シニア花井の韓国余話

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韓国の大学生5万人、借金漬け生活の実態

2011年08月09日 22時50分06秒 | Weblog
(韓国大手新聞、朝鮮日報 11.8.5記事抜粋)
 女子大学生のYさん(24)は3年前、生活費に困り、貸金業者から198万ウォン(約14万7000円)を借りた。しかし、年49%という高金利を払えず、延滞を繰り返した。今年に入り、元利合計で489万ウォン(約36万3000円)に膨らんだ借金の返済に行き詰まったYさんは、金融債務不履行者(信用不良者)に分類された。今年1月から個人再生手続きに入ったYさんは、コンビニエンスストアでアルバイトをしながら、元金を返済している。
■大学生100人当たり1.7人が金融業者を利用
 金融監督院によると、韓国の大学生307万人のうち、6月末現在で4万7945人が貸金業者から合計約794億6000万ウォン(約59億円)の借金をしているという。昨年6月時点で貸金業者を利用した大学生が3万494人、債務額が565億ウォン(約42億円)だったのに比べると、1年間で利用者は57.2%、金額は40.4%増えたことになる。こうした実態とともに、借金を返済できずに信用不良者に転落する大学生も急増している。
 今回の調査は、貸金業者上位40社のうち、大学生向けローンを扱う28社を対象に実施された。このため、小規模業者を利用しているケースや非正規ローンを利用しているケースを含めれば、借金をしている大学生の数は5万人以上、債務額は800億ウォンを上回ると推定される。統計上は大学生100人のうち1.7人が貸金業者から借金をしていることになる。
 大学生は職場も財産もなく、銀行から低利で融資を受けることができない。このため、カード会社、貯蓄銀行などから融資を受けるか、高金利で容易に融資に応じてくれる貸金業者に手を出すことになる。貸金業者が無保証でも簡単にローンを組めると誘惑する広告を出している実態も問題視されている。
 貸金業者を利用した大学生の67%は、授業料や生活費を賄うためという理由で借金をしていた。このほか、別の借金返済に充てるために借金を重ねた大学生も7%に上ることが分かった。母親と二人暮らしの女子学生(23)は、学費を工面するため、貸金業者から410万ウォン(約30万円)を借り、5年間で月16万ウォン(約1万2000円)を返済することにした。しかし、月66万ウォン(約4万9000円)の母親の収入では、ワンルームの家賃35万ウォン(約2万6000円)を支払うのもやっとだ。
ある男子学生(27)の状況はさらに深刻だ。父親の事業資金に充てようと、貸金業者3社、貯蓄銀行2行から1277万ウォン(約95万円)を借りたところ、債務が3000万ウォン(約223万円)を超え、信用不良者となった。
 金融監督院関係者は「社会人になる前に信用不良者に転落する大学生が増えており、就職の支障になっている」と話した。大学生の信用不良者は、2006年には670人だったが、07年に3785人、08年には1万250人へと増加。昨年には2万5366人に達し、4年で38倍に増えた。大学生の延滞率(14.9%)は、貸金業者全体の延滞率(7.2%)の2倍を超える。
■40%の高金利
 貸金業者は、大学生には一定の所得がないとして、法定上限の利子を受け取っている。そのため一度借金をすると、年40%前後の殺人的な高金利に苦しむことになる。貸金業者の法定最高金利は昨年7月までは年49%だったが、今年上半期には44%、先月からは39%に引き下げられた。
 しかし、銀行の金利よりは依然7-8倍高い。借金の取り立てに苦しみ、両親との不和や家庭崩壊といったケースも招きかねない。ある大学生(24)は、両親に内緒で400万ウォン(約30万円)を借り、ゲーム用の仮想通貨やスマートフォンを購入する代金に充てていた。その後、母親に借金のことが知られしかられたため、家出したまま、行方が分からないという。この母親は最近、金融監督院を訪れ、「なぜ学生証だけで融資を行うのか」と不満をぶちまけた。ある女子学生(24)は「返済日の1週間前から早めに払えと取り立てられる。ときにはののしられることもある」と話した。
 宋虎根(ソン・ホグン)ソウル大教授(社会学)は「授業料の引き下げなど大学生が社会進出のために準備する上でかかる社会的費用を軽減する対策を政府が考案すべきだ」と指摘した。






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