プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

阪神大震災でのアスベスト被害調査

2014-12-24 12:42:27 | 日記
 阪神大震災で被災した建物などから飛散したアスベストによる被害の実態を、NPO法人「ひょうご労働安全衛生センター」や神戸大・立命館大の研究者らが調査しました。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 神戸、西宮、芦屋などに1995年から2年間居住、或いは通勤・通学していた3万戸対象にアンケート調査を実施、「震災との関連は不明だが、可能性は否定できない」方が22名、アスベストを吸う事で発症する疾患を抱えていました。(内、中皮腫は1人)研究者によると、「回答者の1%に疾患があるというのは通常の発生率よりかなり高い印象」とのことです。
 
 当時の大気の状況としては、「非常に粉塵がひどかった」、「いつもほこりっぽかった」とした人は計63,7%、しかし防塵マスクなど粉塵対策をしていた人6,7%に過ぎず、特に何もしていなかった人が41,1%だったとのことです。当時、ガレキを積んだトラックがカバーも掛けずに走っており、粉塵がまき上がっていたとのことです。

 また兵庫県が行なった、(当時の)環境庁や市町とのアスベストの飛散状況調査では、震災直後は住宅街など一般的な環境でも、「通常よりやや高い濃度の飛散が確認され」(担当者)ており、神戸市須磨区の男性は、「街には常にガレキのほこりが舞っている状態で、・・・あらゆる人が吸っているはず」だとのことです。

同「センター」によると、(一般の方でなく)震災の復旧作業によって中皮腫を発症したとして労災認定されたのは、2008年以降4名です。中皮腫は「閾値」がありませんので、僅かの吸引でも発症する可能性があります。震災から19年、潜伏期間は数十年と言われていますから、一般の方への今後の(こうした)調査がさらに重要になってくると思います・・・

P.S. (同アンケート調査では)アスベストの危険について「全く知らなかった」25,4%、「聞いたことはあるが良く知らなかった」34,2%と計6割近い人がアスベストの危険性を余り認識していません。また将来の健康不安も「ほとんどない」38,4%、「全くない」7%となっています。心配しても仕方ないわけですが、まだまだ実態すら分かっていないアスベスト被害、その危険性が周知されればと思うのですが・・・

P.S.2 東日本大震災後の2011年6月から、環境省は被災した8県の解体現場やガレキ置き場などでのアスベストの飛散状況を調査、(閾値がないのですから、基準など意味がありませんが)7ヶ所で国の「基準」を超える濃度のアスベストの飛散が確認されています。しかしNPO法人「東京労働安全衛生センター」による被災者への聞き取り調査では、アスベストを含むガレキや建物があると「知っている」人は半数以下、被災時にマスクを付けたことがある人は3分の1余りだったとのことです。同センターは、「アスベストの名前は知っていても、身近に存在することや危険性への理解は不十分なまま」だと指摘しています・・・

P.S.3 国土交通省の推計(実態すら分かっていないということです)では、アスベスト使用の可能性がある民間の建築物は、全国で約280万棟で、(現在も危険ですが)約15年後には解体のピークを迎えるそうです。しかも1万6,000棟でアスベストの(容易に飛散してしまう)「吹き付け」が確認され、その内1,000棟は除去などの飛散防止対策がすんでいないとのことです。(どちらも危険ですが)放射性物質よりも、(私は)アスベストの方が怖いです。一刻も早く対策を講じて欲しいと思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年12月24日)

南相馬市の「特定避難勧奨地点」解除

2014-12-22 10:23:32 | 日記
 伊達市、川内村に次いで、特に放射線量が高いホットスポットである「特定避難勧奨地点」を、「線量が指定の基準を下回った」として解除することを住民(152世帯)に通達しました。(参照・引用は『朝日新聞』)

 国は同地区を10月末に指定解除する予定でしたが、住民から「不安」との反発が強く延期されていました。昨日開かれた住民説明会でも、測定地点以外にも線量が高い所は多い」、「健康被害が出たら責任は持てるのか」など解除延期を求める住民の声が相次ぎましたが、「現線量でも健康被害は考えにくい」として解除を「通告」しました。

 今月28日に指定は解除され、月10万円の「慰謝料」は3月末に打ち切られるとのことです。線量20mvはチェルノブイリでは強制避難に当たる高線量です。その放射線汚染地域に住民を「強制帰還」させるとは、独裁国家だった旧ソビエトでもしない所業です。同地区の区長は、「まだまだホットスポットがいっぱいある」、「解除すべきではない」と訴えています。道理だと思います・・・

P.S. 豊島の産廃(自動車のシュレッダーくずや古タイヤなど)は、今年11月末までに推計92万トンの全量の78%をやっと処理したそうです。1日約330トンの産廃を船で直島に運び、焼却・溶融しスラグ化します。そのスラグは行き場もなく直島にうず高く積まれているそうです。(確か)これまで13年、17年3月が住民側との約束の期限だそうですが、まだ3年以上は掛かるでしょう。昨年は地中から廃液入りのドラム缶も多数見つかったそうです。これまで掛かった費用は570億円。(まだまだ掛かります)豊島の産廃問題は、裁判が終われば解決したわけではありません。まだ続いているのです。そして、直島の汚染や(無害と喧伝されてはいますが有害な)スラグの最終処分と、問題はまだまだ残っているのです。しかも、「自動車社会」が生んだ産廃問題、その根幹(自動車とそれを利用する社会)は何も変わってはいないのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年12月22日)

専門家会議「報告書」の虚実

2014-12-20 11:49:38 | 日記
 放射性物質による被曝の健康影響について、健康対策を検討している環境省の「専門家会議」が、「中間報告書」をまとめました。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)同会議は、「原発事故こども・被災者支援法」に基づき、福島や近隣県の住民への健康支援を提言するために、昨年11月に設置されたものです。

 同「報告書」では、被爆によってがん全般の罹患率が統計学的に明らかに増加する可能性は低い」と結論付けました。しかしながら、がん全般のデータが出ていない段階で、統計学的なアプローチができるはずもなく、何を根拠に「がん増加の可能性が低い」と結論付けたのかが分かりません。只、一部の子どもは「甲状腺がんのリスクが増加する可能性が理論的にはある」としましたが、「可能性がある」のは当たり前で、チェルノブイリ事故後の事例や報告によって、子どもだけでなく多数の甲状腺がんが発生していることは、「理論」などではなく「事実」です。

 この甲状腺がんの対策について「報告書」では、「福島県の(甲状腺)検査を継続するべき」だとした上で(*この点は賛成です)、「がんの増加の有無と被曝との(因果)関係を科学的に分析できるような枠組み(*どういう枠組みでしょう?)に改善することが望ましいと指摘」、そのため、県外への転居者のフォーローアップを含め臨床データを確実に収集できる体制となるよう国は福島県を支援するべき」だとしています。

 「県外への転居者のフォーローアップ」と「国による福島県への支援」は当然必要なことだと思います。しかし、転居者のデータと(日常的に放射性物質に被曝している)地域に住み続ける住民とのデータを収集したからといって、被曝とがんとの因果関係が分かるわけではありません。放射性ヨウ素は早い段階で放射線を出さなくなりますから、甲状腺がんに関して言えば、初期段階の被曝が問題で、初期被曝のみの住民と被曝し続ける住民との間に有意な「差異」があるとは思えません。

只、転居することで初期被曝後の追加被曝を免れることによって、追加被曝を強いられる住民と転居住民との間では、(実際、低線量に長期に晒されることで、チェルノブイリではそうでしたが)他のがんや様々な疾患の罹患率に「有意」な差が出ると考えられます。ですからその意味でも、転居者の追跡調査とデータ収集、そして比較によって被曝とがんや他の疾患との「因果関係」を証明する貴重なデータとなり得ます。(是非、フォローすべきです)

 (半月以上前でしたかNHKニュースでは)同会議の「報告書案」では、「今後も検査を行って、被爆した子どもたちと、被曝していない子どもたちと比較するなどして、放射性物質による影響で甲状腺がんが増加するかどうか継続して調査していく必要がある」とあったのですが、この点が「報告書」では消えています。(以前も書きましたが)放射性物質による被曝とがんや他の疾患との「因果関係」を明らかにする為には、被曝していない住民との比較が必要です。実態を解明するために、疫学調査は不可欠です。しかし、国は絶対に疫学調査はしないでしょう。同会議の「報告書」を見ても、被爆による影響は見られない、という姿勢です。

 さらに「報告書」では、同「支援法」が国に求めている、被曝に起因する子どもや妊婦の病気の医療費の減免について(私は全ての住民の被曝による疾病の治療費を無料にすべきだと思いますが、その為には因果関係を証明しなければいけません)、(*根拠もなく)「起因する病気が起こるリスクは低い」として治療費等については触れていないそうです。(上記の因果関係を認めない)「姿勢」からして、住民の疾病に対しては(今後、明らかにがんや他の疾病が顕現して来ない限り)今のところ何もしないということのようです・・・

P.S. また、福島近隣県の健康対策に関して「報告書」は、「個別の健康相談をする」とし、甲状腺検査などを(慎重な意見が多かったそうで)実施する「意思」はないようです。検査をすることで、さらに甲状腺がんの子どもたちが見つかることを恐れているのだと思います。福島県での検査で見つかった子どもたちの甲状腺がんも、被曝との因果関係は県も国も否定していますが、やはり疫学調査を実施しない限り、それはあるともないとも「証明」できないものです。甲状腺検査については、少なくとも福島県外のホットスポットだけでなく、少なくとも年間追加被曝が1mSvを超える地域の子どもたち(当然初期被曝量も多かったと思いますから)検査を実施すべきだと思うのです・・・

P.S.2 チェルノブイリ事故後には、放射性ヨウ素による被曝の「実測データ」が豊富にあるのに、日本では殆どないことに非常に「意図的」なものを感じます。最初少し実測ていますが、その後中止しています。余りにも「恣意的」です。只、検査による負担や病気への不安など、子どもたちへの身体的・精神的負担も当然心配です。(検査を信じていない私が言うのもなんですが)、検査をしないと何も分からず、分からない以上手の施しようもなく(分かれば対策や治療ができます)、時が経って知らぬうちに病に冒され、それでも何の賠償もなく(分かっていれば、健康も命も戻りませんが、賠償は求められます)、全て後の祭りということになりかねません。子どもたちの受ける「負担」を考えると、検査なんてしない方が良いのかもしれません。しなくて良い検査なら、しない方が良いに決まっています。でも、少なくともきちんとした検査体制と追跡調査は必要だと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年12月20日)

13年度アスベスト労災認定1,084人

2014-12-18 11:51:37 | 日記
 2013年度にアスベストによる労災認定を受けた人は1,084人(内294人は認定時に死亡)だったと、またその他に「石綿健康被害救済法」に基づく遺族への給付金の支給が24人とのことです。厚生労働省は、労災認定を受けた被害者の勤め先(事業者名が不明、或いは個人事業者を除く)957事業場を公表しました。(お心当たりのある方は、厚労省のHP、或いは朝日新聞でご確認下さい)

 また、厚労省は今日と明日、午前10時から午後5時まで電話による相談を受け付けています。(03-3595-3402)また「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」でも、両日午前9時から午後5時まで相談を受けているそうです。フリーダイアル:0120-117-554、地域別では、東日本:03-5627-6007、中部:052-837-7402、関西:06-6943-1527、四国:0897-47-0307です。

 公表された事業場の内、新たに認定者がでた事業場は711もあり、アスベストに曝露しながら仕事に従事し、数十年後に健康被害が出た方は沢山おられるのではないかと思います。自ら気付いていない方、こうした事実を知らない方もおられるのではないかと思います。また、他にもアスベストが飛散していた職場は沢山あると思います。そうした情報が掘り起こされ、周知されることを願っています・・・

 ちなみに、愛媛県では、帝人松山事業所、クラレ西条事業所、住友化学愛媛工場、波止浜造船、星川銅工所、浅海木装です。

P.S. 高浜原発3・4号機が新基準を満たすとの規制委員会の判断で、来春以降には再稼動ということになりそうです。事故後にフランスからMOX燃料を買っていますから、3号機ではプルサーマルということになるんでしょうか?京都府の山田知事は、「何かあった場合には立地県並みに真っ先に影響を受ける。安全についてモノが言える協定が大前提」だと発言、滋賀県の三日月知事も、「避難態勢が不十分なままで原発を動かす判断をするときは、断固抗議していく」と述べられていますが、安倍政権に聞く耳があるとは思えません・・・

P.S.2 その安倍さんの進める(亡国の)円安・物価高政策ですが、通貨の実力を示す「実質実効為替レート」で見ると、11月の円相場は1ドル300円前後に当たり、変動相場制に移行後の最安値、1973年以来の水準で約40年ぶりの円安なのだそうです。これでは(一部の「無国籍企業」を除けば)日本経済は潰れてしまいます。(一部の富裕層を除けば)日本国民は困窮状態に追い遣られてしまいます。そしてその末路(暴落)が、さらに国民(くにたみ)を打ちのめすという「シナリオ」です。正に「亡国(民)」です・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年12月18日)

電力会社の受入れ「可能容量」の嘘

2014-12-17 11:45:13 | 日記
 経済産業省の新エネルギー小委員会の作業部会で、再生エネルギーの接続を中断している電力会社7社が、受け入れ可能容量を発表しました。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)太陽光の申請が最も多い九州電力は、国の認定量約1,800万kWに対し半分以下の817万kW、現在中断している申請は殆ど受け入れない姿勢です。次に申請の多い東北電力も、認定量の半分程度の552万kWです。

 しかし(例えば)東北電力の場合、認定されたものの内、既に運転を開始したのは全体の5,8%で、増加量も年数%に過ぎないそうです。しかも、認定(権利)だけとって工事を始めない業者や、発電の実現の見込みがないものも多く含まれているとのことです。(経産省もこうした事業者の接続枠の解除ができるように検討はしているようですが)また原発事故で使われていない東電管内の送電線や、原発停止で現在全国では多くの送電線が空いている状況です。受け入れようと思えば、まだまだ受け入れられるのです。

 「電力系統利用協議会」(ESCJ)、国内の全ての電力会社の消費電力や、連係線の使用状況を常時監視し、空き容量を管理して、連係線が使用できるかを判断する役割を担った機関の幹部はこうした(空いている)連係線が使われない理由を、「自然エネの接続可能量は、原子力(発電)が戻ってきた(時の)状況に基づいているのが実態」だと証言しています。太陽光やその他のエネルギーで安くて安全な電力が確保できるのに、原発を維持する為に、接続を制限しているわけです。

 北海道と本州を繋ぐ「北本連係線」、60万kWの電力を送れるのですが、通常は5%程度しか使っていません。(もっと送電設備を増強して)北海道で風力や太陽光で電力を作って消費地に送れば、(福島県も復興の柱として取り組んでいますが)産業として成り立つと思います。再生エネが大幅に普及すれば、安い電力が提供でき、製造業のみならず、あらゆる産業のコストが下がり、家庭の電気料金も下げることができると思います。原発がなくても、いえ、ない方が、安全で安価な電力を得られるというのが本当のところでしょう。それでも、(原発関連メーカーの利益の為に)原発をなくすということができない産業構造になっている、そして世界の構造の中で、原発(核)を持つことの意味と意義がある限り、原発を手放すことはない、というのが現実のようです・・・

P.S. スペインでは、風力発電の設備は日本の8倍で、国の電力の2割を占めるそうです。気象予測に基づいた発電量の予測と(発電量が多くなった)緊急時の出力の抑制システムを組み合わせて、安定的に電力を作っているそうです。同じようにすれば、「費用は余りかからず、相当の風力発電が入る」と、北海道で市民による風力発電を進める会社の鈴木社長さんの言葉です。ちなみに、日本の風力発電の累積導入量は(2009年末で)、1位の米国3,509万kW、2位の中国2,583万kW、3位のドイツ2,578万kWなどに比べ、13位で206万kWに過ぎません。(1桁違います)原因は、原発でも国土の広さでもないようです。只、風力など再生エネは余りやる気がない、つまり「原発利権」が(政治的にも経済的にも軍事的にも)強過ぎる、ということのように感じます・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年12月17日)

亡国選挙と続く亡国「アベノミクス」

2014-12-15 09:34:43 | 日記
 前回を約17%も下回る戦後最低の投票率(52%余り)、2人に1人が選挙に行かなかった、否、行けなかった安倍首相の「誘導」した「亡国選挙」は、文字通り「亡国」を予感させる(前回同様の)結果となりました。「経済優先で取り組んでいく」、安倍総理の開口一番でした。まだまだ続く地獄の亡国「アベノミクス」、国と民が疲弊していく、そんな長い長い暗闇の時を受忍しなければいけないのです。

 今回の選挙結果を米国のウォール・ストリート・ジャーナルは、「自民党の勝利は、安倍総理の人気を裏付けるものではない。連立与党は、弱体化した野党の恩恵を受けた」と分析、アベノミクスに至っては、「積極的な景気刺激策にも拘わらず、景気は低迷している」と評しています。アベノミクスによる「株バブル」の恩恵を受けた100万を超えたという「富裕層」を除けば、多くの国民は円安・物価高の負担に耐え、また企業の99,7%(雇用の7割)を占める中小企業はアベノミクス「倒産」の憂き目に晒されています。

 (香港では選挙の候補者すら選べないという圧制を敷く)中国の国営、新華社通信は、「(与党)勝利の要因は、自民党が強いからではなく、野党が弱過ぎるからだ。有権者には選択肢がなかった」と(珍しく冷静な)分析をしています。(白票を投じるしか)本当に「選択肢」がないのです。政党も、候補者も、選ぶべきものがないのです。セカンドベスト(次善)、サードベスト(次々善)、フォース・ベスト(次々々善)を選ぼうとしても、政党も候補者も滑り落ちていって残らないのです。それでも選ぶべきではないかと考えましたが、(経済もそうですが、政治も)「構造的」な問題なのです。自民党を民主党に塗り替えても、本質は何も変わりませんでした。この政治的空白状態は、そうした現実を有権者の多くが知ってしまっているからなのだと思います・・・

P.S. ジャーナリストの武田徹さんは原発に関して、「本当に原発のリスクを減らしたいなら、『原発やめろ』と叫ぶだけでは力にならない」、「何故原発が過疎地に押し付けられているのか。リスクを押し付けられている地元住民が、むしろ再稼動を望むのは何故なのか。原発の交付金がなければ明日の暮らしに困る過疎の現実がある」のだと、「いったん頼った原発をゼロにすれば、雇用や経済などで発生する覚悟が問われ」る、(基地問題や、処分場問題なども)「現存するリスクを広く薄く『痛み分け』することも考えねばな」らない、「原発を考えることは近代社会のアイデンティティーを問い直す」ことなのだと述べられています。(引用は『朝日新聞』)この「アイデンティティー」という言葉の意味は、近代社会の「本質」、「あり様」、「構造」そのものということだと思いました。その「構造」の中で私たちは生き、暮らしている、暮らしていかざるを得ないということだと思います。その「現実」を直視し、いくら犠牲を払おうと(基地や処分場、或いは原発(核)や自動車を)受け止める「覚悟」があるのか(嫌なら全てを放棄する「覚悟」があるのか)、それが問われているのだと思うのです・・・

P.S.2 武田さんは「アベノミクス」について、「アベノミクスは、格差の解消よりも、まずはリッチな人を増やし、その富をいずれ広く行き渡らせる」というもので、「年と地方の格差の中で原発をつくり、見返りの交付金で地元は身動きが取れなくなった歴史を繰り返すこと」なのだと指摘されています。まあ、近代社会のみならず、これまでの歴史を振り返れば、(人のすることです)こうした「構造」の中で同様の政策が繰り返されてきたに過ぎないのだと思います。パン屑(くず)が「お零れ」(トリクル)として落ちてくるのを有り難く受け取るしかない「現実」があるのです。でもその「パン屑」は、有害重金属で汚染されていたり、放射性物質が含まれていたりします。基地や処分場、原発(核)や自動車のように、健康被害のリスクと、そして命すら奪われる(或いは奪う側に立たされる)危険に満ちています。それでも、「お零れ」を拒否して生きる(全てを放棄する)ことは、容易ならざることだと思うのです・・・

P.S.3 ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さんは、「原発は商業ベースにのっているとはいえない。新増設や再稼動のレベルに達していない」、ただ、「1回知ってしまった知識は・・・なかなか消せない。核もなくすのが一番いいんだけど・・・」と述べられています。年間世界で100万人が犠牲になっている自動車、使用中だけでなく、原材料の採掘時(フロント・エンド)にも、使用後(バックエンド)にも環境を破壊し、汚染をもたらす、それでも自動車がこの世界からなくなることはありません。核(兵器、原発)も自動車も、この世界の「構造」に政治的にも経済的にも軍事的にも、完全に組み込まれたものだからです。この「構造」を根こそぎ変えることなど不可能なことです。どんなに犠牲が払われようとも、それらを「有用」(「利」)と考える人間がいる限り、なくなりはしないということです。核兵器は要らない、原発も要らない、基地もいらない、処分場や焼却場もいらない(当然、ゴミの出る生活はしないということになります)、この「構造」の中で最も犠牲者が多大な自動車なんて(金輪際)乗らない、そう思う人が100人が100人になれば、この世からなくなる(この「構造」の中から抜け落ちる)のでしょうが・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年12月15日)

遠い夢「核廃絶」

2014-12-11 10:33:18 | 日記
 160カ国近い国々が参加した第3回「核兵器の人道的影響に関する国際会議」が閉幕しました。議長国のオーストラリアは、「(各国の)代表団の大部分は、核兵器の最終的な廃絶は、核兵器禁止条約も含む法的な枠組みの中で追求すべきであると強調した」とする「議長総括」を出しましたが、核兵器を禁止する「法的枠組み」の必要性を発表した、前回のメキシコ会議からの前進は(残念ながら)見られませんでした。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 同「会議」の一般討論では、前回議長国のメキシコやシンガポールがその「法的枠組み」の必要性について取り上げ、「この前向きな流れを止めるべきではない」との意見が相次いだそうですが、今回初参加したアメリカとイギリスは、「核兵器を禁止するやり方は、核兵器によってもたらされる安定や安全を無視している」と主張、両国が主張する包括的核実験禁止条約など既存の「枠組み」による「段階的アプローチ」も併記され、前回のメキシコ会議の「総括」よりも後退した感があります。

 (監視し、恫喝し、圧力を与える為に参加したのでしょうが)アメリカ特別代表のアダム氏は「核実験の影響」に関するセッションで、「米国は核兵器禁止条約には進まない。包括的核実験禁止条約(CTBT)など、段階的に核不拡散条約(NPT)を推進していく」と発言、会場からブーイングが起こったとのことですが、この発言について「米国核時代平和財団」のデービッド会長は、「(核実験の影響という)セッションの議題と何ら関係がなく、不適切かつ高慢な発言だった」と批判しています。実際、CTBTやNPTによる「枠組み」では、核廃絶どころか核実験や核兵器の廃絶からは程遠い状況です。「ご主張」のように、核実験もやめない、核兵器もなくさない、ということのようです・・・

P.S. 一般討論で最初に発言をした日本の「被団協」の田中事務局長は、「核兵器の禁止と廃絶へのプロセスは直ちに開始しなければならない。そのための交渉を始める大きな第一歩を踏み出すことを強く訴え」られましたが(私もそう思います)、原発の核も直ちに禁止し、核廃棄物を(廃棄できないので)何万年間も如何に安全に管理していくのか、(これまで日本政府も殆ど考えてこなかったですから)もっと真剣に取り組んでいくべきだと思います。只、核廃棄物の最終処分場は未だ候補地すら決まっていない状況ですが・・・

P.S.2 核兵器廃絶の会議に、核を廃棄する積もりはないと発言する為に参加する米英の「姿勢」に、核兵器は無くならないとの感を強くしました。兵器としての「核」を持ち続けながら、他国には持たせない、従順で反抗の意思を持たない(従属)国には原発の「核」を持たせてコントロールする、破滅する時は一緒だと、脅されているようにも感じます。原爆を投下され多大なる命が失われ、原発過酷事故を経験し膨大な数の日本人が被曝をし、今尚事故は収束しないまま深刻な放射能汚染水問題に悩まされ、原発やその事故による大量の核廃棄物を抱えたまま、日本人とその子孫は生き残っていかなければいけないのです。楽観などできるはずもありません・・・

P.S.3 原子力規制委員会の田中委員長は、原発事故時の緊急作業に従事する作業員の被曝線量の上限について、現在の100mSvから250mSvに見直すように規制庁に指示を出したとのことです。福島第1原発事故時には、暫定的に250mSvまで引き上げられましたが、作業員への意思確認や(放射線防護などの)教育、防護装備などが不十分だったとの指摘が出ており、事前に引き上げて事前準備をするのだそうです。しかし私は、事故の対応や収束作業などのため、一般作業員の方の被曝線量の上限を上げることには反対です。生活の為に已む無く原発作業員として働いている彼らに、今まで以上の健康と命のリスクを負わせるべきではないと思います。(これまで書いてきたように)プラント(1基)ごとに緊急事故時の(所員による)「対策班」を設け、教育と訓練を日々実行し、また原発ごとに複数の対策班を「統括」する本部を設置、国の原発事故処理の「特殊部隊」を新設し、電力会社と国が一致して事故対応、事故処理に当たるようにすべきだと思います。F1の事故の時のように、政府と東電がばらばらで、所長の「指示」も所員に伝わらないようなことでは、事故は再び起きるでしょうし、起きれば被害が拡大してしまいます。しかし、今のところ(事故処理の現状を見てみても)、その「体制」が大きく変わったようには思えません。それでも、このまま、原発を稼働させようと言うのでしょうか?・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年12月11日)

「女性(男性?)リアル 更年期」

2014-12-08 11:10:37 | 日記
 先日NHKの「アサイチ」で、「女性リアル 更年期」という特集をしていました。私は「男性リアル 更年期」?という感じて見ていました。私の鬱の症状と殆ど同じだったからです。実際、更年期障害と鬱病との判別は難しいそうです。只、更年期障害には「ホルモン治療」が効果的とのことでしたが。

 症状としては、かつての元気だった自分と比べ、元気のない自分に悩み、思い通りにならない現状に辛さを感じていたり、或いは、元気な友人(他人)と比べて、自分が「下」(私の場合はダメ)になったような気に陥るというもの。こうした悩みを友達に相談すると、「気の持ちよう」と言われるのが一番傷つくのだそうです。まるで自分が怠けているようで、恥ずかしく、「貴方は甘えている」と言われているように感じるのです。正に、自分を否定されていると感じるのです。(ここまで、鬱病の症状とほぼ同じように思います)

 何もする気にならず、人とも会いたくない、置いてけぼりを食ったような感覚、夫に相談しても、「更年期だから仕方がない」と言われ、さらに傷つくわけです。「理解しようと思ったら、言えない」言葉だと感じるのです。癌で悩んでいる人が「癌だから仕方がない」と言われれば、突き放されているとしか思えない「言葉」です。「辛いよね」と一言言ってくれるだけで良いのです。(何を言って良いか)分からないなら、側で寄り添ってくれているだけで、有り難いのです。或いは(実はこれが一番難しいのですが)、只、聞いていてくれるだけで。

 「何でこんなに体が動かないんだろう」、「こんな自分になるはずじゃなかった」と皆さんは感じています。(ここまで殆ど私にも当て嵌まるのですが)5割6割の自分を認めて受け入れていくしかない、それが私の感想です。気を練っても、6割満たすのが今の私の限界です。一生懸命やってそうなんですから、自分を認めて、毎日淡々とやり続けていくしかないと思います。仕事量は半分になっても、「思いを込めて」やれば、それで十分だと。多分、そうした自分や人生を、受け入れていく為に、私たちは生まれたんだと思います。「死」も含めて、「諦め」(明らめ)と「受容」、これが人生の最大の学びの「課題」なんだと思います。あと、「一所懸命」も取り払えれば、100点満点なんだと思うのですが、「頑張らないように」頑張っている私などは、まだまだなんだと思います・・・

P.S. 「イライラを抑えられない。家族にぶつけてしまう」、「何かに当たらないと、やってられない」、私も経験したこと(今も感情を抑えられない私)ですが、家族に或いは友人に「甘えて」出させてもらうしかないように思います。でもこの「甘え」方が難しいと思います。有り難いという「気持ち」と相手を思い遣る「気持ち」がないと、(私などは失敗だらけですが)関係が壊れ、相手を傷つけてしまいます。「気の持ちよう」と言われるのは傷付きますが、やはり「気」をどのように持ち続けるかは、大事なこと(私にとっては大切な課題)と思います・・・

P.S.2 (『朝日新聞』の)「悩みのるつぼ」という美輪明宏さんの相談コーナーで、当初の夫の無理解と辛い不妊治療、それでも子どもを授からない女性の悩みに美輪さんが、(長くなるので2点だけ)「子どもが生まれたら幸せという妄想だけはおやめなさい」、「血が繋がっていないと家族ではないというのも大間違い」と(美輪さんだから言えるのだと思いますが)答えられていました。特に最初の言葉は頷けます。難関大学に合格できたら幸せ、大企業に就職できたら幸せ、(性格も含めて)条件の良いパートナーと結婚できたら幸せ、出世できたら(仕事が順調だったら)幸せ、お金持ちになったら幸せ、(皆さんはそうは思わないでしょうが)このような「妄想」(もうぞう)に苦しんでいる方は多いのではないでしょうか?そうした「自分」になれないことで悩んでいるのが私たちのように思います。美輪さんは、そういう「妄想」をお捨てなさい、と言われています。さて、その妄想から、一瞬でも抜け出せるように(無理なような気がしますが)、今日一日、過ごしてみようと思います。それでは、皆様、(美輪さん声音を思い出しながら)ごきげんよう・・・ちなみに、記事に掲載されている美輪さんのお顔、正しく、(「如意輪」(にょいりん)ではなく「美輪観音」とでも呼びましょうか)観音様そのものに感じます・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年12月8日)

増える「円安(アベノミクス)倒産」

2014-12-05 10:57:17 | 日記
 円が120円直前まで下落、円安(株高)を誘導する「アベノミクス」は成功しているかのように見えます。しかしその陰で、「円安(アベノミクス)倒産」が増加している実態があります。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 円安の影響による倒産が、11月は42件、3ヶ月連続で過去最多を更新、今年に入っての1~11月の倒産合計件数は301件で前年同期の2,7倍に達するとのことです。やはり、「アベノミクス円安」で原材料や輸入製品の価格が上昇し、中小企業の収益は著しく圧迫され、倒産に追い込まれているのです。ちなみに業種別では、運輸業や繊維業、食料品などで倒産が増えているそうです。

 一方、EUでも1人勝ちのドイツでは、中小企業が経済成長を牽引しているそうですが、日本は2000年代に入ってから、一部の大企業、輸出企業は堅調なものの、中小企業や地方、国民生活は逼迫した状況が続いています。(円安でも工場を国内に戻すどころか、逆に海外に工場を進出させて)雇用を生み出さない(自動車などの)輸出大企業、(儲けは税金の殆ど掛からないタックスヘブンへ移して)税金すら払おうとしない多国籍企業、そんな大企業のために税金で道路や橋、港湾などのインフラを整備する、そして法人税減税。

 法人税減税に関しては(過日もその財源を中小への増税で賄おうとの政府の思惑について書きましたが)、現在の日本では、法人税減税をしても国内の投資が増えたり、海外からの投資や企業進出が増える効果は殆ど見込めないそうです。(構造的にそうなのです)確かに、その減税分が(大企業の社員の)給与の引き上げとして回れば、(来ないでしょうが)いつかは「トリクル」(お零れが)落ちてくるかも知れませんが、結局は、大企業の「懐(ふところ)の財布」(内部留保)に入るだけのように思います。(ちなみに、9月末時点での内部留保を示す利益余剰金は過去最高の323兆円だそうです)

 (昨夜のニュースでは)原油価格がこの4ヶ月で(107ドルから66ドルへ)40ドル余り(4割)も下がったということでした。(シェール革命などの影響が大きいようです)しかし、円安でその殆どの恩恵は相殺されてしまっています。「アベノミクス円安」が、一部の大企業(多国籍という名の「無国籍企業」)を除く、(99%に及ぶ)日本企業を、そして日本経済そのものを破壊しようとしています。底値から約2倍に上昇した株価も、(円ドルレートで見れば)2割ほどしか上がっていません。日本の株が外国の資本に買われる、引いては企業が、日本が買われる状況を(輸出すら増えないのに)自ら演出(誘導)するとは、正に日本を「売って」いる行為としか思えません・・・

P.S. ムディーズ・インベストメント・サーブスは、日本の国債の格付けをAa3(上位3番目)からA1(上位4番目)へとランクを引き下げました。イスラエルやチェコ、オマーンなどと同じ水準です。消費税税率の延期などで財政赤字の削減目標が達成できるかどうか「不確実性が高まった」との理由からだそうです。財政再建は必要だと思います。しかし、それを増税だけで行なうのはどうかと思います。財政カットと増税は「一体的」なものでないと意味がありません。橋下さんの言われるように、議員と公務員の給与カットで年間5兆円の財政支出を減らし、一方で増税(最早、消費税しかないのかもしれません)で増収を目指して、プライマリーバランスの正常化を行なう。しかしながら、消費税増税で、税収が「増える」とは限りません。(まだ1年も経っていないので分かりませんが)消費税をアップしたのに、消費税による税収が上がっているかは分からないのです。(私自身は、別の形で税金を取るべきだと思っていますが)消費税増税は仕方ないと思っています。しかしそれは、消費税による税収が上がるとのかなりの見込みがあれば、という前提でです。その増収を大赤字の社会保障費に当てて、(消費税を当てても下がるでしょうが)少しでも、下がる社会保障サービスを低下させないようにしなければいけないと思うからです・・・

P.S.2 この失われた20年、(GDPの約6割を占める)個人消費は増えていません。多くの人は、今ある収入で倹(つま)しく暮らすことを選んだからです。(円高が、その状況を後押ししました)一方米国では、借金(ローン)で消費活動をしたり生活することに余り抵抗がないようです。政府がどれだけ財政赤字を抱えていようが、自らが借金漬けで暮らしていようが、余り気にならないのでしょう。日本人なら、国の借金は(政府が洗脳しているのもありますが)赤ちゃんも含め1人800万円とか、まるで自分の借金であるかのように思って心配し(しないといけませんが)、真面目に実直に暮らしている国民が多いと思うのです。その倹しい消費行動、生活を、借金してでも消費をさせようとしているのが「アベノミクス」の「目論見」のように思えて仕方がありません。唯一私たちにできる抵抗は、やはり「倹しく」生きる、生活する、それだけのように思います・・・

P.S.3 日本では株価上昇という「バブル」が進行中ですが、イギリス、ロンドンでは、住宅価格は年間2割も上がったそうです。イギリス中央銀行の金融緩和政策によって住宅ローンの金利が低く抑えられているために、(プチ)バブルが起こっています。米国では、あの「悪夢」のサブプライムローンが復活してしまっています。リーマンショック以降11億ドル(約1,310億円)に落ち込んだ「資産担保証券」(ABS)(信用力の低いサブプライムローンの債権を証券化したもの、様々なジャンクボンドをさらに一緒くたにした「悪魔」の証券)の発行額が、2013年には176億ドル(約1,2兆円)、今年の発行額は200億ドルに上ると予想されており、ピークだった2006年の216億ドルに迫っています。(リーマンショックはピークの2年後に起きています)これを当て嵌めると、2016年以降に、またぞろバブルが崩壊、大きな「ショック」に見舞われるかもしれません。バブルとその崩壊は繰り返されます。日本でもそれは例外ではないと思います・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年12月5日)

高浜・大飯の仮処分申請

2014-12-04 10:53:15 | 日記
 高浜原発3.4号機、大飯原発3・4号機の再稼動について、地元住民らは再稼動禁止を求める仮処分を、福井地裁に明日(5日)申し立てるとのことです。(以下、参照・引用は『朝日新聞』)

 高浜原発3.4号機、大飯原発3・4号機の両原発の再稼動禁止については、滋賀、京都、大阪3府県の住民178人が、再稼動禁止を求める訴訟を大津地裁に提起していました。しかし先月27日の判決で山本裁判長は、原発事故に対応する組織や地元自治体との連携、住民の避難計画などが現段階で策定されておらず、「このままでは再稼動はあり得ない」、「規制委員会がいたずらに早急に再稼動を容認するとは考えがたい」として、「差し止める必要性は認められない」として。住民の申立を却下していました。

 「このままでは再稼動はあり得ない」原発の再稼動を、「差し止める必要性は認められない」とは全く矛盾した判決です。しかも規制委員会は、再稼動の「容認」はしないと明言、単に新基準を満たしているかどうかと判定するものに過ぎないとし、また「安全」を保障するものでもないとも述べて(逃げて)います。勿論、政府が再稼動の「判断」を規制委員会に丸投げしているのではありますが、当然司法も政府に倣(なら)い、(司法独自の判断をしないというのが、これまでの司法の大方の「判断」ですから)、「あり得ない」再稼動でも差し止めない「意向」です。

 それでも今回、住民側が福井地裁に仮処分の申立をするのは、今年5月に大飯原発3・4号機の運転差止訴訟で、(画期的な)差止命令が出ましたが、関電側は名古屋高裁(金沢支部)に控訴した為判決は確定せず、仮に大飯原発3・4号機の新基準審査が適合と判断されれば、法的には再稼動が可能な為で、高浜原発の再稼動も含めて再度、その是非を問うものです。(そうするぐらいしか最早手段も残されていないというのが現状だと思います)

 しかも、明日提起される訴訟の審理には、(上記5月の判決を言い渡した)樋口裁判官が担当すると見込まれているとのことで、同様の判決(差止命令)が両原発の再稼動に関して出るのではないかとの「期待」があるようです。只、樋口裁判官への圧力は(期待も含めて)尋常ではないものと思われ、国策、そして世界の核戦力とも深く結びついている「判断」を、地裁レベルとはいえ、個人に求めてはいけないと思います。安倍さんことですから、同裁判官を担当から外すか、(時期はずれの)転勤ということになるのではないでしょか?或いは最悪にも、車輪の軋轢に耐えかねて、(一裁判官にどうにかできることではないのですから)自ら命を絶つということにならないようにと願います。大津裁判長のように、(批判はしても、非難はしません)曖昧に、逃げても良いと思うのです・・・

P.S. 「核兵器の全面廃絶に向けた共同行動」の決議案が、国連決議で採択されました。これまで最多の116カ国が提案し、185カ国の内170カ国の賛成多数で採択され、反対したのは北朝鮮だけだったそうです。(皆、本当は持ちたいのでしょうから、ある意味、正直だとも言えますが)これで21年連続の採択だそうです。170カ国が何十年も反対しても、「核」なくならないわけです。どんなに楽観的に見ても、(廃絶の努力はしなければいけないと思いますが)なくならない、ということだと思うのです・・・

P.S.2 しかも、私から見れば、原発も「核」なのであって、原発も核も違いはありません。同決議には、米国、フランス、イギリスも賛成したそうですが、同決議は「核兵器の拡散防止に向けて、国際社会に実効性のある行動を求める」ものでもあり、こちらは「核不拡散」という名での「核支配」を上手く進めるために「同決議」を利用しようとしているようです。(各国の支配者は誰もが「核」が欲しいわけで)「核兵器」が持てないなら、(電力なら他の手段で得られるのですから)代わりに「原発」を持ちたいと思っているわけで、そうした各国の「思い」を利用して操るというのが、(国のレベルでですが)この世界を実質的に支配している「核(5)大国」の「思惑」のようです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年12月4日)