暘州通信

日本の山車

◆06673 三熊野神社の禰里

2009年10月11日 | 日本の山車
◆06673 三熊野神社の禰里
静岡県掛川市横須賀
三熊野神社
□祭は四月上旬。
□汎論
 一本柱山車
 掛塚市横須賀の旧城下にある三熊野神社の祭には、「禰里(ねり)」が曳かれる。一本柱山車の古型を継承していて、「一本柱万度型」といわれ、かつて江戸の町で曳かれた練物の伝統が受け継がれている。祭は通称遠州横須賀祭とよばれ、享保のころ、遠州横須賀藩西尾隠岐守忠尚の命で、家臣が江戸の祭をつぶさに江戸の練物を見て、江戸の囃子とともに遠州横須賀にうつし、練物を禰里として江戸のお囃子にあわせて曳くようになったといわれる。お囃子の伝習には相当の日数がかかるはずで、定着するまでは遠州から江戸に出向き、あるいは江戸から横須賀に招聘してまなぶということがあったようであるが、詳細を伝える記録がない。「三社祭礼囃子」は静岡県の無形民俗文化財に指定されている。 「万度」は「萬燈」のことで、山車の基臺に「心源棒」とよぶ一本柱を立て、花飾をつけ、上に萬燈(万度・まんど)がとりつけられ、さらにその上に依代となる人形が飾られる。
 江戸の町からあいついで練物が消え、かつての江戸の練物は、いまは浮世絵や絵画などで見るのみとなっているが、掛塚市の例にあるように、江戸の往時をしのぶ山車(練物)「禰里・ねり」が、かつて江戸の町で曳かれた「練物」は、一本柱の山車であったことを実証しているといえよう。現代に伝わるのはきわめて貴重である。



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1 コメント

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掛塚市? (野村)
2017-05-14 00:40:32
三熊野神社は静岡県掛川市 横須賀《旧 小笠郡大須賀町横須賀》に有ります。

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