

人間はね、ひとりでは生きられないんだよ。日本独特の伝統文化の中にはいいものもいっぱいある。持ちつ持たれつ。捨てる神あれば拾う神あり。
大切な物は家族であり、仲間であり、ともだちである。
意外とね大切な人って空気みたいだからいなくならないとわからない。
職場の良さって辞めてみないとわからない。それは経験してみてはじめてわかるんだよね。良さがわかったころその職場は有刺鉄線の中だったのさ。
病院だって簡単に倒産するし、調剤薬局だって閉局する。そんな経験なかなかできないよ。いいんだか悪いんだか…。波瀾万丈の人生だったんだ。実は。
へえ。気がつかなかった。夢中で。







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薬剤師さんとして (KAYAU)
2013-01-14 00:48:46
たぶんゆうこさんは、ご自身の元々のご性格と、成育されたご環境と、波瀾万丈の今までがお有りだったからこそ、患者さんのお気持ちや患者さん側に立つことが出来て、患者さんの体調がより良くなるには…?と専門知識を動員して下さる薬剤師さん、なんだろうなぁ…と思っています。

ところで。
既にご存知とは思いますが、先週末に最高裁判決が出て、インターネットでの薬剤販売は違法とはいえない、ということになりましたが、薬剤師さんとして、どう思われますか?

実は、某公共放送局の0:00からのニュースは、ちょっと変わっています。
自局がインターネットで流しているニュースを取り上げ、ツイッターと連動しているので、いろいろな意見が出ているのを取り上げたりしながら、専門家を招いたり取材チーフを招いたりして進行していきます。

意見は、インターネットで気軽買えることの不安や、薬局やドラッグストアが地域にない場所や、外出が難しい高齢者は便利になるのでは、ということの他に、「じゃ、薬剤師さんの役割って、どうなるわけ?」というのがありました。
私も、このニュースを知った瞬間、考えました。
医薬分業のこと、薬剤師さんの業界のこと等を、ゆうこさんのブログで、教えていただいていたようなものでしたから、思わず考えました。

良かったら、判決を読んでいただいて、ゆうこさんの思われたこと、お考えになったことを、記事にしていただけたら、と思います。患者になる側としても、勉強したいと思っています。
長々と、申し訳ありませんでした。

では。
また、遊びに来させてください。

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