この猛り狂う程の荒々しさは過酷過ぎる程の自然環境に生き抜く為に順応した姿なのだろうか??まるで生きる事は戦いなのだと言わんばかりの姿にただただ敬服、小さな僕はこの巨大な洞杉の前でただ立ち尽くすしか脳が無い。
北陸道魚津インターより片貝川沿いに上流へ約20km、途中枝道ダートもあるが山走りに慣れた僕には何の無理も無く走れる道路が目と鼻の先まで続いている。
片貝川は北アルプスの峻険な峰を駆け下りる豪雪と暴れ川として知られているようだが、道筋の谷川はこの時期殆ど白い大きな石で多い尽くされているようも見えた。
県道132号線別れから程なく、蛇石橋を渡るがその左手崖上に巨大で異常な姿の巨杉が谷川にせり出しているのが見える。
このような姿の杉を見るのは初めて、まるで椎類の古木のような樹姿で、巨石を足元に抱えて急峻な崖から、のたうち回るように身を乗り出している。
真近に近づくのは困難な地形ゆえ正確には解らないが目通り約6mはあるように見える主幹はまだまだ若々しくさえある。
しかし何の案内表示板も無く全く名無しの権兵衛のようです。
この辺りは片貝川水系の農業と電力事業の守護神である片貝川の龍石(蛇石)をお祀りして居る龍石祠のある場所で少し広場になっている。
由来についての案内表示板です。
ここから南又谷洞杉群生地までは約1.5km、しかし車を動かすや否や前方崖上に松の老巨木かと見紛う樹姿の巨杉が現れる。
杉がこんな姿なのかと疑いたくなる。
やっぱり根元にはしっかり岩を抱き抱えて根元部が以異常に発達しているように見える。
やっぱり目通り約6mというところか??まだまだ若々しく元気そうに見える。
南又谷、斜面の群生地最大の洞杉、固有名詞もそのまま「最大洞杉」、大石を根元に抱えて荒々しく猛り狂うようにも見える。
なんと表現したらよいのか写真の方が雄弁に語ってくれそうな気がする。
2004年6月に計測されたもので「最大洞杉」は樹齢約500年以上、株立(幹4本)の幹周合計30.18m・高さは推測で15mから30mだという事です。
しかしこれが単木なのか合木なのかは判断がつかない。
ひとまわり廻れる範囲で周囲を廻って見るが角度によってその姿を著しく変えてしまう。
裏杉の激しさや伏上台杉の奇形さもさる事ながらこれほどの激しい生命力の杉はついぞ見たことが無い。
洞杉(どうすぎ)と呼ばれるのはここ片貝川上流に自生している立山杉の代名詞に成っていて、この地で生き抜く為の杉自身の適応力か?巨石を根元に巻き込み、台石を強力なその根で囲み融着接合を繰り返し生き抜いてきたのであろうか??
それが出来ない固体はここでは生きられなかったのではなかろうか??
散策路入り口付近にある二本の洞杉です。
京都北山で見た伏状台杉に良く似ている。
樵や猟師が、急を凌いだという大きな岩屋の上にも洞杉が聳えています。
あっちの岩の上にもこっちの岩の上にもと言った感じで・・・・。
遠くから見ると穏やかに見えるが・・・・、近づいて根元から見上げると、荒々しい力強さと、やがて滅びゆくであろう枯淡さも同時に感じずには居られない。
片貝川川岸近くの巨大な洞杉が下から見上げると、イソギンチャクが触手を伸ばしたかのように聳えている。
やっぱり根に大きな石を抱き込んでいるのか根上がり松かシンパクのようにも見えたりもする。
これは目通り約11mとか??
周りの山は黄葉真っ盛り、直ぐに過酷な雪がこの巨杉達をも呑み込むのだろうか??
車載カメラの画像から・・・・、群生地入り口辺り。
南又谷付近。
撮影2009.10.31
それはともかく
命の相克といいますか
命の咆哮といいますか
まさに
眼前にすれば
ただ立ち尽くすしかないような
そんな一樹ですね
圧倒されました
ここの画像は悪いけど通常もっと良い画像で駒落しできます。
まあ、記憶呼び戻すメモ帳代わりにも成っています。
それはともかく。洞杉、戦うことが最大の防御だと言わんばかりでした。
凄いものが存在するんですよね。
自然が過酷であれば有る程・・・・・。
通常2輪駆動のセダンもまったく問題なしだと思います。
ただ今年の異常気象で山の荒れ方は事前に調べて行かれたほうが良いと思います。
行き着く先までダートはありません。
すごく良いですよ是非とも出かけて大地の自然の力を感じてください。