シニア花井の韓国余話

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校内暴力:小学生が教師に暴行、体罰も相次ぐ

2010年09月29日 11時12分41秒 | Weblog
(韓国大手新聞、朝鮮日報 10.7.17記事抜粋)
ケース1:中学生のA君は、技術家庭担当のB教諭から日常的に棒でたたかれていた。B教諭は、A君が教科書を開いていないと言ってはたたき、黙って立っていればさらにたたくという具合に体罰を加えていた。A君は50日間に頭だけでも十数回殴られた。 A君はある日突然、目に黒いカーテンが掛かったように、視界が悪くなった。病院では「頭に受けた衝撃による眼球異常の症状」と診断された。A君は6カ月間休学、入院して専門的な治療を受けなければならない状況だ(「真の教育のための全国保護者会」に寄せられた相談事例)。
ケース2:中学校に勤務するC教諭(女性)は、出勤途中に3年生D君が女子生徒と手をつないで歩いているのを見かけた。その日の授業時間に、C教諭がD君に「あの女子生徒は誰?」と聞いたところ、D君は「気になるならそのときに聞けばよかったのに、何で今聞くんですか」と答えた。このため、C教諭は「もう少し物の言い方に気をつけなさい」と諭した。翌日、D君はC教諭の肩を足で思い切りけり上げた。C教諭はいすからころげ落ち、教室の床に倒れ込んだ(韓国教員団体総連合会〈韓国教総〉に寄せられた相談事例)。 まるで暴力映画のワンシーンを思い起こさせるようなこうした事例は、9年実際に学校で起きたことだ。教師が生徒をたたき生徒が教師を殴る「師弟間暴力」が教室で後を絶たない。
■体罰も相変わらず、増える暴力
 生徒が教師に暴力を振るうケースは毎年増えている。教師が生徒から暴言・暴行・脅迫されるなど、不当な処遇を受けた事例を韓国教総が調査したところ、05年の52件から09年には108件と2倍以上に増えたことが分かった。 こうした中、教師に暴力を振るう生徒の年齢は、ますます低年齢化している。慶尚南道金海市内の中学校に勤めるキム教諭(34)は「以前は、教師を脅したり、暴力を振るうのは体格が大きな高校生だったが、最近は中学生だけでなく、小学生に殴られたという教師の話もよく聞く」という。9年8月には、小学5年生の児童が女性教師にいすで襲いかかった事件が韓国教総に報告された。授業中に、児童が携帯電話を取り出し、大音量で音楽を聴いていたため、教師が携帯電話を取り上げた。すると、この児童は教師に向かって「何で人の携帯電話機を取り上げるんだ」と反抗した。だが、教師が携帯電話を返さなかったことから、児童はいすを教師の腕・わき腹・胸に振り下ろし、さらには頭めがけていすを持ち上げたところ、慌てて駆けつけた男性教師が制止し、暴行をやめさせた。
 一方、教師が生徒に体罰を与えるケースも後を絶たない。「真の教育のための全国保護者会」が08年から09年にかけて保護者から受けた相談事例を見ると、計1126件のうち、教師の体罰(110件)と言葉による暴力(26件)が全体の12%に当たる136件を占めていた。
 同会は「生徒が精神科の治療を受けたり、大きなけがをしたケースもある」としている。
■過保護・業務量増加も一因
 生徒の教師に対する暴力が急増していることついて、専門家は「兄弟姉妹がいない一人っ子が増えるなど、過保護な家庭環境で育った生徒は、衝動的な行動に出る傾向がある」と分析している。
 韓国教総のハ教権局長は、「一人っ子家庭の親は、子供たちの要求をすべて聞き入れて養育するケースが多い。こうした子供たちは、教師にしかられたり、気分を害されると、衝動的な行動に出る」と話す。
 米テネシー州の小学校に子供を通わせていたナさん(49)は、「米国では、子供同士で『学校に火を付けよう』といったことを口にしただけでも、停学3カ月の処分を受けるほど、学校の規則が厳しい。このように厳しい制裁が必要だ」と語った。教師による深刻な体罰がなくならないのも、社会的な変化に関係がある。建国大学の呉聖三教授(教育学)は、「極端な体罰は、基本的には教師の個人的な性格に起因するが、以前に比べ、最近は教師の業務が急増していることから、衝動的な行動も増えている」と指摘している。
 韓国教総のキム広報担当は、「体罰を加えずに生徒を教育的に指導する方法を、教師養成カリキュラムを通じて強化しなければならない。一方、保護者も自分の子供をかばうだけでなく、教師を尊重する姿勢を自ら示し、子供の教育を任せるべき」と話している。


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