今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

恋人の日

2006-06-12 | 記念日
今日(6月12日)は「恋人の日」
1988(昭和63)年に、全国額縁組合連合会が制定。
ブラジル・サンパウロ地方では、縁結びの聖人アントニウスが歿した前日の6月12日を「恋人の日」として、恋人同士が写真立てに写真を入れ交換しあう風習があることから日本でも、この「恋人の日」の風習を定着させようと全国額縁組合連合会が毎年『恋人の日』のキャンペーンを行っているようだ。
ヨーロッパやアメリカでは「縁結びの神」「女性の守護神」として崇められている聖アントニオの命日に行なわれる“聖アントニオ祭”のイブであるこの日、恋人や夫婦の間でプレゼントを交換するようになり、そして、いつしか「恋人の日」として定着していったという。
聖アントニオは、1195年頃にポルトガルのリスボンで誕生し、後にイタリアに来てアッシジのフランシスコ修道会へ入会の後、聖フランチェスコの弟子となった。1231年に36才という若さで亡くなるが最後の2年間はパドヴァで過ごした。高徳を慕われ、死の翌年には早くも教皇ゴレゴリオ9世から聖人に列せられ、パドヴァの町の守護聖人として崇められている他、弁舌に優れ、魚に説法をした伝説を持つという。
パドヴァにあるサンアントニオ教会(S. Antonio )は、1231年に聖アントニウスが亡くなり、その遺体を奉るため1232年に、工事が着工され16世紀に完成した。イル・サント(聖なる地)と呼ばれ、イタリア国内でも有名な聖地である。
以下参考のパドヴァ(観光スポット)によると、”ここは法王庁直轄の教会で、内部は治外法権となっているそうで、協会内部には、聖アントニウスの遺体を収めた礼拝堂がある。4本の円柱が5つのアーチを支えたルネッサンス様式で16世紀にヴェネツィアの主任建築家として活躍した、ヤコポ・サンソヴィーノや諸彫刻家達による浮き彫り彫刻が残されており、この礼拝堂と向かい合った右側廊にはサン・フェリーチェ礼拝堂がある。ここには14世紀後半にヴェローナやパドヴァで活躍したアルティキエーリの「クラビーホの戦い」「磔刑」などの壁画が描かれており、内陣の主祭壇はドナテッロ制作のブロンズの十字架像を中心にした祭壇であり、祭壇前飾りと飾り台には音楽を奏でる天使達と聖アントニウスの奇跡を描いたレリーフが残されているそうだ。
聖アントニウスは生前から数々の奇跡を残しており、その中でも有名なのが「跪くロバの奇跡」で、主祭壇を飾るドナテッロの浮き彫りパネルにも描かれている。<ある異教徒が「カトリックの聖体であるパンとぶどう酒の前にロバが跪かなければ自分はそんなものは信じられない」と豪語した。それを聞いた聖アントニウスがご聖体の前にロバを連れてくると、ロバがその場に跪いた。異教徒は奇跡を目の当たりにしてすぐに改宗した>という奇跡である。亡くなった後も聖アントニウスを奉るこの教会では数々の奇跡が起きているという。彼は熱病や疫病から人々を守り、失くし物を見つけてくれる聖人として、今日もなお、人々の根強い信仰を集め、この墓所に巡礼にやってくる人が絶えないそうだ。祭壇飾り台の更に上部には「磔刑」、聖母子と諸聖人像。祭壇後ろには石造りのキリスト降架。祭壇左側にはアンドレア・ブリオスコが1515年に作ったブロンズの燭台が置かれている。入り口付近には(扉の上)ピエトロ・アンニゴーニの「胡桃の木の上で説教する聖アントニウス」がある。”そうだ。
聖アントニウスは、両親が死んだときに貧しい人々に財産をすべて分け与え、自らはエジプトの砂漠に隠とんし、長く孤独な生活を続けた。また、彼がしばしば修道士の姿で描かれているのは、修道院制度の父とされているからなのだそうだ。 古来、聖アントニウスをテーマにした作品は数多く描かれてきたが、「聖アントニウスの誘惑」が有名。砂漠で隠修士として苦行生活を送る聖人アントニウスが、砂漠で修行中の聖アントニウスが悪魔の誘惑を受け、悪魔の様々な誘惑を受けていく姿を描いているが、その誘惑に耐える聖アントニウスの信仰心が教義となっているそうだ。
マルティン・ショーンガウアーの「聖アントニウスの誘惑」
ヒエロニムス・ボス-聖アントニウスの誘惑-
ダフィット・テニールスの「聖アントニウスの誘惑」
しかし、作者により絵は異なるが、ここに登場する悪魔たちをよく見るとどれも恐ろしいというよりも、ユーモラスなまた愛らしい姿をしているのが良い。それに、ダフィット・テニールスの「聖アントニウスの誘惑」では、白いドレスに身を纏った美しい女性の姿で、黒い杯を持って、アントニウスに近づき「誘惑」しようとする美しい女性も彼女の足を見れば悪魔であることが分かるというが、私のような、酒にも女にも弱い人間は、誘惑に負けてしまうだろうな~・・。
音楽でも、ヒンデミット(Hindemith)の交響曲「画家マティス」第三楽章、「聖アントニウスの誘惑」が有名とか。
ドイツ・ルネサンスの画家・マティス(マティアス)・グリューネヴァルト の「イーゼンハイム祭壇画」の第3面にも、左に「聖アントニウスの聖パウルスの訪問」、右がボスの作品を思わせる怪物が登場する「聖アントニウスの誘惑」が描かれている。
「イーゼンハイム祭壇画」は、イーゼンハイム村(当時アルザス地方は神聖ローマ帝国領)にあった聖アントニウス会修道院付属の施療院の礼拝堂にあったものであり、修道会の守護聖人聖アントニウスの木像を安置する彩色木彫祭壇であり(制作は1511年‐1515年頃。)絵は、聖アントニウスの彫像を中に納めた祭壇の扉絵になっていたもの。
現在、フランス、アルザス地方のコルマールという町にあるウンターリンデン美術館に所蔵されており、そこでは祭壇画の形ではなく、3面の形で展示されている。この扉が閉じられている状態が、A図(平日面)、観音開きのように開いたものがB図(日曜面)、この面をもう一度開くと厨子が拝めるという具合で、開かれた扉の裏面がC図ということになる。Aの平日面とは、通常扉が閉められている状態の面ということで、つまり平日はこの面しか見られない。Bの日曜面とは言葉通り日曜日や祝日に扉が1枚開かれて現れる面のことで週に1度だけ見られる面。C図の2枚の絵とご本尊(聖アントニウスの彫像)は修道院守護聖人の祝日のみ見られるというものだそうだ。
「聖アントニウスの誘惑」の絵は、本当に有名な絵だったのですよね。今まで紹介した画家の他にも色んな画家が描いているようだ。
「恋人の日」に、「誘惑」の絵の話になってしまったが、「恋は盲目」になって、変な誘惑に惑わされず、確りと相手を見定めて、良い「恋人」を選んでくださいよ・・・。
最後に、全国額縁組合連合会(全額連)が主宰で、恋人の日(6/12)にちなんだ五行歌、写真付き五行歌(メール応募のみ)の公募もしているようだ。毎年やっているようなので、来年は恋人と一緒に写真でも撮って応募してみたら・・・。
(画像は、イーゼンハイム祭壇画の第1面。右パネルには聖アントニウスの像。フリー百科事典 Wikipediaより借用)
参考:
パドヴァ(観光スポット)
http://www.tm-a.co.jp/cityInfo/Italy/Padova/Pdova_spots.html
パドヴァ、ジョットのスクロヴェーニ礼拝堂
http://www.abaxjp.com/gw04-padova/gw04-padova.html
ヒエロニムス・ボス-聖アントニウスの誘惑-
http://www.salvastyle.com/menu_renaissance/bosch_anthony.html
「聖アントニウスの誘惑」 マルティン・ショーンガウアー (1475年ころ)
http://www.asahi-net.or.jp/~rv3m-stu/pic420.htm
コレッジョ-聖フランチェスコの聖母(Madonna del san Francesco
http://www.salvastyle.com/menu_mannierism/correggio_francesco.html
はろるど・わーど:ダフィット・テニールス 「聖アントニウスの誘惑 」
http://blog.goo.ne.jp/harold1234/e/b75e9d7a9893211ab294dd306f30f151
ヒンデミット 交響曲「画家マティス」
http://www.musiker21.com/hindemith02.html
Hindemith:画家マティス Grünewald:イーゼンハイム祭壇画
http://www.ann.hi-ho.ne.jp/aria/isenheim.htm
マティアス・グリューネヴァルト (ルネサンス)・・・(画像を拡大して大きく見れる)
http://www.ne.jp/asahi/art/dorian/G/Grunewald/Grunewald.htm
マティアス・グリューネヴァルト - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%88
2006年恋人の日 五行歌公募
http://5gyohka.com/event/koibito-2006.htm


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