シニア花井の韓国余話

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韓国の学校から消えゆく体育の授業

2011年04月13日 15時03分41秒 | Weblog
 (韓国大手新聞、朝鮮日報 11.4.3記事抜粋)
集中履修制導入で、1年生時にまとめて体育の授業。全国の高校の10%、体力づくりがおろそかに
 ソウルに住むパクさん(46)は最近、高校2年生の息子の机の前に張ってある新学期の時間割を見て、気になることがあった。1週間に体育の授業が1回もないためだ。息子に尋ねると「1年生のときにまとめて体育の授業を受けたから、2年生では体育をしない」という答えが返ってきた。パクさんは「体力づくりは継続して行うべきものなのに、体育を特定の学年にまとめて行うなんて、生徒たちの健康が心配だ」と話した。 このような現象は、今年の高校1年生から、さらに顕著になりそうだ。「09年改訂教育課程」により、今年から「集中履修制」が本格的に導入され、学校で体育の授業が目立って減少している。集中履修制とは、授業の集中度を上げるため、一つの科目の授業を6学期(1学年当たり2学期)のうちの特定の学期や、特定の学年にまとめて行う制度だ。 パクさんの息子の学校のように、体育の授業を集中して行う高校は、全体の70%に迫ることが調査の結果分かった。民主党で国会教科委員会所属のアン議員が、全国の高校3673校で体育の授業の編成状況を調査した結果、全学期を通して体育の授業を行っている学校は、昨年の1994校(54.3%)から1178校(32.1%)へと大きく減少した。
 4学期だけ体育の授業を行っている学校は1541校(42.0%)と最も多く、3学期だけ行う学校が272校(7.4%)、2学期だけ行う学校は366校(10.0%)だった。高校生の10人に1人は、高校時代の2年間、全く体育の授業を受けないことになる。 中学校も同様だ。慶尚南道教育庁では昨年、管内の中学校250校のうち1学期以上体育の授業がなかった学校は158校で、全体の63.2%に上った。44.4%に当たる111校では、1年間ずっと体育の授業がなかった。 このように、生徒たちの運動時間が不足すると、生徒たちが病弱になる上、体育教諭たちが他の科目の授業を担当する場合もある。青少年期に十分な運動をしなければ、心身の発達がアンバランスになり、創意力が低下すると専門家は警告する。 このため、成長期の体力づくりが非常に重要な中・高校生に対しては、体育は集中履修制から除外する必要があるという意見も出ている。 体育の授業をまとめて行うだけでなく、授業時数を減らすという現象も起きている。韓国教員団体総連合会(教総)が3月、小・中学校585校を対象に実施したアンケート調査では、かなりの学校が体育の授業時数を減らしていることが明らかになった。小学校3年生の場合、28校が体育の時間を平均5.9時間削減し、中学校では8校が平均31.9時間削減したと回答した。 京畿道のある体育教諭(38)は「体育教育が受験勉強に押され、次第に形式的に行われるようになっている上、集中履修制がこれをあおっている」と話した。教総のキム・ドンシク・スポークスマンは「学校現場では、芸術・体育教育を通じた創意力・人格形成教育を強調しているが、実際は国語、英語、数学の授業だけを増やしている。学校の状況に合わせて、集中履修制をより弾力的に運営すべきだ」と話した。
■集中履修制
 今年から小・中・高校に本格的に適用される新しい授業編成方式の一つ。科目別の授業時間数さえ満たせば、授業を行う学年や学期を各学校が自由に定められるというのが、この制度の柱となっている。例えば、体育の授業を3年間のうちの1年にまとめて行うのか、あるいは3年にわたり毎学期、均等に行うのか、学校の裁量で決定することができる。


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