おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

十二月大歌舞伎

2016-12-31 16:26:07 | 観たもの
 大晦日になって「クリスマスツリー」の写真↑っていうのもいかがなものかと思いましたが、12月の歌舞伎座の写真が案外撮ってなくてこれにしました。

 歌舞伎座の第1部がさんと松也さんの「あらしのよるに」でした。昨年9月に京都の南座で初演、最初は客の入りももひとつでしたが、SNSを中心に評判が拡散され、後半はほぼ満席、もう一度行きたいと思っても切符が取れませんでした。それだけ好評だったので、終わった時から“東京で再演”のウワサはあり、明治座?あるいは新橋演舞場?と思っていたら、いきなり“本丸”の歌舞伎座での再演と聞き、ちょっとびっくりしました。染ちゃんの「アテルイ」も亀ちゃんの「ワンピース」も新橋演舞場ですからね。獅童さん・松也さん主演で歌舞伎座ってすごいことだと思いました。葛西聖司さんの「僕らの歌舞伎」によれば、玉ちゃん、獅童さん、松也さんにずいぶんと目をかけられているようなので、玉ちゃんの後押しがあったのかと勝手に想像たくましくしております。

 その「あらしのよるに」ですが、初演時の狼のギロが月之助さん(現・喜多村緑郎さん)から中車さんに、ばりばりばりぃが千壽さんから猿弥さんに変わりました。千壽さん・千次郎さん・松十郎さんの「晴の会トリオ」が非常によかったので、千壽さんだけ抜けるってちょっと残念でしたが、上方の役者さんが12月に京都に出ないって、やっぱりナンなのかもしれないので、千次郎さんと松十郎さんを歌舞伎座へ出してくださった我當さんと孝夫さんの英断がすごかったのかなぁと思ったりもします。

 獅童さんのガブ、松也さんのメイ、前回からさらにパワーアップ、二人(二匹?)の友情には泣かされました。客席のあちこちからグスングスン言ってるのが聞こえました。中車さん、二枚目でかっこいい月之助さんの後ってどうかしら?と思っていましたが、藍隈を取っての敵役、なかなかお似合いでした。台詞も新作というよりは古典のような言い回しで、歌舞伎の台詞にもずいぶんと慣れてこられたのかしらとふと思いました。1月は演舞場で「がっつり古典」ですが、あの「楼門五山桐」のさんざんな五右衛門からどれだけ成長されたか楽しみです。

 ばりばりばりぃも猿弥さんがもともと面白い人(スミマセン、超ざっくりした言い方で)なので、お笑い担当はお手の物、違和感なく拝見できました。千次郎さんと松十郎さんが歌舞伎座の舞台で大活躍、台詞も出番も多くて、ちょっとうるっときました。ただ、SNSとかを見ていると「なぜ関西弁の狼?」とか「関西弁の人がまぎれてる」とか異議?を唱える人が結構いらっしゃって、上方歌舞伎贔屓としてはムッとしました。初演からギロの手下は「晴の会」トリオなんですから。

 今回も非常に評判が高かったようで、演出を担当された藤間のご宗家勘十郎さんがツイッターで「再演が…、あるとか…、ないとか…」と呟いていらっしゃったので、またどこか(博多座?松竹座?)でかかるのかもしれません。

 第2部は「吹雪峠」と「寺子屋」でした。「吹雪峠」は密室での心理劇、中車さんがご出演となれば大いに期待していたのですが、舞台が暗くて動きも少なく、完全に寝落ちしてしまい、気がついたら中車さんが去るところでした。仕方ないので、遠征は1部の「あらよる」を見て帰阪する予定でしたが、「あらよる」が終わってからもう一回幕見しました。ちゃんと起きてたけど、うーーーん、よーわからん芝居でした。別に見なくてもよかったかしらとちらっと思ってしまいました。中車さん、歌舞伎のほうがいいです。
 
 「寺子屋」は勘九郎さんの松王丸と七之助さんの千代という組み合わせです。「寺子屋」は2年前に孝夫さんの松王丸、玉ちゃんの千代という現世最高峰の組み合わせを見てしまったので、それ以来、どなたの「寺子屋」を見ても、「あぁ…」って感じで見る前から投げてる状態です。ところどころ意識を失いながらの観劇となりました。勘九郎さん、スミマセン。あなたに罪はないのだけれど…。

 第3部は「二人椀久」と「京鹿子娘五人道成寺」です。これは一階と三階と2回見ました。12月の遠征はもともと18日(日)~19日(月)の1泊2日の予定でしたが、18日に浜松で不発弾処理があって新幹線が遅れるということで、急遽17日から行くことにし、17日の3部を見ることにしました。一応、3Bで取ったのですが、せっかくの「京鹿子娘道成寺」、玉ちゃんは一人ではもう踊りませんと宣言なさっている演目、1階で見たいなぁと戻りチケットをチェックしていたら、1週間ぐらい前に1階の4列目34番という席が戻り、それをgetしました。当日だと24番とか25番とかも戻っていたそうです。

 「二人椀久」は舞台が暗くなるのでイケマセン。それとお相手が勘九郎さんだと思うとイケマセン。桔梗さんのお座敷で見所、聞き所を予習していたので、とりあえずそれの確認だけでもせねば!と思いつつ、ふーっと意識が遠のくこともあって、失礼な客です。玉ちゃんがお綺麗!という、当たり前すぎることは確認しました。本当に品のある美しさです。

 「京鹿子五人娘道成寺」は舞台が明るくて、いろいろな人がとっかえひっかえ登場するので、いやぁ~、ほんと楽しい舞台でした。所化に千次郎さんと松十郎さんがいらっしゃるというのも上方歌舞伎贔屓は嬉しかったです。

 「五人」で均等に分担して踊るのかと思っていたら、肝心なところは玉ちゃんがご登場で、いきなり金冠をかぶった玉ちゃんを拝見できて、いきなりテンションMAXになりました。見る前からわかっていたとは言え、五人ったって、圧倒的な存在感です。他4名をけ蹴散らしていらっしゃいました。もちろん、玉ちゃんはそんな下品なことは思っていらっしゃらないと思います。将来、歌舞伎座の舞台で一人で「京鹿子娘道成寺」を踊るであろう人たちにご自身がお持ちの舞踊の技術や役の性根など全てを伝えようとなさったお舞台だと思います。見ているこちらも息を継ぐのも瞬きするのも憚られるような渾身のお舞台でした。

 七之助さん、ずっと玉ちゃんのご指導を受けていらっしゃるせいか、お化粧も身のこなしも美しくよろしゅうございました。勘九郎さんはやっぱりまだ「加役」って感じです。梅枝さんも安定しています。児太郎さんも見るたびに良くなっています。何年か前に福助さんがまだお元気の時に松竹座で拝見しましたが、本当に下手くそで酷かったので、それから思うと格段の進歩です。葛西さんの「僕らの歌舞伎」の中で、お父様が病気で倒れられてそれから覚悟が出来た、みたいなことをおっしゃっていました。たぶん、何もなくそのまま福助を襲名されたらそのままだったんでしょうね。ご本人のヤル気と玉ちゃんのご指導の賜物かと。将来の歌右衛門ですからね。

 そういう五人に圧倒されつつ、ワタシの個人的なツボは後見さんです。4列目にいると、引き抜きの時の糸を抜く音まで聞こえてきて、「はぁ、いよいよ!」と思うと、ワクワクドキドキしておりました。最後の五人の引き抜きの時は、後見さんがそれぞれのお家の裃をつけて出てこられ、舞台上ちょっと混雑していましたが、後見さんの動きって好きなので、それも堪能させていただきました。

 
 
 
 3日通ったのですが、いつでも撮れると思って昼間の歌舞伎座の写真がゼロでした。

 
 メゾンカイザーのパン

 
 
 歌舞伎座のおやつ。これにたい焼きもあります。歌舞伎座にいると、ごはんよりもおやつでお腹を満たしているようなかんじです。あ、写真はないのですが、17日の日に、銀座三越でおむすびを買って行ったのですが、それの「煮卵のおむすび」っていうのがめちゃくちゃ美味しかったです。1月もどこかで買いたいと思います。
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6 コメント

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1月の歌舞伎座 (京にんじん)
2016-12-31 17:00:23
1月は吉太朗くんが歌舞伎座出演とのこと、楽しみです。
浅草公会堂の花形歌舞伎のチケットを買ったら、5人の若武者のポストカードが送られてきました。
宣伝にこれつとめているようです。
これも楽しみ。
来年もすれちがいつつ、よろしくお願いいたします。
今年も有難うございました (sumire)
2016-12-31 17:53:36
色々と情報や観劇の感想 有難うございました。 特に 東京はなかなか行けないので 嬉しかったです。
玉様はまだまだ 頑張って欲しいですね。
来年は松竹座で お会いしましょうね。
宜しくお願いします。
12月第3部 (まるこ)
2016-12-31 21:10:51
よろしゅうございましたね。何と言っても玉三郎さん。^^
松山太夫の儚さ、美しさに、はぁ~・・・・
花子の美しさ、強さ、妖しさに、はぁ~・・・
基本、玉三郎さんしか眼に入りませんが、七之助さん、梅枝さんがしなやかでした。梅枝さん、楽しみです。

来週 (おとら)
2016-12-31 21:48:53
京にんじんさん
一月は6日に上京するので、来週末は東京です。吉太朗くん、4演目にご出演だそうですね。ご本人もブログで決意を述べていらっしゃいました。愛之助さんといっしょに上方歌舞伎の力を見せていただきたいと思います。

こちらこそ来年もよろしくお願いいたします。またどこかでごいっしょしましょう。(見てるもの結構かぶってるんですけどね。見事にすれ違いです)
こちらこそ (おとら)
2016-12-31 22:00:13
sumireさま
こちらこそいつも読んでくださって有難うございます。東京もいつまで行けるかわかりませんが、見られる時に見ておかないと!と思い、後先考えずに上京しています。歌舞伎座は全てにおいてすごい劇場だと思います。

来年もよろしくお願いいたします。
京鹿子娘道成寺 (おとら)
2016-12-31 22:10:20
まるこさん
舞踊はどちらかといえば苦手なんですが、12月の「京鹿子五人娘道成寺」は本当に楽しくて、1階と3階で二回見ましたが、二回見てよかったです。玉さまが素晴らしいのはもちろんですが、他の四人が必死で食らいついていく様子もすごかったです。玉さまに焦点を合わせつつ、他4名も見たくてキョロキョロしてしまいました。

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