吉岡昌俊「短歌の感想」

『現代の歌人140』(小高賢編著、新書館)などに掲載されている短歌を読んで感想を書く

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陽だまりと影

2017-07-08 02:29:58 | 日記
かなしみを地に敷くごとく陽だまりに鳩は小さき翼ひろげる
江戸雪『Door』

翼をひろげるということは、飛び立つための行為であって、そこには前向きな意思のようなものがあるだろう。それは一見、ただ明るいもののように思える。だが、「かなしみを地に敷くごとく」という比喩からは、明るさよりもむしろ、陰影が感じられる。実際に、鳩が小さい翼を広げたとき、その下に小さい影が生まれたのだろう。
考えてみれば、「かなしみ」と前向きな意思は相反するものではない。それが見せかけのものでないのなら、「かなしみ」の底には前向きな意思があり、前向きな意思の底には「かなしみ」があると思う。
「陽だまり」にいるから翼の下に影が生まれる。影が生まれるから「陽だまり」に翼をひろげていることが実感できる。光だけではない、闇だけでもない、そういう世界や自分をこの鳩は生きている。
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