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『さみしさ』に沁みる言葉②

「さみしさに」沁みる言葉

うっとうしい相手でも、居なくなったらさみしい

伊藤比呂美

 *

 うちの家では、連れ合いと何か一緒に行動するということがめったにない。私の横には犬がいつも座っているので、犬と二人で生きている感じです。

 いやぁ、さみしいものですよ。だから彼は彼で、私は私で好きなことをやって過ごしています。

 20年前だったら、「こんな状態でなんで夫婦なのかしら」って思ったかも知れないけれど、今はこれで十分。彼もだいぶ年を取って来たから口を開けばネガティブなことばかり言っていて、『あ~。うるさいなぁ、うっとうしいなぁ』って感じながらも、それも夫婦のコミュニケーションだと思って聞いています。

 もちろん『愛してる』なんてポジティブな言葉を貰う方がうれしいけど、欲は言いません。相手にも自分にもできることとできないことがあるんです。若いころは、夫婦関係ってもっとお互いを尊重したまともな関係があると思っていたのですが、もうこの年になるとね・・・。

 ネガティブなコミュニケーションばかりでも、それも夫婦関係だと思えるようになってきました。

 夫が亡くなって一人残された女友達が何人かいるんですけど、「夫が亡くなった時のさみしさったら、他にない」って口を揃えて言うんです。

「ほんっとうにさみしい!」って。「生きているときに感じていたあのうっとうしいもの(=夫)は何だったんだろう」ってみんな言います。

 生前は、ネガティブな事ばかり言う夫が嫌で、内心『このやろう』とか『死んじまえ』って思っていたらしいんですが、いざ亡くなったらものすごいさみしさに襲われるそうなんです。

いなくなって初めて、「うっとうしくても、やっぱりいてくれた方がよかったな」って気づくんです。さみしいもんですよ、ほんと人間って。続く

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