今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

小松菜の日

2009-05-27 | 記念日
日本記念日協会で今日の記念日をみると、今日・5月27日は「小松菜の日 」 だそうだ。
この日を制定したのは、大阪府堺市の小松菜を専作している有限会社しものファームだとか。小松菜はカルシウムがほうれん草の5倍も含まれ、ビタミンも豊富など栄養面の評価の高い野菜として知られているが、記念日は小松菜の消費拡大を目的に制定されたもので、5と27で「小松菜」と読む語呂合わせだそうだ。この頃は、やたらと色々な業者の申請したものがそのまま記念日に登録をされているものが多いようだね~。もっとも、どのようなものであろうと、私のように、「今日のことあれこれと・・・」書いているものにとっては、ネタ切れにならないのでありがたいことではあるが・・・・(^0^)。
私は毎日の家の夕食の献立の参考にと、家人と一緒によく観ているテレビに、「はなまるマーケット」(TBS)の中の「とくまる」という番組があるが、その中で、東京都江戸川区のハウスでの小松菜栽培の様子とレシピの紹介があった。そこで、「農林水産省 野菜生産出荷統計(H18年)」 による小松菜の市町村別出荷量を紹介していたものを見ると以下の通りだという。(<とくまる・冬こそ食べたい!旬の小松菜・2008年12月10日【水】放送参照)。
1位 神奈川県横浜市 3,330t  2位 東京都江戸川区 3,140t  3位 福岡県久留米市 1,950t 4位 埼玉県さいたま市 1,760t 5位 兵庫県神戸市 1,450t・・(※以下参考に記載の「農林水産省:品目別分類/野菜」平成19年【2007年】・・・1年前とは、少し違うが昨年分としては、とくまるのものが正しいのだろう)。この中には、大阪府堺市は入っていないが、以外にも、私の住んでいる神戸市などが第5位に入っていた。ま、小松菜と言っても色んなものがあるから、生産量などにこだわる必要はないけれどね。
コマツナ(小松菜)は、アブラナ科アブラナ属の野菜で、葉を食用とするもので、分類上は、カブなどと同じアブラナ(油菜、別名:菜の花)の変種であるツケナ(漬け菜)の一種で古くはククタチ(又、クキタチ=茎立)ナ(菜)と呼ばれていたもので、漬け物やお浸し、煮物などに供されることが多い。中国では菘(シュウ)と呼ばれているようだ。
先に書いた「はなまるマーケット」の「とくまる」のなかでも東京・江戸川にある間々井香取神社(以下参考に記載の新小岩厄除香取神社HP参照)の神主も語っていたように、「小松菜」の名の由来については、享保4年(1719年)八代将軍徳川吉宗が鷹狩りをする時、旧西小松川村の鎮守であった香取神社を「御膳所」として食事をしたときに、当時の神主である龜井和泉守が餅の清(す)まし汁に地元の青菜(当時この地の菜は、「葛西菜(かさいな)」と呼ばれていたようだ)を少々彩りとしてあしらって献上すると、吉宗は、この香味良い菜を喜び、土地の名から「小松菜」と名付けたといわれている。
その後、この「小松菜」は人気を呼び、江戸後期の俳人小林一茶も『八番日記』に「小松菜の一文束や今朝の霜」の句を詠んでいるという(以下参考に記載の(小松菜屋敷~日本地域文化研究所~)参照)。
ツケナの野生種は、中央アジアから北欧に分布しており、日本への伝来や経路も明らかではないが、おそらく、中国である程度の品種分化が進んだものが、古代に朝鮮半島経由で日本に渡来したと推測されており、日本の野菜の中で最も古いものであるようだ。
古事記(712年)仁徳天皇の段には、「山県〔やまがた〕に 蒔〔ま〕ける菘菜〔あをな〕も 吉備人〔きびひと〕と 共〔とも〕にし採〔つ〕めば 楽〔たの〕しくもあるか 」と「菘」の字の記載があり、和訓を「アオナ」としている(以下参考に記載の「日本神話の御殿」の古事記/下巻16 仁徳天皇3)黒日賣への嫉妬のところを参照)
春の七草の1つであるスズナ【菘/鈴菜】は、誰もが知っての通り“カブ”の別名である。
現在、コマツナと呼ばれているものは固定種の固有名ではなく、他のツケナ類との交雑が容易であるため、早晩性(熟期に達するまでの栽培期間の長短)、抽台性(抽台とは、通常では茎が伸びないはずのロゼット型のキャベツやダイコン等で花芽ができると共に茎が伸びてくること)、葉形など特性や形質が極めて多様化しており、それぞれの地方でそこの風土・気候・土地の人の好みに合ったのもが栽培されている。東京・小松川地方の「東京小松菜・晩生小松菜」もカブの一種のククタチとナタネの雑種から選抜されたものと言われており、このグループにも、・東京小松菜、・丸葉小松菜、・卯月小松菜、・後関晩生、・信夫小松菜、・剣先菜、・熊本京菜、・黒菜、・新潟小松菜、・札幌菜、・大崎菜、・大月菜、など多くの品種があるのだそうだ。
耐寒性は強く、少々の降雪にも耐え、逆に寒さにあった方が味がのって美味しいとも言われており、昔は、冬場に収穫されるので「冬菜」とも呼ばれていた。また、3~4月に出荷されるため「鶯の鳴く頃の菜」という意味で「鶯菜(ウグイスナ)」とも呼ばれていた。
「雜煮は中位な四角の餅の燒いたのを大根、里芋、小松菜を浮かべたすまし汁のなかへ浸したものである。あつさりとしたこの味が幼い時から舌にならされてしまつた 」・・・・・。岡本かの子「雜煮」より抜粋したもの(以下参考に記載の青空文庫:作家別作品リスト:岡本 かの子「雜煮」参照)。
芸術家・故岡本太郎の母親でもある岡本かの子は、明治22年(1889年)、東京市赤坂区(現東京都港区)生まれの生粋の江戸っ子。小松菜の旬は冬で、関東地方ではハクサイとともに冬の野菜の代表格であり、東京風の雑煮には欠かせない野菜であり、幼少からそんな東京風の雑煮に慣れた彼女は山陰出身の主人にも東京風の雑煮を無理やり食べさせていたが、ある機会に、丸もちを使った視た眼も舌の味ひも、あつさりと品のよい、みやびやかな山陰雑煮を食べ非常に気に入ったようだ。雑煮と言っても、土地土地で色々な食べ方があるが、私の父は生粋の神戸っ子だったので、丸型の餅を焼いたものにかしわ(鶏肉)を少々それに小松菜を添えた神戸風のあっさりとした吸い物で、私たちも幼少期はこの雑煮を食べていた(神戸でも白味噌仕立てのところがあるようだが)が、私の母は徳島の出身だったので、父が亡くなると自分の里の味が良いのだろう、今までとは代って、白味噌を使った雑煮を作るようになった。父が生きている間は、父の好みに合わせていたのだろうが、亡くなると次第に、自分が育った故郷での味に代っていた。やはり、食べ物の嗜好は生まれ育ったときからの味が一番なのだろう。白味噌を使った蔵にもそれはそれで美味しいので、私も、その味に馴染んでいったが、私が結婚したあと、母親が居る間は、家人も、私の母親から受け継いだ方法で雑煮を作っていたが、母親が亡くなると、家人も神戸の出身なので、吸い物の雑煮が食べたいというので、もともと私も吸い物だったのだから、「それでよいよ」と言うと、以後は、ずっと、神戸風の吸い物の雑炊になった。他の料理も、私の母親はどちらかと言うと濃い味だったものが、次第に家人好みの神戸風のあっさりとした味に代って言ったよ(^0^)。
冒頭の今日の記念日を設けた理由の中にも書いてあるが、小松菜は、栄養価が高く、ビタミン類やミネラル類を豊富に含んでおり、別名「カルシウムの菜っぱ」と言われるぐらいであり、カルシウムが他の野菜に比べて最高に多いといわれており、そのうえカルシウムの吸収を阻害するシュウ酸が少ないことから、効果的にカルシウムを摂取できるのだそうだ。緑黄色野菜としてもビタミンCやβ―カロチンが豊富だという。以下参照。
小松菜 食の栄養 食材の栄養 医学・健康情報サイト J-Medical
http://www.j-medical.net/food/f-komatuna.html
我々のような年輩者はどうしてもカルシューム不足になるので、私も家人も出来るだけ食べるようにした方が良さそうだね~。
最後に、このブログを書くのに色々検索していて、江戸時代初期の京都の俳人・松永貞徳の以下のような句を見つけた。
「つまんとや人来人くる鶯菜」
「鶯菜」は春の季語であるから、早春に、春を待ちかねていたように「鶯菜」を摘もうと多くの人が次々にやってくる様子を描いたかのように見えるこの句には、別のもっと奥の深い意味があるのだという。日本の俳句や狂歌にはたった5・7・5の短い句の中に多くのことを語らせる。科学の進歩は著しい今日ではあるが、このような文学の面に関しては、今の人は昔の人にはかなわないと言うよりも能力面でも退化しているように思うよね~。それは、作家だけの問題ではなく、日本人全般の問題で、この句のように深い意味を持たせたものを作っても読者にそれを理解する力がなければ仕方がないからね~。日本の文化を大切にしない今の若い人の歌など聴いていても、何か、やたらとくどくどと長い歌が多いよね。ここに紹介した句の解説を一度読んでみられると、日本の古典文学の奥の深さが分かるよ。
清水哲男『新・増殖する俳句歳時記』 ⇒  季語が鶯菜の句
今日も、このブログを書く上で、色々、勉強をさせてもらった。私にとってブログのテーマーなどは、何でも良い。もともと、このブログは、人に読んでもらおうというよりも、何かのテーマーを元に、そのことを書くことにより、自分自身が学べたらよいと始めたものなのだから・・・。だから、専門でもないことをも色々書いているが、そのために、誤りも多々あるだろうが、その点は、平にご容赦を・・・・<(_ _)>。
(画像は「小松菜の里」 東京の野菜風土記 亀井 千歩子:著発行:彩流社 )
参考:
日本記念日協会
http://www.kinenbi.gr.jp/index2.html
有限会社しものファーム
http://www.sakai.zaq.ne.jp/shimonofarm/
コマツナ-Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%9E%E3%83%84%E3%83%8A
農林水産省/食料需給インフォメーション 第184平成20年11月11日発行
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/jki/j_mailmaga/bk/08_184.html
コマツナ / 旬マガ 旬の食材図鑑
http://www.shunmaga.jp/zukan/yasai/komatsuna/komatsuna.htm
冬の青菜
http://www.agri.pref.hokkaido.jp/nouseibu/soma/index/fuyu.htm
小松菜あれこれ
http://www5.plala.or.jp/nijiya231-9288/Yasai_Kata/komatu_na/komatu_na_.htm
東京おもしろ雑学・江戸川区の小松菜
http://www.juken-net.com/magajin/maga/210.htm
農林水産省:品目別分類/野菜
http://www.maff.go.jp/www/info/bunrui/mono05.html
新小岩厄除香取神社HP
http://homepage3.nifty.com/katorijinja/
小林一茶 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E4%B8%80%E8%8C%B6
小松菜屋敷~日本地域文化研究所~
http://members.jcom.home.ne.jp/michiko328/komatuna.html
古事記 – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E4%BA%8B%E8%A8%98
日本神話の御殿
http://nihonsinwa.at.infoseek.co.jp/index.html
七草 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%83%E8%8D%89
松永貞徳 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E6%B0%B8%E8%B2%9E%E5%BE%B3
東京風雑煮
http://www.nitto-j.com/menu/sonota_07.html
青空文庫:作家別作品リスト:岡本 かの子
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person76.html
清水哲男『新・増殖する俳句歳時記』
http://zouhai.com/index.html
農林水産省/茎立菜(くきたちな)とはどんな野菜ですか。
http://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/0504/07.html
小松菜 レシピ 83品 [クックパッド]
http://cookpad.com/category/626

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