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質 量 共 に

2016-09-12 07:52:10 | Weblog
異次元規模と自称する金融緩和

の第一弾が

国の政策として実施されはしたものの

その効果は四年目の半ばに達した



でさえ

所期の効果を生み出せずにいる


この低迷状態の継続維持が

デフレ化への逆走を止められない

相変わらず無様な状態を

未だに続けさせている


この経過それ自体の存在が

インフレ目標達成の否定

を意味する絶対的証明

になっている


脱デフレを成就せしめた

とすることができるためには

金融引き締めと呼ばれる

政策金利の引き上げが

間髪を入れず

即日実施へと移されていなければならなかった


政策金利は通例

0.25%

または

0.5%の幅で

直ちに引き上げられていない限り

インフレ基調への転換と見做すことは

できない


現状を眺めると

質的緩和が一向に機能せず

量的緩和へと横滑りした

というだけでなく

マイナス金利さえ導入せざるを得なかった

という状況に鑑みることなく

インフレ目標の達成が

今尚

停滞しているために

緩和余地が十分ある

と日銀の利益代表がと強調し続けている

その姿こそ

愚の骨頂の最たる姿


インフレの証明ではなく

デフレの証明にしかなっていない

甲斐のない

余りにも無様で粗末な経過が

インフレ目標の達成を

相変わらず

遠ざけたままにすることを許している


金融機関は己の収益を

マイナス金利で圧縮され

融資を拡大することが

最早できなくなってしまった


倒産件数を先月から増加させた

とするその事実は対策の有効性

を明確に否定する


潤沢な資本を市中へと供給し

以て

経済活動を活性化する

という名目で導入されてきた

日銀の緩和政策は

流動性のダイナミズムを

金融機関自らが

堰き止める事態へと遷移し

資本効果を減殺して

企業による経済成長に強い制動をかけ

デフレ経済の状態を

より一層強固なものにして

再現させた


景気の浮揚効果など一向に現れず

GDP成長率は

低回する一方

の状態で推移し続けている


通貨供給量を

毎年80兆円ずつ高めていながら

日銀と政権が共に目指すインフレ経済

への転換は

四年目の今年になっても

五里霧中

先の見通しが立たない


問題認識能力のない指導体制が

流動性の厚みを増やして得たその結果が

現状となって日本経済へと残された


アベノミクスは計画段階で

頓挫することが

夙に分かっていた

確たる根拠の不明な

経済再生プラン

に過ぎなかった


この国の知識階級は

経済に関する

基礎的な認識を

未だにもてない

教科書がなければ

状況を認識することすら

できない


90年四月のバブル崩壊にすら

三年間経っても気づかなかった

という過去の事実は

最も雄弁な無能の証明


問題認識能力が欠けていただけでなく

論理的な分析も

行っていなかった

というそのことが当時

失われた十年に先行した

不作為の三年

と呼ばれる時代を

現代史に刻み付けさせる結果を生んだ


この粗末な経過に学ぶことが

指導者たちに何一つできていなかった

ということが

失われた十年を

倍の二十年へと

拡張させたその理由


一連の効果のない歳々のその経過が積み重なって

デフレ経済への突入を

その間に急がせた

対案として登場した

政権を甦らせるためのアベノミクスに

失速した経済の再生を

根拠なき金融財政政策に縋らせて

判断停止の四年

と呼ぶべき時代へと突入させた


経済半可通がこぞって犯したその罪

について責任を取ろうとする誠意など

未だに窺えない

ほどのノー天気が

この国を

AS No1と呼ばせせて喜ぶ姿は

見事にあはれ


問題を自覚していないからである

救いがたい日本のこの現状に

国民はこれからも苦しみ続けることとなる


日銀はその他の選択肢

というものを

当初から用意していなかった

緩和政策を続けることしか

要するにできなくなっていたのである

状況を劣化させてきた主犯は

政府及び日銀だったのだが

その取り巻きの身勝手な期待

というものが

マイナス金利の導入を

急がせた

見栄っ張りな自民党総裁



日銀総裁の到達点

が不毛なものであることは

背景を承知している者の目には

はっきりと見えていた


エコノミストに経済学の知識があっても

経済力学に関する理解能力は

ゼロ

経済学は過去の事実とその経過

を跡付けて論理展開する

ことを目的として発達してきた学問分野

経済力学はというと

生きている姿のままの実体経済

を扱う資本の論理が生み出す

その基礎構造とそれが生む論理展開

の上に成り立っている断面の走査

を現象学的に行うことで

余知と予測に基づいた実現可能性

を検討する研究分野


この違いを弁別していない経済半可通が

過去にあった日本の成功体験から

実績優位の価値観の上に

最も無難な措置

を単純化して選びとった

というのがアベノミクスの正体


実績のない経済政策に飛びつくほどの豪胆さ

がこの国から失われて

既に久しい

その結果毒にも薬にもならない

凡庸な経過だけが

ぽつねんと一人

市場経済にとり残された


経済認識能力の欠如を証明するものとして

財務官僚の目論見通り

なりふり構わず

消費税率を強引に引き上げた

ということがアベノミクスの離陸を

妨害する最大の要因となったのだったが

更に高い税率の適用を

法律で強制的に実施しようとしたその政権が

経済低迷を自らの手で長引かせて

デフレの証明でしかない金融緩和を

補強するためのマイナス金利さえ

導入させたとする過去の経過が

指導体制がもつ

経済認識能力の欠如

というものの存在を

結果としてよく物語っている


公共工事で経済が活性化できていたのは

交通インフラが未整備で

寸断されていた

高度経済成長期前までの

戦後復興の時代

に限られる

社会資本の充実が進んだいま

公共工事でインフレ経済を

独善的に導く

などということは

既に不可能なことでしかない


穴を折り返すだけの工事を繰り返しても

単なる無駄

損失を単に積み上げるのみ

有効需要を生み出すことができていなければ

どのような経済政策であったとしても

損失の規模を高めるだけとなる


この国の財政は

失われた二十年を閲していたその間に

急速に劣化してしまい

債務残高は五倍以上の規模へと

たちまち悪化してしまったのだった


この国の負債総額は

千兆円をはるかに超える債務へと達し

まだ生まれていない

後代の国民へと

しっかりと残されることとなったのである


高等教育は底辺の能力のソコアゲに

間違いなく寄与したのだったが

反対に思考力を失わせて

指示待ち世代と呼ばれる一群を

はしなくも世に生み出す事態を生んだ


自らの判断に自信がないと

決断することが容易にできなくなる

知識の量的拡大に特化した教育が

思考訓練を省いて

知識量重視の純粋培養種

を大量に産み落とす時代を引き寄せた


思考力が不在だったのだから

止まらない温暖化が

自然災害を増悪させてしまったのであり

インフレ目標を遠ざける一方の

アベノミクスが

知識階級の大多数を

不正な経済政策に執着させて

緩和政策を

誰にも止められない状態へと

一途に追い詰めた


問題の本質は

教育の劣化

それ自体の裡にある

知識の使い方を

正しく教授しなければ

誰もその活用法に気づけない

多数派となった指示待ち世代が

民主主義の分母を形成するようになったとき

質の劣化という

国会の迷妄を自覚できない選良を量産することなり

そこに寄生する

省益の拡大にしか関心のない官僚

の再生産を同時並行的に急がせた


諸悪の根源は

教育制度の質的劣化

にあったのだ

均等な教育水準の達成を目指すより

個に備わる差異能の賦活

をこそ支援すべきだったのである


教育レベルの向上は

国民を互いに競わせることで

資本の一部を教育産業へと集約させたが

受け容れ側の企業に

社員として育成するための

余裕は既になかった

人材の活用に失敗した企業が

社会問題化した犯罪の被告となる

複数の事例が

このところ相次いで報道されている

その事実

に国民は謙虚に学ぶ

必要がある筈だ

一人で何でも分かるようにする

自立自尊を目指してきた高等教育が

互いに助け合う必要性を

結果として排除した

何故なら

知識の量を競う進学システムは

周囲の全員が敵となる

制度とならざるを得ないからである


己にない特技を持つものは

今では苛めをするための理由を与えられ

煩悶する時代を経て抵抗力を

自ら手に入れてきた


環境と経済の両面に

同時に作用する時代を

今日へと連れてきた高等化

を目指すための偏差値教育が導いた

その結果が民主制の劣化を経て

国民の暮らしへと反映される時代となった

貧困の公平化というこの現状が

その結果
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