顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

水戸金工 2代目 北川北仙

2016年07月17日 | 水戸の観光
テレビのなんでも鑑定団で、二代目北川北仙の真鍮製(宣徳銅)花瓶が180万円の鑑定額で出たことがありました。(写真はlivedoorブログより)

水戸金工は、佐竹氏が京都から正阿弥一派の彫工を招致したのが始まりといわれ、徳川光圀が殖産策の一つとして奨励し、主に作られたのは刀装具、隆盛を極めたのは徳川斉昭の頃で、萩谷勝平や海野美盛など数々の名工を輩出しました。偕楽園にもこの二人を顕彰する「名匠の碑」が梅林の中に建っています。
やがて廃刀令が出され、多くの金工師が廃業を余儀なくされましたが、海野勝民は東京に進出し、北川北仙は水戸に残り数々の名品を残しました。

谷中の桂岸寺の参道にある常夜灯、未だ上部は震災崩落のままですが、台座側面の寄付者一覧の銅板文字の精巧な彫り、きちんとしたレタリングの楷書体に眼を惹かれ、よく見ると昭和9年、水戸彫金正宗北川北仙謹刻とありました。製作年から明治13年生まれの二代目、50代の仕事とわかりますが、その技術の高さにはびっくり、こんなところで名匠の作品を鑑賞できるとは思いませんでした。

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