障害年金社労士 吉野千賀 ブログ

障害年金など社労士の仕事を通して感じたこと、知って為になること、面白いことをよしの社労士事務所の代表吉野千賀が綴ります!

障害年金受給中の新たな病気

2017-03-27 | 社労士の障害年金
春分の日も過ぎて、満開の桜も間近と思ったら

今日も冷たい雨が続きますね。

月に2回は更新しようと思っているブログ、

書くネタはあるのに、なかなか時間がとれず・・・。

気がつくと前回から2ヶ月も経ってしまいました。ガーン。

さて、

障害年金の社会保険審査会の過去の裁決集から

障害年金受給中の新たな病気」について、書いてみます。

ちなみに、社会保険審査会の裁決集とは、

不服申し立て(再審査請求)の裁決をまとめたものです。

その中には、読んでいて

あ〜、あかん。ここをこうすれば、もっと早くいい結果がでたのに・・・

と残念に思うことも、たくさんあるのですよ。

たぶん、ご本人かご家族が、再審査請求まで行ったものらしく

障害年金の制度を知っているのと知らないことの差だと思います。

そのひとつを、ご参考に紹介しますね。

その前に、予備知識として。

障害年金を請求(申請)する時に、

障害の原因となった傷病名」を記載する欄があります。

ここに記載した傷病名を「請求傷病」と呼びます。

「請求傷病」は、基本的には診断書に記載されている傷病名ですよ。

そして、障害の等級が認定されたとします。

その障害の等級は、あくまでも「請求傷病」によるものであること

を忘れないでくださいね。

それから、何年かに一度の更新時期に提出する診断書も

「請求傷病」による現在の症状だけですよ。

何年も経つうちに、他の傷病が出てきて、症状が悪化したとします。

それで、更新診断書に、新たな傷病を加えて提出しても、

その何気に加えられた新たな傷病は、認定の対象になりません。

というのは、

新たな傷病は、初診日も異なりますよね。

新たな傷病の初診日証明(=受診状況等証明書)を取得して、

新たな傷病の「病歴・就労状況等申立書」や「診断書」を

提出して初めて、別傷病の障害として認定されるものです。


そこで、晴れて「既存の障害」と「新たな障害」と2つを合わせて、

上位等級になるのです(2つ合わせても同じ等級のままの場合もありますが)。

これを「併合」といいます。

症状が重くなった時に行う「額の改定請求」も

元々の「請求傷病」が重くなった場合のみ、提出するものです。

新たな傷病が加わって重くなった場合は、

上述のとおり、新たな傷病として初めから書類を揃えます。

ただし、精神の疾患については、医師によっては傷病名が変わることもあります。

その場合は、新たな傷病ではなく、元々の傷病名が変わっただけですから、

初めから書類を揃える必要はありません。



平成24年障害厚生年金の再審査請求の裁決集から・・・

脳腫瘍(術後)のために、

昭和◯◯年◯月から2級の障害年金を受給していた方が

平成◯年◯月に障害年金の「額の改定」請求を行いました。

額改定請求書の傷病名は「脳腫瘍による四肢体幹機能障害」

診断書の傷病名は「脳動静脈奇形術後 ウイルス性脳炎

診断書の現在までの治療の内容等には、

「昭和◯年、脳動静脈奇形術後、左片麻痺になり車イス生活に。

平成◯年◯月◯日、脳炎を発症して、寝たきりに。以来、全介助状態に。」

この場合、請求傷病は、昭和◯年を初診日とする「脳腫瘍(術後)」です。

したがって、

額改定請求の対象傷病は、昭和◯年を初診日とする「脳腫瘍(術後)」でないとなりません。

じゃあ、「ウイルス性脳炎」は???

平成◯年◯月◯日に発病した「別傷病」なのです。

脳炎を発症してから、寝たきりの状態になったんですね。

脳腫瘍が原因でウイルス性脳炎になったわけでないなら、

相当因果関係がない「別傷病」です。

そうすると、そもそも「額改定請求」ではなく、

ウイルス性脳炎を傷病名とする、別傷病の「裁定請求」を一から行って、

「併合」しなければならないのです。

1級にならないことを不服として、再審査請求するのではないのです。

これって、年金事務所で額改定請求を提出するときに、

アドバイス受けなかったのかなぁ・・・。

認定に納得いかず、頑張って再審査請求しても、

「脳動静脈奇形術後とウイルス性脳症とは、相当因果関係が認められないとする判断とも矛盾しない。・・・障害認定対象傷病による障害の状態は、1級には該当しないものであり、再審査請求は理由がないのでこれを棄却する」

と言われてしまいます。

ウイルス性脳炎を加えた障害の状態は

「ADL 全介助、全く何もできない」
「完全に寝たきり、座位もとれない」ですので

1級に該当する程度です。

何度も言いますが、

この方の場合は、「額改定請求」でなく、

ウイルス性脳炎を請求傷病とする裁定請求(申請)を行って

併合されて1級になる可能性があったのです。

今からでも遅くありません。

場合によっては、遡及して1級になる可能性もあるでしょう。

ただし、ウイルス性脳炎の初診日で納付要件を満たさないとなりませんが。



障害年金の仕組みは、やっぱり難しいですね。

ブログを書いていて、そう思います。

でも、「なぜそうなんだろう」という部分を理解すると、

構成は論理的なので、わけがわからない仕組みではありません。

わからないことがあれば、

一度、相談してみてくださいませ。

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【関連記事】障害年金請求サポート専門社労士吉野千賀ブログの「社労士の障害年金」記事一覧
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おかげさまで、刊行2か月ちょっとで1万部に到達しました。ありがとうございます。

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Chika Yoshino

障害年金請求サポートの「よしの社労士事務所」 吉野千賀
ジャンル:
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