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一日一書 708 卵・萩原朔太郎

2015-10-09 14:45:11 | 一日一書

 

萩原朔太郎「卵」全文

 

半紙

 

 

 

  卵

 

いと高き梢にありて、

ちいさなる卵ら光り、

あふげば小鳥の巣は光り、

いまはや罪びとの祈るときなる。

 

 

 

不思議な詩。だけど、なんなく分かるような気もする。

 

小鳥の卵が高い梢の巣の中で光っている。

その透明で、高貴な光りを前に、

人はみな自らの罪を感じるのだ、ということだろうか。

 

朔太郎の詩集「月に吠える」には

こうした罪の意識が至るところにあらわれている。

 

 

 

 

 


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