五十の手習い足払い

五十歳を過ぎて始めたブログも18年目に突入。
山梨に住む新しモノ好きのオヤジが自分の趣味や日々の暮らしをつづります。

917Kア・ラ・カルト

2017年09月16日 | ミニカー
3台並んだ同じ形のレースカー。
私がミニカーを集めるきっかけの一つにもなったポルシェ917です。

1969年から1971年までの三年間に、ル・マン24時間レースにエントリーした917は全部で18台あります。
これらのミニカーは一応すべて集めたのですが、ル・マン以外でも917と見ると手に入れたくなる癖があって、この一年でも3台ほど入手しました。

で、今回はその3台をご紹介します。
偶然にもすべてショートボディの917Kと言われるタイプのものです。


最初は1970年1月のチャンピオンシップ緒戦のデイトナ24時間レースを走ったポルシェ917Kの3号車。
オーストリア・ザルツブルグのチームからエントリーされたクルマで、ドライバーはクルト・アーレンスとヴィック・エルフォード。


予選は4位、決勝では途中で燃料タンクを破損してレース中盤でリタイヤしてしまいました。
ちなみに、このレースではジョン・ワイヤー率いるガルフ・ポルシェ2台がワン・ツー・フィニッシュを飾っています。


このザルツブルグ・カラーとも言える独特のカラーリング、いいですね。
白地に赤はこのデイトナだけに使用されたものなのです。
この年のル・マンで初優勝した917Kの23号車も同じザルツブルグ・チームのクルマですが、オレンジ地に白というリバーシブル・カラーです。
まあ、当然ながら23号車の方が有名ですが...。

蛇足ですが、この917Kの車体番号は「917-011」。
このデイトナと次戦のセブリングの2戦だけ使用されています。
セブリングで事故を起こしていますから、それでスクラップになってしまったのかもしれません。

それはさておき、


二番目は、同じ1970年7月のノンチャンピオンシップ・レースであるマニクール・グランプリに出場した917Kの59号車。
オーナーのデヴィッド・パイパーが一人でドライブしたクルマです。


予選の記録は残っていませんが、決勝レースでは3位に入っています。


こちらの917Kの車体番号は「917-010」。

さて、1969年に日本グランプリでニッサンR382やトヨタ7と戦ったシファート(シフェール)のポルシェ917を覚えているでしょうか?

そうです。
何を隠そう、この「010」こそが日本グランプリを走ったあの「白い巨象」14号車なのです。

ご興味のない方はこの辺り、読み飛ばしてくださいね。


6年前にブログに載せた写真を再掲載しておきます(ちょっと恥ずかしい)。
このときの「010」は屋根付きボディだったんですね。
ショートボディを表す「K」は付かないので、単に「ポルシェ917」と呼ばれていました。


その後この「010」はパイパー自身によって各地の色々なレースに出場します。
優勝も3回くらいしています。
ひょっとすると、一番多くのレースに出場した917かもしれません。


実は、1971年10月に開催された富士GC第5戦のために再び来日しています。
このとき生沢徹選手のドライブによって2位に入っています。

生沢選手の917Kを抑えて、激しい雨中のレースを制したのは、ポルシェ908/2を駆る風戸裕でした。
このとき風戸選手は弱冠22歳。
風戸裕といえば、あの「サーキットの狼」の主人公・風吹裕矢の...

イヤイヤ、話がそれました。
このくらいにしておきましょう。


残念ながら富士GC戦の917Kのミニカーは持っていません。
「テツ・イクザワ」のドライブということもあってけっこう高価だったりしますので...。
いずれは入手したいとは思っていますが。


代わりに(?)手に入れたのが、同じ1971年7月に行われたワトキンズ・グレン6時間に出場した917Kの43号車。
実はこれも同じパイパーの「010」なのですね。
このときのドライバーはトニー・アダモヴィッツとマリオ・カブラル。


予選は11位、決勝ではバッテリー・トラブルに見舞われ、最後まで走り切ったものの周回不足で完走は認められませんでした。

カラーは来日した時と同じダーク・グリーン。
塗り替える暇が無かったのかもしれませんが、まあ、こんな感じのクルマだったんだろうな、と。

ご存知の方も多いかもしれませんが、このデヴィッド・パイパーは1970年、映画「栄光のル・マン」撮影のために917を走らせていて事故を起こし両足を切断してレーサーを引退してしまったのです。
多分、1971年にはもう走ることができなかったものと思われます。


ちなみに、両方の「010」に描かれた黒い人影と「SANDEMAN」の文字は、1790年に創業されたシェリーとポートワインの老舗ブランドの名前。
おそらくパイパーのメインスポンサーなのでしょうね。


雨で明日の東京行きが中止になってしまったせいで時間ができ、つい長々と書いてしまいました。
ポルシェ917については、まだまだ書きたいことがありますが、今回はこのくらいで。

3台の917KはすべてPMA(ミニチャンプス)製、1/43スケール。
日本グランプリの917だけはエブロ製です。


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2 コメント

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すばらしいミニカー (908-3)
2018-05-11 21:14:11
偶然ブログを拝見しました。
あまりにうれしくて、初めて投稿させていただきます。
素晴らしいコレクションですね、実は私も非常に似た機種を集めています。ポルシェ917,908(特に-3),69年の日本グランプリ、Can-Am、等々です。
なかなか見つけるのが難しいと思いますが、新しいコレクションが手に入りましたら、またぜひ見せてください。
908/3 (のせ)
2018-05-11 23:09:19
ご覧いただきありがとうございます。
本当に私と同じようなミニカーを集めていらっしゃるのですね。なんかうれしい。
日本グランプリの出場マシンはずいぶん集めましたよ。Can-Amはマクラーレンが数台程度ですが。
908/3は(私の知る限り)ルマンを走っていないので、収集の対象になっていないことでしょうか。トランプマークの付いた908/3は可愛いですが。
908や917は私の好きなモデルで、何度もブログに書いています。よろしければ他のブログもお読みくださいますよう。

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