シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

【萬物相】インチキ「グルメ番組」

2011年05月21日 17時08分04秒 | Weblog
 (韓国大手新聞、朝鮮日報 11.5.10記事抜粋)
 南漢山城の南門に向かう登り口、数十軒の飲食店が立ち並ぶ中、「KBS・MBC・SBSの味自慢に出ていない店」という看板を掲げた店がある。テレビ番組に出演したことを自慢し、客を呼び込もうとする飲食店が多い中、この珍しい看板はとりわけ目を引く。テレビにあふれるグルメ情報番組に対する人々の不信感やからかいの気持ちが、それだけ大きいということだ。
 韓国でおいしい店を紹介し普及させた立役者といえば、『将軍の息子』を書いた小説家、洪性裕(ホン・ソンユ)が挙げられる。1980年代半ばに国民所得が2000ドル(現在のレートで約16万円、以下同じ)を超え、外食産業が定着し始めたころ、同氏の雅号を冠した『伯坡別味(自慢の味)紀行』は、グルメを追い求める人々を飲食店に呼び込んだ。当時、洪性裕が「今のグルメの党首(リーダー)は私だが、初代党首はほかにいる」と言った人物がいる。50年代に雑誌でグルメに関するコラムを連載し、同誌の販売部数を2倍に引き上げた童話作家、馬海松(マ・ヘソン)だ。
 当時、ソウルで最高の洋食店といわれた南山外交倶楽部のシェフは、新メニューを開発すると真っ先に馬海松に試食させ、評価を求めたという。80年代後半、洪性裕がソウル市江南区の鯨料理店についてのコラムを書いた3週間後、その店を訪れた。店主は「この3週間の売り上げが、1年間の売り上げを超えた」と語った。二人の多大な影響力は、大衆が二人の評価を信じ、従ったことから生まれた。
 以前は、日本でも「おいしい」を連発するテレビ番組があふれていたが、最近は韓国のテレビがそれを真似ている。客が親指を立てて「本当においしい」「精力もつくらしい」などと称賛する地上波番組は10を超える。1年もたてば、少なくとも数千店の「おいしい店」が生まれる計算になる。番組の通りなら、韓国人は「味の天国」に暮らしていると言ってもおかしくない。
 先週、全州国際映画祭に出品されたキム・ジェファン監督のドキュメンタリー映画「トゥルーマッショー(マッは味の意味)」が、地上波のグルメ番組をめぐる不正行為の実態を暴露した。ある番組で「死ぬほど芸術的」と料理を絶賛していた人は、番組のために用意された偽の客だった。飲食店100店余りから金銭を受け取り、グルメ番組の制作会社との橋渡しをしていた仲介者の存在も明らかになった。キム監督自身が軽食店を経営し、放送局2社にそれぞれ1000万ウォン(約74万円)、900万ウォン(約67万円)を払い、グルメ番組に出演する様子も紹介された。ただでさえ味気ない日常の中で、食べることくらい楽しみたいという人々の気持ちをもてあそんだ放送局に、どうおきゅうを据えればよいのだろうか。
●取材めぐり金銭授受、グルメ番組の制作実態とは
「テレビで紹介する」として店に制作費数百万ウォンを要求
アルバイトが客として出演するケースも
 グルメ情報番組で取り上げる「おいしい店」の選定をめぐり金銭の授受が行われ、仲介者が介入している事実が、5月9日までに分かった。一部の番組では、経営者の知人やアルバイトが客として出演していたことも明らかになった。
 現在放送されている地上波放送局3社のグルメ情報番組は、KBS第2の「VJ特攻隊」「生き生き情報通」、MBCの「探せ! おいしいTV」、SBSの「生放送トゥディ」「出発モーニングワイド」など。いずれも外注の制作会社が放送局から制作費を受け、取材や編集を行っている。
 「おいしい店」として紹介されたある店の経営者は、本紙の電話取材に対し「制作会社のから電話があり、『番組で紹介する』として編集費や取材費の名目で数百万ウォン(数十万円)を要求された」と打ち明けた。別の経営者は「店を宣伝してもらおうと制作会社に連絡したところ、制作費の一部を負担するよう求められた」と語った。
 ある地上波放送局でグルメ番組を手掛けていた元プロデューサーは「おいしい店として紹介された飲食店のうち、外注の制作会社に制作費の名目で300万-500万ウォン(約22万-37万円)を払った店があると聞いている」と語った。また、制作会社のプロデューサーには「知っている店がある」と近づき、飲食店の経営者には「300万ウォン出せばテレビに出られる」と持ちかけ、橋渡し的な役割を担う仲介者もいるという。
 地上波放送局教養局の元管理職は「グルメ紹介番組は全部インチキだ。食に対する国民の関心が高まっている一方、飲食店は飽和状態に達し、一部の制作会社プロデューサーがあからさまに数百万ウォンを要求することもある」と打ち明けた。元教養プロデューサーは「紹介された店で、カメラに向かって親指を立てて『おいしい』と答える人の中には、店の経営者の知人やアルバイトもいる」と語った。
 元MBC教養プロデューサーのキム・ジェファン監督は、グルメ情報番組をめぐる金銭のやり取りなどの実態を描いたドキュメンタリー映画『トゥルーマッショー(マッは味の意味)』を全州国際映画祭(5月6日閉幕)に出品し、長編コンペティション部門で観客賞を受賞した。
 これに対し、外注制作会社は「飲食店への制作費要求」を否定しなかったものの「放送局が十分な制作費を支払わないため」と放送局側に責任を転嫁した。
(投稿者注)
KBS・MBC・SBS=地上波テレビ局
ソウルでは、テレビに取り上げられたとするポスターが貼られた店が目立つ。
日本のグルメ番組でも、レポーターが美味しくないと言ったのを見たことがない。
韓国と五十歩百歩のように思う。
日本ではやたらと高い店がテレビに出ることも多い。高くておいしいのは当たり前だが・・・。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。